国語施策・日本語教育

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漢字部会 概況 第13〜27回

<第13回〜第15回>

 音訓の整理に関する基本原則を定めることとして検討し,その結果を下記のような項目にまとめて,「『当用漢字表』音訓整理の考え方について」〔総-14〕として第66回総会に報告した。

 現行「当用漢字表」内の漢字について,その音訓を検討する。
 音訓は一般社会に行なわれる現代の文章を対象として考える。
 音訓は,漢字の面からだけ考えるのではなく,国語を書き表すためのものとして考える。ただし,漢字の訓は,漢字の表意性に関するものとして,慎重に考慮すべきものと思われる。
 漢字の音訓については,次の観点から検討する。
  1. 使用度数,使用範囲から見たらどうか。
  2. 熟語構成度,字の機能度から見たらどうか。
  3. 体系性(対義語)から見たらどうか。
  4. だいたい同じ意を表す訓は,なるべく避けるかどうか。
  5. 異字同訓はなるべく避けるかどうか。
  6. 伝統的な音訓にかたよることなく,現代普通に行なわれる音訓を取り上げるべきかどうか。
  7. 「当用漢字表」の「使用上の注意事項」に,副詞,接続詞等はなるべくかなで書くとあるが,それに該当する訓をどうするか。
  8. 熟字訓をなるべく避ける方針をとるとしても,慣用度の高いものを考慮する必要があるかどうか。
  9. 熟語を構成する場合に起こる連濁・連声や転音は,認めるかどうか。
  10. 慣用度の高いものは,特殊な音訓も認めるかどうか。
  11. あて字も,慣用度の高いものは,認めるかどうか。
  12. 名詞として使うものは,動詞その他として使ってもよいことにするかどうか。
  13. 助詞・助動詞は,すべてかな書きにしてよいかどうか。
  14. 特別なものは,読みがなつきで出すことを考慮してはどうか。
  15. 固有名詞にだけ用いるものは,認めないことにしてよいかどうか。
  16. 音訓整理は,教育面で使用する場合に限ってはどうか。

<第16回〜第18回>

 前述の「『当用漢字表』音訓整理の考え方について」をもとに,「現代雑誌九十種用語用字」(国立国語研究所編)を資料として,具体的な音訓の審議にはいった。すなわち,同資料の中から,当用漢字表にある漢字について,音訓表で認められていない音訓を取り出して,使用度数の高いものから順次検討を始めた。ただし,検討を始めるまえに部会としてはおおよそ次のように考えた。

音訓表の性格をいちおう「基準」と考える方向での「わく」づくりである。
この「わく」は一般社会のためのものであり,義務教育についてはあとで考える。
これからの文章を書き表すためのものという立場からと,過去の文献をも読めるように配慮するというう立場からとの二とおりの立場から検討する。(ただし、委員の中には,読む立場からの検討は必要でないという意見もあった。この後の審議では,だいたいにおいて,書く立場からの検討が行なわれた。)

 これらの経過を第67回総会に報告した。

<第19回〜第22回>

 引き続いて,音訓についての審議を進め,字数621字,音訓総数844個について第1次の検討を終了し,その経過を第68回総会に報告した。

<第23回〜第27回>

 第1次の検討を終了した音訓について,特に異字同訓,同字異訓の角度から第2次の検討を加え,おおむね審議を終了して,その審議経過とともに,第1回以降最終回までの全体にわたる経過を第69回総会に報告した。

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