国語施策・日本語教育

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次第 審議会の運営について

古賀副会長

 きょうの予定としては,まず,本日の配布資料の説明,ならびに前回の議事要旨の確認を行なう。次いで,部会や運営委員会のことなどについてご相談願い,また次回以降の総会開催予定日についてご相談いただくこととしたい。
(金田国語課長から配布資料の説明ののち,前回の議事要旨を朗読。)

古賀副会長

 前回の議事要旨に異議がなければ,お認め願えたものとする。次いで,各委員から寄せられた意見・要望等をとりまとめた資料〔総−3−2〕を説明してもらっておいたほうが,今後の相談に好つごうと思えるので事務局に説明願うこととする。
(安達審議官から資料〔総−3−2〕)について説明。)

古賀副会長

 本日の協議においては,いずれ部会や運営委員会設置の問題が話題になることと思われる。わたしは一案として,運営委員会は部会設置後に,部会の中から運営委員を選び出して設けるようにしてはどうかといいうことと,部会設置の際には,全員いずれかの部会に所属するようにしてはどうかという考えをもっている。まず,このへんのところから話し合いにはいっていきたい。

横田委員

 賛成。

木内委員

 部会はいずれ必要になるというのもけっこうであるが,戦後の国語施策全体ということで,社会,教育上に大きな問題があった。部会を作ることによってこの全体がさえぎられて,個々の漢字や送りがながどういうことになっていくのかをおそれる。少なくとも全体のはあくを失わないようにしてもらいたい。なお,部会が設置された場合には,希望者はどの部会にも出席して意見を述べることができるようにしておいてほしい。

時実委員

 運営委員会が話題になっているが,総会と運営委員会,部会連絡会といったものの役割をどういうように考えておられるのか。

古賀副会長

 わたしの考えでは,便宜上,運営委員会という名まえをつけているが,これは連絡会のようなものである。なお,その役割についてはみなさんでお話し合い願いたい。
(前田会長,出席。)

前田会長

 遅れて申しわけない。きょうはできれば引き続きみなさんのご賛同を願って古賀副会長に司会を続行していただきたいと思うが,どうか。
(拍手)

時実委員

 部会や運営委員会の性格を,まえもってはっきりさせておかないと,ばらばらになるおそれがある。運営委員会は,連絡会的なものだということであれば,それでもけっこうであるが,常に全体会議というものは大きな役目をもつ。そういう意味では,すぐに部会を設けるのではなく,総会において,2〜3回,いろいろな討議をしてからのちに,いくつかの部会に分かれたほうがよいと思われる。

古賀副会長

 部会をいつ設けるか,運営委員会をどういう性格のものにするかは,すべて各委員の意向によって決めるべきである。

大島委員

 総会を,どちらかといえば,形式的な決議機関と考え,部会で実質的審議をするのだという意味で部会が考えられているのか。それとも総会を月に1回実質的に開き,部会はそれを具体的にやる進行手段と考えているのか。もし,後者の意味なら所属外の部会に出席する必要もないし,また,運営委員会の意味もなくなってくる。つまり総会を単なる決議機関でなく,実質的審議の場と考えるのと考えないのでは,部会に対する考え方も違ってくるが,この点どうか。

浦上委員

 わたしは前々期から委員をつとめ,前期は漢字部会に所属していた。過去4年間,審議会では熱心に審議してこられたが,対社会的にはなにもしなかった。今期はどう運営していくか,結論的には部会を設けてやるのがよいと思うが,部会での審議のしかたは今後変える必要がある。前期での当用漢字表の審議に際して,委員は全国民的な立場で,国民を代表していると考えていいのか,それとも,委員だけの感じできめてよいのかという疑問をもったのである。これからは,専門調査員の参加を得,かつ,国立国語研究所の成果をも参考にし,また,いっぽうでは,国民的世論というか,各方面の声を集めていくという作業をすることが必要ではないかと思う。こんどの予算要求には,世論調査が企画されているが,まことにけっこうなことである。その成果を国語審議会の成果と結びつけられるようにしていきたい。

大野委員

 審議の基本的態度ということであるが,今回はいちおう文部大臣から明確な形で指摘され,注文が出ている。それには,(1)当用漢字表の問題(2)送りがなの問題,(3)現代かなづかいの問題と三つ出ている。つまり,戦後20年間,それぞれの施策が行なわれてきて,現在,その再検討が必要だと判断がくだされているわけである。なかでもわたしは順序をつけて考えるとすれば,まず,当用漢字表の問題ではないかと思う。われわれの任期は2年間,月に1回の総会ならとうてい必要な答申は出しえないだろう。そこでひじょうに限られた取り上げ方ではあるが,いちおう,この国語問題で問題なのは当用漢字表の問題ではないかと思われるので,この問題にしぼって,総会で論議を進めるならば,戦後の国語問題の評価のしかたが具体的な例をとおして,ここに現われてくるのではないかと考える。具体的な問題にしぼって,そしてそれについて専門調査員を委嘱し,その報告を受けながら審議していくのが実際的な進め方であると思うがどうか。

西原委員

 運営について申しあげたい。まず,会の性格であるが,前期までは,それ以前の期で審議したことの積み重ねの上にたって自発的に審議事項を設定してきた。部会を作るにしても,積み重ね主義の方式でやってきた。しかし,こんどの場合は性格ががらりと変わっている。諮問が出され,それに答えなければならないという現実的な問題がある。それにはどうするか,そういうように,会の性格を考えたうえで,会の組織について考えなければならない。わたしは総会というものは,形式的なものとは申さないが,やはり部会や運営委員会も必要であろう。ともかく,委員のかたがたは,ひとりとして欠けてはならないので,会議回数や委員の出席度と言った実態的なこともよく考え,また全体のことも考えつつ,部会を進行させていくようにしなければならない。諮問が出ているのであるから,これに対し,どういうように能率的に審議するか,会の性格,組織,それに,おのおのの実態を考えて,そのうえで進めていかなければならない。

中田委員

 部会を設置して審議を進めることに賛成である。部会は,(1)漢字字種部会,(2)漢字の音訓部会,(3)送りがな部会,(4)現代かなづかい部会を設けたい。前期のように一つの部会で二つの事項を取り上げるのではじゅうぶんな議論ができない。次に国語審議会では昭和25年に「国語問題要綱」(いわゆる「国語白書」)で国語審議会の方針等を公表したが,これは今日でも生きていると考えるので,これをこの総会の共通了解事項として考え,もし,それがぐあいの悪いものであれば,新しく国語白書を作成する方向にもっていきたい。「国語問題要領」そのものを審議するのは,今期の審議会の仕事の範囲を逸脱しているかもしれないが,あれにかえってやっていきたい。

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