国語施策・日本語教育

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次第 大臣あいさつ/会長の互選

地田副会長

 新しい会長が選ばれるまで,副会長が代行して議事を進めていく。
最初に文部大臣があいさつをされる。

文部大臣あいさつ

 国語審議会の総会にあたりまして,一言ごあいさつを申しあげます。皆様がたには,ご多忙中にもかかわらず熱心に国語の問題についてご審議を賜わりまして,まことにありがたく存じます。
 今期は,前期の国語審議会から報告されました「国語の改善について」の趣旨に基づいて,さらに問題を深く掘り下げてご審議を願っているのでありますが,問題の性質上なみなみならぬご苦心があることと存じます。
 申すまでもなく,国語のあり方を考えるにあたっては,わが国の文化の伝統に深い考慮を払うことが必要でありますが,それと同時に現在の実情をよく見きわめ,将来を見通した立場に立って考えることも必要であると存じます。また,国語は国民のものの考え方さらに生活や文化全般に深い関係があるものでありますので,その審議は多くの国民によって納得され,その理解と協力とが得られるようなものでなければならないと思います。
 皆様がたのご尽力によりまして,社会の各方面に通ずる国語のよりどころが確立され,それが広く一般の社会に行なわれて,国語が健全な成長発展を遂げることを念願しているしだいであります。特に,将来の国民を教育する立場から,このことはまことに重要な問題でありますので,そのような国語のよりどころが確立されることを切に望むものであります。
 なにとぞ,今後とも,いっそうのご尽力を賜わりますようお願いいたします。
 なお,先般,阿部真之助会長がご永眠なされましたことは,かえすがえすも残念に存じます。皆様とともに,故人のごめいふくを祈るしだいであります。

池田副会長

 9月25日に予定された総会は出席委員が定足数に達しないため懇談会に切り替え,委員の異動についての庶務報告と,第1部会・第2部会の審議経過報告をうかがっただけで懇談に移ったが,きょうは総会が成立しているので,まず,会長の互選についておはかりする。これについて,最初からこの席で語し合うよりも運営委員会もあることであるから,そこでいちおうの下相談をして,改めて皆さんにおはかりするということにしてはどうか(賛成。)では,そのようにする。ただ,運営委員中,本日欠席のかたもあり,第6期の会長選考に際しては,9人で話し合ったことなどを考えて,今回は運営委員のほか,3,4人のかたを加えて,選考委員会をつくり,話し合いたいがどうか。また,そのかたがたを副会長が指名してよろしいか(賛成。)では,相良・古賀・村上・森戸・池田(潔)の運営委員のほか石井・沢畑・寺西・丹羽(文雄)委員の4名に加わっていただき,別室で下相談をすることにしたい。(異議なし。)では,その間,一時休会とする。
〔休会。〕

池田副会長

 再開する。(3時20分再開。)協議の結果,全員一致で森戸委員に会長をお願いしてはということになったので,皆さんにおはかりする。(全員賛成。)では,ご賛同が得られたものとして,森戸委員に会長をお願いする。(森戸委員,会長席に着く。)

森戸会長

 池田副会長が会長になることを固辞されたので,わたくしは適任ではないと思うが,副会長,部会長はこのまま留任願うことと,皆さんの積極的なご協力を願うということを条件というか,希望したうえで,お引き受けする。
 わたくしは,日本国民が戦後の混乱を脱して,伝統と文化を尊重し,その象徴である国語を愛するようになることを念願しているが,最近ヨーロッパ,特にフランスの文教政策を見て感じたことは,フランスの文化に対する誇りをもち,文化を伝える国語に対する深い愛情と敬意をもっているということである。
 伝統的なものを強く守っていくことと,進展していく科学の面からの合理的なものの要求とは,一見,抽象的,観念的には矛盾するようであるが,わたくしは,両者を現実的に調和,共存させていかなければ,将来の国民の成長する世代のことばとしての任務は果たせないのではないかと考えているし,その調和をはかるのがわれわれの務めであろうと思っている。
 国語の混乱を放置して自然によくなるのを待つという考え方には賛成しかねるし,他方,あまりに細部にわたった取り決めや性急な決定をし,それを実施するというようなことも適当でなかろう。国語が国民の日常生活に重大な関係をもつものだけに,衆知を集めて慎重に,しかも積極的に審議すべきであり,これは前会長のときの態度と少しも変わらないもである。今後のご協力をお願いする。
 次の議事である各部会の審議経過報告については,要旨が配布されているので,細かい説明は時間の関係上,省略する。

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