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ローマ字のわかち書きの問題 審議会報告4



 そこで,次には,新しい資料によって具体的に,別の角度から,もう一度この問題を検討してみることといたしました。すなわち,格助詞・接続助詞・副助詞・終助詞取りまぜて67語を,それぞれ1語ずつ互いに組み合わせたものの中から,実際に使われないようなものを除いて,そのすべてについて一続きに書いたほうがよいか,それぞれに分けて書いたほうがよいかについて検討を始めました。
 その結果については,時間の関係上,まだごく一部の検討を終えたばかりで,全体の見通しをつけるところまで進んでおりませんが,現在までのところ,次のようなことをいちおう確認いたしました。
 すなわち,
 終助詞と終助詞とが重なったものとみられる「かい」「ない」「やい」「かえ」「ぞえ」などの,あとのほうの「い」や「え」は,その有無が文の意味に大きな違いを生ずるわけではなく,単に,質問・反問・反ばく・念押しなどの意味を表わしているもので,語・文の意味を強める接尾語的性格が強いものと認められるので,それぞれ前の助詞に続けて,kai,nai,yai,kae,zoeなどと一続きに書くことといたしました。
 そのほかの助詞については,

か(副助詞) か(終助詞)
が(格助詞) が(接続助詞) が(終助詞)
かしら(終助詞)
から(格助詞) から(接続助詞)
きり(副助詞)
くらい(副助詞)
け(終助詞)
けれど(接続助詞)
こそ(副助詞)
こと(終助詞)

のそれぞれの助詞の前に,「い」(終助詞),「え」(終助詞),「か」(副助詞),……「わ」(終助詞),「を」(終助詞),「ん」(格助詞)など67語のそれぞれの助詞が重なった場合に,一続きに書くか,分けて書くかを検討いたしましたが,現在のところでは,すべて,それぞれの助詞ごとに分けて書くことに決まりました。
 なお,さきほど申し上げましたとおり,この助詞と助詞とが重なった場合の書き方については,目下検討の途中でありまして,「さ」(終助詞)以下「ん」(格助詞)に至る51語の助詞と,67語のそれぞれの助詞とが重なった場合の書き方については検討いたしておりませんので,分科会としてのわかち書きの根本方針,ないし,わかち書きの原則を打ち立てるまでにはいたっていないのであります。
 以上,今期の分科会の審議経過をありのままに述べて報告といたします。

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