国語施策・日本語教育

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これからの敬語

1 人をさすことば


(1)自分をさすことば


1) 「わたし」を標準の形とする。
2) 「わたくし」は,あらたまった場合の用語とする。
   
付記
女性の発音では「あたくし」「あたし」という形も認められるが,原則としては,男女を通じて「わたし」「わたくし」を標準の形とする。
   
3) 「ぼく」は男子学生の用語であるが,杜会人とたれば,あらためて「わたし」を使うように,教育上,注意をすること。
4) 「じぶん」を「わたし」の意味に使うことは避けたい。

(2)相手をさすことば


1) 「あなた」を標準の形とする。
2) 手紙(公私とも)の用語として,これまで「貴殿」「貴下」などを使っているのも,これからは「あなた」で通用するようにありたい。
3) 「きみ」「ぼく」は,いわゆる「きみ・ぼく」の親しい間がらだけの用語として,一般には,標準の形である「わたし」「あなた」を使いたい。したがって「おれ」「おまえ」も,しだいに「わたし」「あなた」を使うようにしたい。


2 敬  称


1) 「さん」を標準の形とする。
2) 「さま(様)」は,あらたまった場合の形,または慣用語に見られるが,主として手紙のあて名に使う。
 将来は,公用文の「殿」も「様」に統一されることが望ましい。
3) 「氏」は書きことば用で,話しことば用には一般に「さん」を用いる。
4) 「くん(君)」は男子学生の用語である。それに準じて若い人に対して用いられることもあるが,社会人としての対話には,原則として「さん」を用いる。
5) 職場用語として,たとえば「先生」「局長」「課長」「社長」「専務」などに「さん」をつけて呼ぶには及ばない(男女を通じて)。


3「たち」と「ら」


1) 「たち」は,たとえば「わたしたち」というふうに,現代語としては,自分のほうにつけてよい。
2) 「ら」は書きことばで,たとえば「A氏・B氏・C氏ら」というふうに,だれにも使ってよい。

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