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8 ローマ字教育の問題 (審議)/ローマ字教育について

 第10回分科会(昭和28.7.8)において,ローマ字のわかち書きの問題と,ローマ字教育の問題について審議していくことになり,教育のことについては,根本方針を決めるまでは全員で審議していき,それが決まったら,その方針にそってさらに具体的な細かいことを決めるために部会を設けることにしようという意見が採択された。なお,佐野分科会長からは,健康上の理由で,今後出席不能の場合には,分科会長代理として有光委員にお願いしたいと発言があり,了承された。
 以後,第11回(昭和28.7.23)〜第13回(昭和28.10.5)においてローマ字教育についての根本方針を検討し,一応の成案を得て,第19回国語審議会総会(昭和28.10.8)において,経過報告の参考資料として配布し,あわせて教育部会を設けることについて承認を求めた。
 その結果,部会の審議事項について,あらかじめその根本方針となるべきものを総会が承認し,その基礎のうえに部会を設けるというのは,総会が部会の審議の方向を示したことになる。つまり最初から部会はその審議内容について総会に拘束されていることになるからよくない,部会設置の問題と,そのほかの関連したことは別個に取り扱うべきである,という意見があり,経過報告の内容とはまったく無関係に教育部会を設けることが認められた。
 以後,第1回(昭和28.11.18)〜第4回(昭和29.2.9)の部会において,ローマ字教育について審議をしていくに際して,部会としての方針を決めることとなり,部会として自発的に第19回国語審議会総会で配布した「参考資料(3)」,すなわち,〔教6〕を審議の手がかりとすることとし,同総会における各委員の意見をじゅうぶんに尊重し,その意向を反映させて,大塚・小林・堀内各委員に原案の起草を依頼し,それを骨子として部会としての
「ローマ字教育についての審議方針」を決定した。
 これを第14回分科会(昭和29.3.2)に提出し,検討の結果,次のとおり,「ローマ字教育について」としてとりまとめ,第20回国語審議会総会(昭和29.3.15)へ報告し,異議なく承認された。

ローマ字教育について

(ローマ字調査分科審議会教育部会報告)


 ローマ字は単音文字であり,また,ローマ字書きは必然的にわかち書きを伴うから,日本語をローマ字で書き表わしてみると,その正しい発音,文における単語の役割のきまり,単語の並べ方のきまりなどの事実がはっきりと現れてくる。
 この意味で,ローマ字の学習は,国語を正しく効果的に使いこなすために,国語のしくみとはたらきとを児童にたやすく理解させる手段となるものであるから,その指導を国語教育の一環として,なるべく低学年から始めることについて,さらに審議すべきである。

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