国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第8期国語審議会 > 第58回総会 > 議事要旨

第58回国語審議会総会(昭和41.6.13)議事要旨

会長,副会長の互選
 今回は,改選後最初の国語審議会総会であるので,前例により,最年長の森戸委員を仮議長に選び,会長,副会長の互選にはいった。互選は選考委員会を設けて行なうことになり,選考委員には,北島,小林,佐々木(八),時実,丹羽,久松,諸井,横井の8委員,および前会長として森戸委員が仮議長から指名された。選考委員会は会長に前田義徳委員,副会長に古賀逸策委員を選び,総会で満場一致で承認された。
 当日は,前田会長欠席のため,古賀副会長が議長となり,議事にはいった。
文部大臣のあいさつ等
 中村文部大臣のあいさつ,福田文部事務次官の諮問事項説明,および蒲生文化局長の審議経過報告が行われた。
大臣あいさつ,および諮問事項等に関するおもな質疑応答
(1) 「国語の表記は,漢字かなまじり文によることを前提とする。」とある「国語の表記」に関する質問に対し,ここでいう「国語の表記」においては,特殊な例外を除いた通常一般の表記をさすものであるとの説明があった。
(2) 「国語施策の改善」に関する質問に対し,ここでは広く国語の改善の諸施策ということよりも,当用漢字表,現代かなづかい,送りがななどの,これまでの具体的な国語施策の改善について検討を諮問するものであるが,関連する事項も諮問の中にはいっているとの説明があった。
(3) 「当用漢字表の取り扱い方」に関する質問に対し,事務次官の説明のとおり,当用漢字表を「漢字の範囲」を定めたものと考えるか,「一応の基準」と考えるかということ,また,適用範囲,固有名詞や専門用語等の表外字の取り扱い方,あるいは学校教育との関連等の問題をさすものであるとの説明があった。
(4) 「送りがなのつけ方」と「現代かなづかい」に対する検討すべき問題点の相違についての質問に対し,送りがなについては,まだ実施の経験も浅いが,批判も多く,問題点も多いので,その内容を検討するとともに,方針についても検討し,現代かなづかいについては,根本問題もさることながら,まず,その内容上の問題点を中心とした検討を諮問するものであるとの説明があった。
おもな意見,要望等
(1) このたびは,文部大臣から基本的立場が示され具体的な諮問がなされたのはけっこうなことだから,国語が国民の便利なものになるように,具体策を検討すべきである。
(2) 国語を使用する次の世代の教育ということもよく考えて審議すべきである。
(3) 国語問題は国民全体にかかわる問題であるから,国民の意向を知るため,みんなが納得できる世論調査を行うことが望ましい。
(4) 部会等は,総会でじゅうぶん審議したうえで設けるようにされたい。
(5) 記録および調査等に対し,じゅうぶんな予算措置を講ぜられたい。
申し合わせ事項
 会議の傍聴については,特に制限を設けず,会議は一般に広く公開にすべきであるとの意見もあったが,当分の間,前期の審議会の例にならい,特殊な場合を除き,総会に限って文部記者会に所属している報道関係者に対して,会長が傍聴を許可することができるということに決定した。

トップページへ

ページトップへ