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5 ローマ字教育の問題 ローマ字調査分科審議会3

 わかち書きについては第15回(昭和33.7.7)からとりかかったのであるが,11月末の任期終了を間近に控えているので,根本的な審議を尽くし,具体的な結論を見いだす余裕はないように思われるので,今期の分科会としては,具体的な結論を見いだすよりも,むしろ,わかち書きについて考えるうえの根本方針について検討していくことになった。
 まず,国語をわかち書きして書き表わす場合に,(1)単語ごとに分けて書くローマ字文のわかち書きと,(2)文節ごとに分けて書くかな文(小学校低学年の漢字かなまじり文をも含む。)とがあるが,これを合致させるべきかどうかについて検討した。その結果,この問題の早急な解決は,根本的には文法の研究がもっと進まないかぎりむずかしいであろう。それゆえに両者のわかち書きをいちおう別々に考えることとし,さしあたってはローマ字文のわかち書きについて検討を加えていくことになった。
いろいろの資料について検討を進めていったが,ローマ字文のわかち書きの方針を決めるためには,まず第一に単語とは何であるかという単語認定の問題の解決が必要であることが確認され,これについて審議を進めていったが,任期終了までに結論には達しなかった。
 そこで,分科会としては,今期の分科会が審議した事がらについてその経過,および,ありのままの結末を第37回国語審議会総会に報告し,あわせて,次期の国語審議会がローマ字文のわかち書きを審議事項の一つとして取り上げるよう要望することとなり,その要旨としては,

  1. 昭和32年11月15日に開かれた第36回国語審議会総会に分科会からローマ字教育のことについて報告したこと。
  2. その後,分科会としては,教育課程の改定に伴って,分科会としてとるべき処置・方向などについて審議したこと。
  3. ところが,教育課程審議会から答申があったので,分科会としてはローマ字文のわかち書きの問題についての審議に移り,漢字かなまじり文における文節わかち書きとの関連,および単語認定の問題などについて審議を進めたこと。
  4. 今期の分科会としては,次期の国語審議会に対し,昭和36年度から実施されるローマ字教育においては一定のわかち書きによって実施することができるよう処置されることを要望すること。

の4箇条を含むものとされた。
 その結果として,分科会長から第37回国語審議会総会(昭和33.11.18)に「ローマ字調査分科審議会報告」を報告した。

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