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語形の「ゆれ」の問題 審議事項

 第39総会(昭和34.4.17)において設置された第2部会は,前期の話しことば部会とは異なり,新聞・ラジオ・テレビ・映画などマスコミとの関係における国語の問題を審議するので,しぜん,文字の問題をも扱うことなる。
 この部会の審議の初めにあたって,どういう問題を取り上げるかについて,たとえば,

  1. 書きことばの正書法のように,話しことばの正話法というようなものは考えられないか。
  2. 「これからの敬語」のように,これからの話し方を作ったらどうか。
  3. 発音・表記に「ゆれ」のある語の整理統一
  4. 同音異義語の整理
  5. 流行語・外国語について

など,多くの事項があげられたが,けっきょく,「ゆれ」のある語の整理統一について審議することとなった。
 さしあたって,漢字表記の「ゆれ」と発音の「ゆれ」とを審議し,アクセント・外来語・語法などは扱わないことにした。
 まず,文部省編「国語の書き表わし方」(文部省刊行物表記の基準),同「学術用語集」各編,同「国語問題問答」各集(国語シリーズ所収),国立国語研究所「語形確立のための基礎調査」(同所年報7所収),国語審議会標準語部会「標準語のために」,日本新聞協会編「新聞用語集」,日本放送協会編「日本語アクセント辞典」などから,「ゆれ」のある語を選んで,「二つの書き方がある語」「二つの言い方がある語」を作った。その一語一語について審議し,標準的な形を選ぶこととし,「二つの書き方のある語」,すなわち,漢字表記のゆれについては,第1読会を終えた。その後,今期は,問題の所在なり,「ゆれ」の傾向なりを示す白書のような形にまとめようということになり,これまでの審議をもとにして,第1草案「語の発音・表記の『ゆれ』について」をつくり,ついで第2草案「漢字表記の『ゆれ』について」「発音の『ゆれ』について」,さらに同じ題名の第3草案というように書き改めていった。そして,審議のいちおうの結論として,「語形の『ゆれ』について」を作った。このうち,第1部の「漢字表記の『ゆれ』について」にはかなりの審議を重ねたが,第2部の「発音の『ゆれ』について」のほうは,任期の関係でじゅうぶん審議ができなかった。そこで,全体として,さらに審議を重ねる必要のあることを認めて,最終的な結論は,次期国語審議会の継続審議にまつことに決定した。
 以上のような審議の経過と結果とを取りまとめて,「第2部会審議報告」として第42回総会(昭和36.3.17)に報告した。

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