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サントリーホール 大ホール
日本国内におけるクラシックの基盤は、プロの演奏家による年間1万1千回を超える公演が行われ、延べ約560万人の聴衆を動員、チケット売上げは330億円を超えると推計されます(2007年時点、ぴあ総研推計)。
日本のクラシックの基盤は、1,000団体を超えるアマチュアのオーケストラ、多数のウインドアンサンブル、数え切れない合唱団等が支えています。プロでは、日本オーケストラ連盟所属の29団体(2008年末時点)が年間を通して公演を行っています。オペラでは、オペラ団体連盟に8団体が所属(2008年末時点)、年間を通して多数のオペラ公演を行っています。また、東京藝術大学をはじめとする音楽教育機関も充実しており、世界的なコンクールで優勝を果たす日本人の音楽家も続々輩出し、コンサートでも人気を集めています。加えて、毎年数多くの海外から著名な音楽家や演奏団体が来日し、多くの観衆を魅了しています。
また、日本にはサントリーホール、東京オペラシティコンサートホール、紀尾井ホール、ザ・シンフォニーホールのようなクラシック音楽に適した設備を持つ大小さまざまの約3,000のコンサートホールが各地にあり、国内外のアーティストの公演活動を支えています。
現在、東京には10を超えるプロフェッショナル・オーケストラが存在しています。このような都市は世界のどこにもないと推定されます。また、毎年のように海外の有名楽団や歌劇団の来日公演が多数行われており、2006年にはメトロポリタン・オペラ、ローマ歌劇場など、2007年にはベルリン国立歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、プラハ国立歌劇場などが来日しています。2008年秋にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が相次いで来日しました。
世界有数の両オーケストラが同時期に来日し、聴き比べができるのはクラシック音楽都市「東京」ならでは、といえるでしょう。「東京」では年間約4,500回のクラシックコンサートが行われ、約230万人を動員していると推計されます。
フランスの北西部の港町ナントで誕生し、欧州各地で成功を収めえているクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が、2005年から東京で開催されるようになりました。この企画は反響を呼び2005年の初開催以降、年々動員を伸ばし、2007年の総来場者数は100万人と過去最高の動員を記録しました。来場者の6割はクラシックコンサート初体験者というこの成功は、日本のクラシック音楽の裾野を広げる動きの1つとなっています。さらに2008年には東京に加え、金沢の2都市同時開催を実現し、新たな展開をみせています。
日本では、年間を通じて全国各地で毎年大小合わせて約200のクラシック音楽祭が開催されています。これらの音楽祭には、国内外から一流のアーティストが参加し、多くの観客を魅了しています。代表的な音楽祭として、もっとも長い歴史のある草津国際音楽アカデミー&フェスティバル(群馬県吾妻郡草津町 1980年~毎年開催)、毎年約5万人規模の観衆を動員するパシフィック・ミュージック・フェスティバル(北海道・札幌市 1990年~毎年開催)や、サイトウ・キネン・フェスティバル松本(長野県・松本市 1992年~毎年開催)が挙げられます。
パシフィック・ミュージック・フェスティバルは、音楽家・レナード・バーンスタインの提唱による世界の若手音楽家の育成を目的とした国際教育音楽祭で、世界有数の教育音楽祭に数えられます。一方のサイトウ・キネン・フェスティバル松本は、指揮者でもある小澤征爾総監督の下、日本から本場西欧に向けて西洋音楽を発信することを目的とした音楽祭で、日本国内のみならず国際的にも注目度の高い音楽祭となっています。
日本のクラシック音楽業界の構造
日本の クラシック業界の特徴は、音楽事務所やオペラ団、オーケストラ等が、アーティストマネジメント、企画制作、自主公演、売り公演など全てを担っているところにあります。
自主興行は、首都圏で多く開催され、メディア事業との共催も増えています。売り興行の主な買い手は、先は、全国各地の公立のホールで、こうしたホールの中にはレジデントアーティストや演奏団体を抱えているところもあり、自主企画を制作するところも増えてきました。一方、国の政策で、民間に運営を委託するホールも増え、一部では事業が縮小されているケースも増えています。

クラシック音楽業界の構造(出典:『クラシック音楽/マネジメント入門』(日本クラシック音楽マネジメント協会))