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著作権制度の概要

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4.著作者の権利


(1) 著作物

 「著作者の権利」によって「保護」されている(著作者に無断でコピーなどをしてはならないこととされている)ものは「著作物」と言われています。「著作物」は、著作権法の規定では、

著作物= 「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、
 文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

と定義されています(第2条第1項第1号)。

 具体的にどのようなものが著作物であるのかは、下記の表に例示されています。

 しかし、これらはあくまでも例示であって、著作物はこれだけに限りません。先に述べた定義にあてはまるもの、すなわち、以下の条件をすべて満たすものは、表に掲げられていないものであっても、著作物に該当することになります。

 (a)「思想又は感情」
 (b)「創作的」
 (c)「表現したもの」であって、
 (d)「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属するもの

(a)の条件によって、「東京タワーの高さ:333メートル」といった「単なるデータ」(書いた人の思想、感情と無関係)が著作物から除かれます。
(b)の条件によって、他人の作品の「模倣」や、「明治維新は1868年だった」といった「単なる事実」(創作されていないもの)が除かれます。
(c)の条件によって、「アイディア」が著作物から除かれます(アイディアを解説した「文章」は著作物になり得る)。
(d)の条件によって、「工業製品」などが、著作物から除かれます。

(注) 「特許権」は「アイディア」を保護し、「著作権」は「表現」を保護しています。このため、例えば、ある「薬」の製法について特許権が付与されている場合、1) その製法に従って、その薬を「製造・販売」すること(アイディアの利用)は、特許権の侵害となり、2) その製法を書いた「論文をコピー」すること(表現の利用)は、「著作権」の侵害になります。

1 保護を受ける著作物

 我が国の著作権法によって保護を受ける著作物(無断で利用してはいけない著作物)は次のいずれかに該当するものです(第6条)。

(a) 日本国民が創作した著作物(国籍の条件)
(b) 最初に日本国内で発行(相当数のコピーの頒布)された著作物(外国で最初に発行されたが発行後30日以内に国内で発行されたものを含む)(発行地の条件)
(c) 条約により我が国が保護の義務を負う著作物(条約の条件)

なお、次のような著作物については、著作権は及ばないこととされています(第13条)。

(イ) 憲法その他の法令(地方公共団体の条例、規則を含む。)
(ロ) 国や地方公共団体又は独立行政法人・地方独立行政法人の告示、訓令、通達など
(ハ) 裁判所の判決、決定、命令など
(二) (イ)から(ハ)の翻訳物や編集物(国、地方公共団体又は独立行政法人・地方独立行政法人が作成するもの)

2 著作物の種類

ア 一般の著作物

 著作物の定義については、(1)で説明しましたが、この定義をさらに明確にするため、著作権法では、次の表に掲げられているように、著作物の種類を例示しています(第10条)。
言語の著作物 講演、論文、レポート、作文、小説、脚本、詩歌、俳句など
音楽の著作物 楽曲、楽曲を伴う歌詞
舞踊、無言劇の著作物 日本舞踊、バレエ、ダンス、舞踏、パントマイムの振り付け
美術の著作物 絵画、版画、彫刻、マンガ、書、舞台装置など(美術工芸品を含む)
建築の著作物 芸術的な建築物
地図、図形の著作物 地図、学術的な図面、図表、設計図、立体模型、地球儀など
映画の著作物 劇場用映画、アニメ、ビデオ、ゲームソフトの映像部分などの「録画されている動く影像」
写真の著作物 写真、グラビアなど
プログラムの著作物 コンピュータ・プログラム

 なお、「映画の著作物」を除き、著作物とされるためには、「固定」(録音、録画、印刷など)されている必要はありませんので、「原稿なしの講演」や「即興の歌」なども保護の対象となります。

イ「創作的な加工」によって創られる「二次的著作物」


 ある外国の小説を日本語に「翻訳」した場合のように、一つの著作物を「原作」とし、新たな創作性を加えて創られたものは、原作となった著作物とは別の著作物として保護されます(「翻訳」などをした人が著作者)。このような著作物は、「二次的著作物」と呼ばれています。小説を「映画化」したもの、既存の楽曲を「編曲」したものなども、このような二次的著作物です(第2条第1項第11号、第11条)。

 なお、二次的著作物を「創る」場合には、原作の著作者の了解が必要です(「3.著作権制度の概要/(1)著作者の権利(著作権)」の「二次的著作物の創作権」、「4.著作者の権利/(3)権利の内容」の「二次的著作物の創作権」)。また、第三者が二次的著作物を「利用」する(コピーや送信などをする)に当たっては、「二次的著作物の著作者」の了解のほかに、「原作の著作者」の了解も得ることが必要です(「3.著作権制度の概要/(1)著作者の権利(著作権)」の「二次的著作物の利用権」、「4.著作者の権利/(3)権利の内容」の「二次的著作物の利用権」)。


ウ「創作的な組合せ」によって創られる「編集著作物」と
 「データベースの著作物」


 詩集、百科事典、新聞、雑誌のような「編集物」は、そこに「部品」として収録されている個々の著作物などとは別に、「全体」としても「編集著作物」として保護されます(第12条)。

 したがって、こうしたものの「全体」をコピーするような場合には、「部品」である個々の著作物すべての著作権者の了解を得るとともに、全体(編集著作物)の著作権者の了解も得なければなりません。

 また、収録されているもの(部品)は「著作物」である必要はなく、データや英語の単語のようなものでもかまいません。

 このように、編集物が著作物として保護されるためには、そこにどのようなものを収録するか、または、その順序をどのようにするかということ(「選択」又は「配列」)について、「創作性」がなければなりません。

 したがって、「ある作家が、生まれてから死ぬまでに書いた全ての小説」を「書かれた順」に収録したような全集は、「選択」についても「配列」についても何らの工夫・創作も行っていないため、「編集著作物」にはなりません(個々の部品(作品)は著作物です)。

 このような編集物のうち、コンピュータで検索できるものを「データベースの著作物」といい(第2条第1項第10号の3、第12条の2)、できないもの(紙に書かれたものなど)を「編集著作物」といいます。データベースの著作物の場合も、部品が「著作物」である場合と「データ」等である場合がありますが、編集著作物と同様に、収録されている「部品」とは別に、「全体」が保護されます。

3 共同著作物

 二人以上の者が共同して創作した著作物であって、その各人の寄与分を分離して個別に利用できないものを「共同著作物」と呼びます(第2条第1項第12号)。具体的には、誰がどこを分担すると決めずに共同で書いた場合など、それぞれの人が書いた(創作した)部分を明確に区別できない場合のことです。ただし、第1章は誰、第2章は誰と分担するところを定めて書いた場合はこれに当てはまりません。

 なお、共同著作物の場合は、原則として、全員が共同で(全員一致の意思により)その権利を行使することとされています。また、その著作権の保護期間は、最後に死亡した著作者の死亡時から起算されます。


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