著作権〜新たな文化のパスワード〜


(2)情報化等に対応した定義の見直し及び権利制限の拡大

 
問8   機器の「保守・修理」等におけるバックアップのための一時的複製について、例外的に無許諾で行えることとする趣旨を教えてください。(第47条の3)
 
 
○見直しの趣旨
   機器の保守・修理等を行う場合に、保存されている著作物が消失するのを避けるため、バックアップ機器等に一時的に複製し、保守・修理等の後に、元の機器に複製すること(一時的固定等)が必要となりえますが、これは、著作権者の複製権(第21条)が働く行為と解され、許諾が必要であるのが原則です。

 しかし、近年、携帯電話に代表されるような、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶媒体を内蔵する機器(以下「内蔵型機器」といいます)が普及し、これら内蔵型機器について、保守・修理を行う機会も増加しています。内蔵型機器については、修理に出す前に、消費者側でバックアップを取っておくことが困難なものですが、それにも関わらず著作権上の問題から、保守・修理後は機器に保存していた著作物が消失せざるをえないとなれば、機器の所有者が当該著作物の利用について有していた期待を害することになる一方で、著作権者から見れば、保守・修理等の際にバックアップのための一時的複製が行われることは、その経済的利益を不当に害するものとはいえないと考えられます。
 このため、今回の改正により、著作物の円滑な利用を確保するという観点から、このような保守・修理の場合には、著作権者の許諾を得ずとも一時的複製が行えるよう措置されたところです

○保守・修理以外で権利制限が認められる場合
   保守・修理以外にも、「製造上の欠陥」や「販売に至るまでの過程において生じた故障」のような「初期不良」が原因で機器を交換する場合には、権利制限が認められています(第47条の3第2項)。これは、このような場合には、実態として、保守・修理に代わり、同種の機器と交換することが多く、このような交換の場合についても、保守・修理の場合と同様の趣旨が当てはまると考えられるためです。
 しかし、例えば、所有者の嗜好による新製品への買換えや、劣化等を理由にした買換え等の場合にまで権利を制限し、利用者(消費者)の便宜を図ることは様々な記憶装置・媒体に劣化しないコピーが転々と保存され続けることを許容することになり、権利者の利益を害するおそれがあることから、今回の措置の対象外とされています。


ホームページへ ↑このページのトップへ
 © The Agency for cultural affalrs