国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第2期国語審議会 > ローマ字つづり方の単一化について(建議)

ローマ字つづり方の単一化について(建議)

〔文調国第76号〕

昭和28年3月12日

文部大臣 岡野清豪 殿

国語審議会会長

土岐 善麿

ローマ字つづり方の単一化について(建議)


 ローマ字のつづり方については,昭和12年の内閣訓令第3号(いわゆる訓令式)によって,公式に単一化されているわけであります。しかし,一般社会で現実に用いられているつづり方としては,いわゆる標準式(ヘボン式)・日本式・訓令式の3種があり,昭和22年から実施された義務教育におけるローマ字の学習指導でも,この3式の中から自由に採択することができるような処置がとられました。
 ローマ字のつづり方については,ローマ字の学習指導実施についての対策を協議するため,昭和21年に設けられたローマ字教育協議会では,「ローマ字教育を行ふについての意見」をまとめ,その中で,「……ローマ字の表記法(特につづり方)については,……さらに適当の機関を設け,学術上・教育上および実生活上から研究を進め改善をはかられたきこと。」と述べてあり,教育の現場からはつづり方の単一化が強く要望されております。
 国語審議会は,国語を書き表すローマ字のつづり方の単一化をはかることが重要な事がらであることを認め,昭和23年10月に設置された「ローマ字調査会」以来の審議事項を引きつぎ,通計54回に及ぶ会議で慎重な審議を重ねた結果,昭和28年3月12日第18回総会において別紙のとおり「ローマ字のつづり方」を決定しました。
 第1表・第2表の具体的な取扱についてはさらに必要な機関と連絡して御決定のうえ,ローマ字の単一なつづり方が政府部内および義務教育はもちろんひろく一般社会に用いられるよう必要な処置をとられることを要望します。

トップページへ

ページトップへ