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5 固有名詞の問題 町村の合併によって新しくつけられる地名の書き表わし方について(建議)
この決定に基いて,「町村の合併によって新しくつけられる地名の書き表わし方について」(建議案)を作って,第19回議会(昭和28.10.8)に提出した結果,可決し,これを内閣総理大臣に建議した。
建議は次のとおりである。
〔文調国第328号〕
昭和28年10月8日
内閣総理大臣 吉田 茂 殿
国語審議会会長
土岐 善麿
地名の書き表わし方について(建議)
政府では,こんど全国の市町村の合併を促進されることになったと承っています。
ついては,この機会に,別紙の趣旨をお含みのうえ,合併後の市町村名の書き表わし方が,できるだけわかりやすく,読みちがいの起らないようなものに決定されるよう,適当な処置をとられることを希望いたします。
地名の漢字については,国民生活一般に影響するところが大きいので,当用漢字表選定の際にもいちおう問題となりましたが,法規その他の関係上,その解決は後日に見送られることになって今日に至りました。しかし,すでに当時から7年を経過した現在,当用漢字表制定の趣旨も広く一般に理解されるようになってきました。ちょうどこのとき町村の合併が行われるということは,地名の文字をわかりやすいものにするうえに,またとないよい機会であると思います。よって,ここに建議いたします。