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5.著作隣接権


 広い意味の「著作権」全体は、「著作者の権利(著作権)」と「著作隣接権」に分かれていますが、「著作者の権利(著作権)」が著作物を「創作した者」に付与されるものであるのに対して、「著作隣接権」は、著作物などを人々に「伝達した者」に与えられる権利です。

 こうした「伝達」は様々な形態で行われていますが、条約の規定や諸外国の著作権法では、多くの場合「実演家」「レコード製作者」「放送事業者」の三者が、著作隣接権を持つ主体とされています。しかし、日本の著作権法はこれよりも保護が厚く、「有線放送事業者」にも著作隣接権を付与しています。

 例えば「放送」の場合、音楽番組であっても通常は「既存の音楽」を放送するだけで、「音楽の著作物の創作」は行われていません。しかし、放送局がその番組を制作する(放送によって音楽を人々に伝達する)過程で、どの曲を選ぶか、誰に歌わせるか、伴奏はどうするか、背景やライトをどうするか、カメラはどこに置くか、などといったことについて、準創作的な工夫がなされています。こうしたことを評価して、「著作者の権利」よりは少し弱い「著作隣接権」という権利を付与しているわけです。

 なお、著作権の世界で「放送」とは、「無線放送」(番組が常に受信者の手元まで届いているような送信形態)のことを意味しており、「レコード」とは、磁気テープ、レコード盤、CD、DVD、ハードディスクなどの媒体を問わず、「音が固定されたもの」を意味します。

 これらの方法で「伝達」されるものは、音楽などの「著作物」である場合と、「著作物以外のもの」である場合があります。例えば、著作物以外のものが「実演」される場合とは、手品や曲芸などが演じられる場合であり、「レコード」になる場合とは、鳥の鳴き声や虫の音などが録音される場合であり、「放送」される場合とは、自然の風景やスポーツの試合などが生中継される場合です。

 また、「著作者の権利」と同様に「著作隣接権」は、「実演」「レコード製作(音の最初の録音)」「放送」「有線放送」などの行為が行われた瞬間に自動的に付与されるのが国際的なルールですので、申請や登録などの手続きは一切必要ありません。権利を持つ者も、「著作者の権利」の場合と同様に「プロ」とは限らず、例えば、一般の人々がカラオケで歌った(実演した)場合や、SLの音を録音した(レコードを製作した)場合や、キャンパスFMなどで番組を送信した(放送した)場合などにも、権利が与えられます。

 なお、放送などを行う場合には、「放送法」等による「規制」を受ける場合(国から「免許」を得なければならない場合など)がありますが、これは、各国が国内的な必要によってそれぞれ独自に定めている「規制」であって、国際的な「私権」のルールに従って付与される著作隣接権の有無とは全く無関係です。

 さらに、「著作者の権利」の場合とは異なり、「著作隣接権」の場合は、関係する行為をするだけで権利が付与され、「創作性」は権利付与の用件ではないということにも、注意する必要があります。

 なお、「著作者の権利」には、「著作者人格権」と「財産権(著作権)」がありますが、「著作隣接権」の場合は、実演家についてのみ、「実演家人格権」が付与されています



(1)実演家の権利
  実演
  実演家
  保護を受ける実演 (第7条)
  権利の種類 (第89条第1項、第90条の2〜第95条の3)
  権利の内容「実演家人格権」と「財産権」
  権利の内容「実演家人格権」の具体的な内容
  権利の内容 実演家の「財産権」の具体的な内容
  権利の内容「許諾権」
  権利の内容「報酬請求権」
(2)レコード製作者の権利
(3)放送事業者の権利
(4)有線放送事業者の権利
(5)保護期間



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