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語形の「ゆれ」の問題 語形の「ゆれ」について[報告別冊]

〔第2部会審議報告の別冊〕

語形の「ゆれ」について



 国語の中には,発音・アクセント・語法あるいは表記の各方面において,語形が確定しないで,いわゆる「ゆれ」ている語がある。そして,この語形のゆれが,われわれの言語生活や教育のうえで多少とも妨げになっていることはいなめない事実である。コミュニケーションの合理化,教育の負担軽減という立場からいって,語形のゆれの整理統一を図ることは,当面の要望にそうばかりでなく,標準語ないし標準的な表記法の確立への一段階としても意義のあることであるといえるであろう。
 ここでは,語形のゆれのうち,漢字表記(当用漢字の範囲で)ゆれと発音のゆれとに限って取り上げ,その整理統一について考えてみる。



 語形のゆれについては,国語辞典・漢和辞典などに記載されているものもあり,また実際上に必要から,内閣法制局の「法令用語改正要領」(国語審議会「法令用語改正例」に基づく。),文部省の「文部省刊行物表記の基準」,日本放送協会の「日本語アクセント辞典」「放送用語参考辞典」,日本新聞協会の「新聞用語集」(統一用語を収める。)などで,そのどちらを採るかが決められているのものある。国立国語研究所では,語形確立のための基礎調査を試み,その結果が同所の年報7の中にまとめられている。国語審議会でも,「法例用語改正例」の中や標準語部会の審議で,この問題を取り上げたこともある。しかしながら,語形のゆれについて,広く語例を集め,その使用度数などを調べた実態調査の類は見あたらない。

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