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平成18年度 第4回 > 座談会「文学と災害」〜いかに歎き悲しみ、いかに生き直したか〜
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平成18年度 第4回 座談会「文学と災害」〜いかに歎き悲しみ、いかに生き直したか〜 平成18年11月28日(火曜日)17時00分〜20時00分 MY PLAZAホール(東京都千代田区丸の内) ![]() 日本の作家と津波・洪水・地震を体験したタイ・中国・インドネシアの作家が集い、自然災害と向き合う人間に対して文学が持つ可能性について語り合う座談会が開催された。 冒頭に世界で起きた災害の様子が映像で流され、作家の立松和平氏が「浅間山大噴火と人間」というテーマで基調講演を行った。立松氏は浅間山大噴火を題材として創作した小説に触れ、浅間山大噴火から生き延びた人々が、絶望の淵から立ち直る過程を作品においていかに表現したかを説明した。また、立松氏が災害をテーマとした作品に取り組む理由として、「絶望的な状況からもなお立ち直ろうとする人々に思いをはせ、描くことで、読む人々に生きていく力を与えることが文学には可能であるからである。」と述べた。 続いて作家の阿刀田高座長より、災害の多い我が国において、災害を文学としていかに伝えていくかを議論することの意義が強調され、その後各パネリストからの発表が行われた。中国報告文学学会副会長の楊黎光(ヤン・リーグァン)氏は「中国は度々洪水に見舞われるが、洪水は古来より神話など文学のテーマとして扱われてきた。災害が多いという環境により、アジア民族は災害を乗り越えて忍耐強いという特性を得、文明を築いてきた。洪水は災害であるが、水は命の根源でもあり、人間の生活とは切っても切れないものである。」と述べた。 インドネシアの作家でパンタウ通信社編集長のリンダ・クリスタンティー氏はスマトラ沖地震による津波の被害を受けたアチェ州の人々が、生活を立て直そうと努力する姿やそれを助ける人々の取組に触れ、紛争も自然災害も平和なくしては復興できないとの意見を発表したほか、アチェの一少女が被災後作った詩を原語で朗読し、詩歌の持つ響きそのもので人々に災害のもたらした悲しみの大きさを訴えかけた。 そして、タイの作家のクワンユーン・ルークチャン氏は、2004年12月のスマトラ沖地震の際に大津波の被害に遭い、生きのびることだけに必死にならざるを得ない極限状態を経験し、家族という存在が、自分にとって何をさしおいても守らなければならないものであるということに改めて気づかされたと語った。また、災害の現場で、人々が言語や宗教を超えて被災者を助けようとする姿を見、自らも作家ネットワークを立ち上げ、救援活動に従事するようになったほか、このような災害における人々の姿を文学を通して世の中に伝えなければならないという使命感を持ったと語った。 後半のパネルディスカッションでは、各パネリストの発表をもとに活発な議論が交わされ、災害を文学の題材にすることにより、人間の善意や時にエゴイスティックな一面をリアリティを持って描くことができるという点が強調された。 最後に阿刀田座長は、人間は自然に打ち勝つことはできないが、自然環境と自らの内面を調和させ、苦しみから立ち直ることができると述べ、そのような人間の姿を描くことにより、読者に生きる力をもたらす文学作品を今後も創り上げていきたい、と座談会を総括した。
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