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新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)の設計について
 
 文化庁では,美術への関心の高度化,美術活動の活発化,多様化,国際化等に対応するため,全国的公募展や大型企画展などへの施設の提供を行うとともに,国内外の展覧会情報などの収集・提供や教育普及活動を行うことにより,我が国の美術の振興と国民の美術鑑賞機会の充実を図り,もって文化の向上に寄与するため「新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)」の設置準備を進めています。
 この施設は,「新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)基本計画」(平成11年3月)に基づき,我が国を代表する美術展示施設として東京都港区六本木(東京大学六本木地区移転跡地の一部)に敷地面積 30,000平方メートル,建物延べ床面積 約45,000平方メートルの規模で建設を計画しており,平成11年度より基本設計に着手し,このほど実施設計を完了しました。
 設計業務は,文部科学省(大臣官房文教施設部)から黒川紀章・日本設計共同体に委託し,文化庁が設置している新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)設立準備委員会(平山郁夫座長)の意見を踏まえつつ,進めてきました。 文化庁は,今後とも建設周辺地域及び関係機関と密接に連携・協力しながら,平成17年度中の完成を目指し,建設工事等を進めていきます。
 設計の概要は,以下のとおりです。
 
(1) 設 計 者
  黒川紀章・日本設計共同体
     代表者 轄武紀章建築都市設計事務所
     構成員 鞄本設計
  
(2) 設計主旨
 我が国を代表する美術展示施設に相応しい施設として,多様化する現代美術など急速に進展する美術活動にも対応できるよう,機能的で利便性の高い展示空間や関連施設を配置するとともに,周辺の施設及び環境負荷の低減にも十分配慮した計画としています。
 また,施設の維持管理を容易にし,運営経費の軽減を図るとともに,地球環境に配慮し,高齢者,身体障害者等のためにバリアフリー化を推進するなど,「人」にやさしく,国民から親しみをもたれる施設を目指しています。
 
(3) 施設計画
    (配置計画)
     本計画敷地は,千代田線乃木坂駅に隣接しているほか,日比谷線六本木駅・都営大江戸線六本木駅が至近にあるなど交通の便が非常に優れています。この立地条件を生かし,六本木と乃木坂の両方向から容易に来館できるよう配置し,大勢の来館者に対応できるようにしています。
     また,敷地の高低差を積極的に利用し地形に馴染んだ計画とするほか,隣接住宅に対しては,十分な距離をとることで圧迫感を緩和し,日照を確保する計画としています。 
    (平面計画)
     建物は,地下1階,地上4階(一部地下2階地上6階)の5層で構成しています。
     地下1階には,展示作品の搬出入のための作業室や保管室,公募展のための審査室を配置し,上階の展示室と効率的に機能するよう配慮しています。また,ミュージアムショップやレセプションホール等を配置しています。
     地上1階から3階までは,公募展示室,公募・企画展示室(約2,000uの展示室を7室)を配置し,美術団体が実施する全国的公募展の複数同時開催や大型企画展にも十分対応できる広い展示面積を確保しています。
     各展示室内は,柱の無い一体的な空間としつつ,大型可動展示パネルで自由に分割できるようにし,多様化する現代美術など急速に進展する美術活動への対応に配慮した機能的で利便性の高い施設としています。
     また,各展示室の天井は可能な限り高く確保し( 5.5m又は 8.5m),大型化する展示内容に対応するとともに,広々としたゆとりある展示空間を作り出すこととしています。
     1階のエントランスロビーは,観覧者にわかりやすい4層吹き抜けの自然光あふれるアトリウムとし,来館者がスムーズに展示室へ移動できます。
     地上3階には,展示室のほか,図書室,視聴覚コーナー,講堂及び研修室等を配置しています。
    (構造計画)
     災害から建物を守り耐用年数の長い施設とするため,地下部分に免震装置を採用するなど耐震性に優れた計画としています。これにより,大地震時の建物の揺れや変形を小さくし,観覧者や美術品の安全を確保します。 
    (設備計画)
     自然光や太陽熱,雨水などの自然資源を積極的に利用して省エネルギーを図るとともに,維持管理の省力化,維持管理費の低減につながる設備計画としています。
     また,展示室の空調や照明は,展示作品の保護や来観者の良好な展示環境を確保するため,きめ細かに制御できるようにしています。 
    (外構計画)
     来観者や地域住民の憩いの場となるよう,敷地周辺の青山公園や青山霊園などの緑と繋がる森を計画し,都市の環境改善に資する計画としています。
     屋外の緑の中で彫刻等の作品が鑑賞できるよう,野外展示場を計画しています。 
 
(4) 設計概要
      @建設場所: 東京都港区六本木7丁目22−1
  (東京大学六本木地区の移転跡地の一部)
      A敷地面積: 全体敷地……30,000u
      B構造規模: 鉄骨造
        地上4階地下1階(一部地上6階地下2階)
        延べ床面積……約45,000u
      C主な諸室: 展示室……約14,000u(約2,000u×7室)
        展示関係諸室(休憩室,控室,ホワイエ等)……約4,000u
        搬出搬入施設……約5,600u
        図書閲覧室,視聴覚コーナー等……約600u
        講堂,研修室等……約1,100u
        管理事務室等……約1,000u
        その他(エントランスホール,レストラン,カフェ,ミュージアム・ショップ,野外展示場等)
 
  
機能構成図
 
 
 
ホワイエ(3階)
 
 
 
エントランスロビー
 
 
 
案内図
 
 
 
新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)設置準備の経緯
 
平成 7年10月   文化庁が「新しい美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)に関する調査研究会」(平山郁夫座長)を設置し,基本構想についての検討を開始
平成 8年 3月   新しい美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)に関する調査研究会が「新しい美術展示施設設立の基本構想」を策定し,文化庁長官に報告
平成 8年12月   文化庁が「新しい美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)に関する基本計画検討協力者会議」(平山郁夫座長)を設置し,基本計画について検討を開始
平成11年 3月   新しい美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)に関する基本計画検討協力者会議が,「新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)基本計画」を策定し,文化庁長官に報告
平成11年 9月   文化庁が「新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)設立準備委員会」(平山郁夫座長)を設置
平成12年 3月   文部科学省が新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)の設計業務を黒川紀章・日本設計共同体に委託
平成14年 1月   新国立美術展示施設(ナショナル・ギャラリー)(仮称)の設計業務完了
 
 
設計・工事等の計画
 
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