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「当用漢字表」音訓整理の考え方について
| 1 | 現行「当用漢字表」内の漢字について,その音訓を検討する。 |
| 2 | 音訓は,一般社会に行なわれる現代の文章を対象として考える。 |
| 3 | 音訓は,漢字の面からだけ考えるのではなく,国語を書き表わすためのものとして考える。ただし,漢字の訓は,漢字の表意性に関するものとして,慎重に考慮すべきものと思われる。 |
| 「庫」は,「コ」という音と「くら」という訓が,「援」は,「エン」という音と「たすける」という訓が行なわれてきたが,音とともにくんをも認めるかどうか。なお,「くら」を表わすものとしては,「蔵」「倉」があり,「たすける」を表わすものとしては,「助」がある。 | |
| 4 | 漢字の音訓については,次の観点から検討する |
| (1) | 使用度数,使用範囲から見たらどうか。 |
| 「訪」は出現度数81回,そのうち「おとずれる」と使用されたもの30回,「たずねる」と使用されたもの30回。(「現代雑誌九十種の用語用字」による) | |
| (2) | 熟字構成度,字の機能度から見たらどうか。 |
| 「体」タイ 体格,体験,身体,団体 | |
| テイ 体裁 | |
| 「空」空(クウ)気,空(ソラ),空(あき)地 | |
| (3) | 体系性(対義語)から見たらどうか。 |
| 上(ショウ)下(カ) 速(はやい) 遅(おそい) | |
| (4) | だいたい同じ意を表わす訓は,なるべく避けるか。(ただし,機械的な取り扱いはしないほうがよいだろう。) |
| 「家」いえ,うち 「開」ひらく,あく 「魚」うお,さかな | |
| 「脅」おびやかす,おどす,おどろかす | |
| (5) | 異字同訓はなるべく避けるか。(ただし,機械的な取り扱いはしないほうがよいだろう。) |
| あたたかい 暖,温 かたい 堅,固,硬 | |
| はかる 計,測,量,図,度,科,謀,議 | |
| (6) | 伝統的な音訓にかたよることなく,現代普通に行なわれる音訓を取り上げるべきかどうか。 |
| 入 いる,はいる 汚 けがれる,よごれる | |
| 怒 いかる,おこる 危 あやうい,あぶない | |
| 抱 いだく,だく 茶 チャ,サ | |
| (7) | 「当用漢字表」で,副詞,接続詞等はなるべくかなで書くとあるが,それに該当する訓をどうするか。 |
| 例 たとえば 先 まず 及 および 然 しかし | |
| (8) | 熟字訓をなるべく避ける方針をとるとしても,慣用度の高いものを考慮する必要があるかどうか。 |
| 眼鏡 田舎 為替 相撲 上手 下手 時雨 一人 二人 寄席 早稲 | |
| (9) | 熟語を構成する場合に起こる連濁・連声や転音は,認めるかどうか。 |
| 安穏 天皇 因縁 稲作 納得 祝言 合併 夫婦 雨戸 春雨 格子 | |
| (10) | 慣用度の高いものは,特殊な音訓も認めるかどうか。 |
| 景色 通夜 掃除 弟子 夏至 句読 八百屋 街道 不吉 合戦 泌尿器 | |
| (11) | 当て字も,慣用度の高いものは,認めるかどうか。 |
| 時計 仕事 仕方 歌舞伎 | |
| (12) | 名詞として使うものは,動詞として使ってもよいとするか。 |
| 頂(いただき)→いただく 氷(こおり)→こおる | |
| 印(しるし)→しるす 畳(たたみ)→たたむ | |
| (13) | 動詞・助動詞は,すべてかな書きにしてよいか。 |
| (14) | 特別なものは読みがなつきで出すことを考慮するか。 |
| (15) | 固有名詞としてだけ用いるものは認めないことにしてよいか。 |
| (16) | 音訓整理は,教育面で使用する場合に限ってはどうか。 |
| (備考) | 検討するための資料は,次のとおり。 |
| 現代雑誌九十種の用語用字 | |
| 日本新聞協会 新聞用語集 | |
| 各新聞社のスタイルブック | |
| 国会会議録用字例 | |
| 日本新聞協会の意見書 | |
| 日本文芸家協会会員の要望書 | |
| 異字同訓に関する資料(国語課作成,部会用,以下同じ。) | |
| 現行音訓表にける音専用の844字に関する資料 | |
| 熟字訓に関する資料 | |
| 一つの字に音訓が二つ以上あることによって誤解が生じやすくなる例 | |
| 対応すべき音訓の一方が現行音訓表に採用されていない例 |

