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「文化庁文化芸術創造都市ネットワーク会議
〜ネットワーク形成に向けてのラウンドテーブル〜」の概要

日時:
2009年9月5日(土曜日)18時50分〜20時50分
場所:
ヨコハマ・クリエイティブシティ・センター3F スペースA
主催:
文化庁,NPO法人都市文化創造機構
共催:
横浜クリエイティブシティ国際会議2009実行委員会,横浜市,ブリティッシュ・カウンシル,大阪市立大学都市研究プラザ

 2009年9月4日〜6日に「横浜クリエイティブシティ国際会議2009」(主催:横浜市ほか,後援:文化庁ほか)が開催され,創造性による都市再生の取組を進める国内外の市民・芸術家・NPO・研究者などが横浜に集いました。
 これに併せ,5日には,全国の地方自治体から,文化芸術の持つ創造性を活かして地域づくりをすすめる実践者・実務者たち80名余りが集い,互いに連携しネットワークを構築するため「文化芸術創造都市ネットワーク会議〜ネットワーク形成に向けてのラウンドテーブル〜」が開催されました。

話題提供・問題提起

 はじめに,創造都市施策の実践者である3人のゲストスピーカーから話題提供・問題提起が行われました。最初に,新潟市政策企画部参事・政策監の高橋建造氏より,現在,新潟市で開催されている「水と土の芸術祭」の取組を中心に,自治体職員の立場からの報告が行われました。二番目に,今年6月に,クラフト分野でユネスコ創造都市に認定された金沢市において金沢創造都市推進委員会委員長を務める福光松太郎氏より,地元企業経営者の立場から,創造都市・金沢の構想と具体化について,行政と民間との連携を中心に報告がありました。金沢は江戸時代から創造都市であったという歴史的文脈,2001年より毎年,行政,民間,市民の連携で開催されてきた金沢創造都市会議,現在の創造都市推進プログラムなどについてお話いただきました。最後に,英国BOPコンサルティング(英国の文化・メディア・スポーツ省やアーツカウンシル,ロンドン市や教育機関など多くの機関に対し,文化や創造性などの可能性を引き出すための施策を提案しているコンサルティング会社)のディレクターであるジョセフィーン・バーンズ氏より,英国の創造都市の現状について,行政,市民,民間企業,NPOの連携と課題を中心に報告がされました。

住民理解・住民参加

 続いての自由討論では,美術館のキュレーターからの「アートイベントを行うにしても住民は,身近な問題の方に関心が向き,理解を得ることが困難な状況の中,どのような打開策があるのか。」という投げかけに対して,「地域の歴史や風土から掘り起こすことが大切である。」「一人でも多く仲間の市民をつくっていくことが,行政のスタッフとしては重要だ。」といった実体験を踏まえたアドバイスがありました。そして,同じ課題を抱える地方自治体の担当者から,「市民が興味を示すまでに至っていないことについては,我々行政職員の力不足を認めざるをえない。おもねるままにやっていてもダメなので,政策を戦略的に展開することが非常に大事である。」といった率直な意見が出されました。

創造都市政策と地域経済

 そして,「日本の場合,都市において,アーティストの活動の継続性が確保されていないことが課題である。創造都市が大きなマーケットを提供し,幅広い政策分野にアーティストが活躍できる場が広がることで新たな展開が期待される。」との意見が提示され,そこから,創造都市政策と地域経済へと話題は展開していきました。「市民は,創造的経済政策によって繁盛してまちが賑わっているという実感があるからこそ政策に賛成する。伝統であれ先端であれ,手仕事としてきちんと食べていけるところまで持っていく必要がある。文化と経済の理念がしっかりとつくれることが大事である。」といった意見が出されました。

都市間ネットワークについて

 地方自治体の創造都市政策担当者から,「創造都市ネットワークは,都市の多様性を認め合うことが第一の条件である。互いに隠し事をしないで,都市の事情を他の都市にきちんと伝えることによって,お互いの信頼関係が生まれる。都市の中の負の価値の部分を文化芸術の創造性によって変えていく取組こそが,創造都市としての事業と考えている。」との意見が出されました。

都市内ネットワークについて

 また「文化の重要性を認識した首長のリーダーシップが効果的であり,地域の人々,NPO,企業,大学といろいろなネットワークをつくり提携・交流し,いろいろな力を借りて展開していくべき。特に,都市の場合は,地域コミュニティ,人と人とのつながりを強くして,地域をいかに活性化するかという点に,文化政策の意義がある。」といった意見が出されました。

政策の継続性

 また,「首長が交代したとき,それまでの政策をどのようにして継続させるのか,ムーブメントをどう作っていくのか。」という投げかけに対し,「まちづくりの取組を積み重ねる過程で多くの市民のコンセンサスを得ておくことにより,新しい首長もそれまでの政策を継続せざるをえなくなるだろう。」といった意見や,「もともと政策は官の側にあるのではなく,いろいろな民間活動や,実行委員会などの官も含めた中間的な活動体に意志があるべき。」といった意見から,「首長が替わると,中身よりは見せ方が変わると思うが,その中で私たちがしっかりと伝えていくことが一番必要なこと。」といった意見が出されました。

まとめ

 このように,様々な立場の参加者から質問や意見が相次ぎ,「地域内外の連携とネットワーク」をキーワードに活発な意見が交わされました。
 本会議のまとめとして,モデレーターの佐々木雅幸 大阪市立大学大学院教授・NPO法人都市文化創造機構理事長より,「日本型,アジア型の創造都市に関する研究を通して,NPO,企業,行政の協力で生まれる相乗効果が持続するシステムにつなげていき,一つのムーブメントを起こしたい。国内各地で創造都市を実現し,地域を超えたネットワーク化,緩やかな組織化を進めていきたい。」との方針が示されました。最後に,今回のラウンドテーブル会議を踏まえて,来年1月8日に大阪市立大学文化交流センターにおいて「創造都市政策セミナー」を開催し,文化芸術創造都市ネットワークの構築を目指していくというスケジュールが提示され会議は終了しました。

ゲストスピーカーの発表資料

ネットワーク会議の様子
(ネットワーク会議の様子)

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