国語施策・日本語教育

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議事 正書法部会

土岐会長

 きょうは,各部会,分科会の中間報告ということになっている。正書法部会の報告は,部会長が欠席なのでわたくしが代わって申し上げる。
 正書法部会は,2月以来今までに8回部会を開いた。最初に国語表記の問題について何を取り上げるかについて検討したところ,送りがなの問題,当用漢字補正案について,現代かなづかいの適用の問題,当用漢字音訓表適用の問題,同部首整理,固有名詞についてなどいろいろの問題が出たが,さしあたって,送りがなが不統一であるということから「送りがなの問題」を取り上げることに決まった。それについては,明治以来行なわれていた送りがなについてのいろいろの考え方を整理して審議の材料を作り,それにもとづいて現在検討している。審議にあたって,誤読・難読のものには送る。また,活用語尾から送るなどの方針を立て,動詞の送りがなから始め,形容詞・形容動詞と進み,現在は名詞の送りがなについて審議中である。名詞も単一の名詞の送りがなまで終わり,これから複合名詞にはいる。これをどういうふうに書き表わすかは今後の審議によることになる,また,ただ今は第1読会の段階であり,出席委員の顔ぶれによって,その時々で多少方向の変わることもあるが,どちらかというとかなを多く送る方向にある。しかし,回が進むにしたがって調整されていくことと思う。なお,詳しいことは部会報告にあるので省略する。以上で正書法部会の報告を終わる。これについて,御質問・御意見はないか。なければ次に話しことば部会の報告をお願いする。

颯 田(話しことば部会長)

 話しことば部会も2月以来8回部会を開いた。はじめに,書きことばに対して話しことばの基本的語法を決めることができるかどうか。これを決めるについてどういう問題があるかということを検討した。
 問題として出たものは,(1)方言について。ラジオ・演劇などで方言を多く取り入れすぎてはいないか。方言の国語教育への影響。(2)アクセントについて。同じことばでアクセントが2様3様に認められているものがある。(3)人称の表わし方,敬称の問題について。(4)助数詞についてなど。また,口語の会話の中に文語的な表現のまざること,日本語がスピーディーでないことなどの問題がある。これらはことばだけの問題として考えることは無理であり,日本語全体の問題,話す人の心がまえの問題などまで含めて考えなければならない問題である。以上のようにいろいろの問題があるが,いずれも相関連しているので全部を総括して考えなければならない。また,外国人が日本語を学ぶ場合,どういう点がむずかしいかを外国人から聞いて調べるため,アンケートを求めた資料を得た。けっきょく,話しことば部会としての結論をどういう方法で実行に移したらよいかということが問題である。
 前の国語審議会で「話しことばの改善について」を建議したが,その実行について,現在,中央教育審議会で教育についての根本的改革をめざしているということであるから,そういう機会に,教員の資格として母国語である日本語を正しく話すことができるということを条件の一つに入れてもらうようにしたい。そのためには日本語教育(話し方の講座)の機関を設けて,国語以外の科目の担当者でも必修するような方法をとることを推進するよう,国語審議会から建議のような形で出すことを考えてほしい。今まで部会で検討してきたことなどを合わせて考えて,今がいちばんよい時機であると思う。以上話しことば部会の報告にあわせて申し上げた。

土岐会長

 第二の問題は後ほど考えていただくこととして,ただ今の報告に対して質問はないか。なければ,次にローマ字調査分科審議会の報告をお願いする。

大塚分科会長

 ローマ字調査分科審議会は今期になってから8回分科会を開いた。そして過去のことをふり返ってみることから始めた。ローマ字教育が行なわれてから満10年になり,その間,いいところ,まずかったところなどが報告されたが,このさいそれらをあわせて考えるべきであるという意見に一致し,ここに数回それをまとめることをやってきた。なにぶんにも内容が広く,報告も長いために刷り物にしてごらんに入れることとした。

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