文化行政のあらまし
1. 芸術創造活動の活性化
第3章  文化立国の実現のための施策の体系
 
 文化立国の実現のため,以下のような施策を実施する。これら文化振興施策については,第2章の2.(5)の当面の取り組みと同時に,厳しい財政状況を踏まえ,早急に対応が必要な課題から取り組む。
 
 文化は,とりわけ創造性が求められる分野であり,多彩で豊かな芸術文化を生み出す源泉は,芸術家や芸術文化団体等の自由な発想に基づく創造活動にある。しかし,その活動基盤は極めて不安定な状況にあることから,芸術家・芸術文化団体等が創造活動に活発に取り組めるようにするため,それを支える安定した創作環境の整備充実が不可欠である。
 このため,公的支援や民間支援など社会に内在する多様な資源を活用し,様々な形態による芸術文化支援を一層充実させる。
 
(1) 芸術創造活動への支援
   創造的な芸術活動の活性化を推進し,我が国の芸術水準の向上を図るためには,芸術家・芸術団体が創造活動に活発に取り組めるような環境の整備が不可欠である。
   このため,我が国の舞台芸術の水準向上の牽引力となる芸術団体に対する重点的支援,国際的な芸術交流活動への支援,次代の芸術界を担う若手芸術家等の養成研修や調査研究などの芸術創造の基盤を整備する活動への支援などを内容とする総合的な支援システムである「アーツプラン21」をさらに一層充実する。また,国際交流推進活動については,芸術団体による海外公演のほか,我が国で行われる舞台芸術の国際フェスティバルに対する支援を充実する。
 
(2) メディア芸術の振興(「メディア芸術21」の推進)
   近年の技術の進展に伴って誕生したコンピュータ・グラフィックス,ゲーム ソフト,インターネット・ホームページ等の新しいメディア芸術は,新たな芸術の創造や我が国の芸術文化全体の活性化を促す牽引力として,その振興を図る。
   また,映画,アニメーション及びマンガについては,これらの新しいメディア芸術の基盤となるものであり,その一層の振興を図る。
   これらのメディア芸術は,21世紀の我が国芸術の中心の一つとして発展していくことが期待されており,今後,メディア芸術の振興を図るための諸施策を「メディア芸術21」と位置付け,その一層の推進を図っていく。
   このため,優れた作品の発表や顕彰の場であるメディア芸術祭の開催,創造活動を情報面から支援するメディア芸術プラザの開設などの施策を充実するとともに,併せて,国際映画祭への出品支援,シナリオ・コンクールへの支援,映画関係者の人材養成などの映画芸術振興施策を充実する。
 
(3) 幅広い芸術文化活動への助成
   優れた芸術文化活動を育て,国民に広く親しまれるようにするため,幅広い芸術団体の創造活動や芸術文化の普及活動等に対し,芸術文化振興基金による継続的・安定的な助成を充実する。
 
(4) メセナ活動の活性化
   芸術文化活動に対する支援については,税制上の優遇措置の充実とその活用,助成型財団の効果的な活用などを図り,企業等の寄付や助成などの多様な民間資金の一層の活用を促進する。また,資金的援助に加え,企業等の人材や施設等を活用した人的・物的支援,企業等による文化的な事業の実施などの多面的な支援を展開する。
 
(5) 活字文化の振興と普及
   活字文化は文化創造の基盤として,我が国文化の振興・普及に大きな役割を果たしている。特に,新聞,書籍,雑誌は多様な活字文化を創造し,これを広く国民に伝える役割を担っており,その文化的意義は大きい。しかし,近年,国民とりわけ若者の活字離れなども憂慮されており,豊かな活字文化を守り伝え,さらに発展させていくことが必要となっている。
   このため,関係団体が実施する展示会やシンポジウムの開催に対する支援を充実するなど,活字文化が果たしている役割に関し,広く普及・啓発を推進する。
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