国語施策・日本語教育

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かな部会 第2回〜22回概況

〔概 況〕

<第2回〜第3回>
 新しい委員が加わったので,前期(第8期)のかな部会の審議経過を部会長から説明し,今期も引き続いて「送りがなのつけ方」について審議することを了承し,いちいちの語例審議と法則化の問題とを並行しながら検討することとなった。また,「送りがなのつけ方」は,現代国語を書き表わすためのものとし,その対象を一般社会とすることを確認した。なお,教育に対しては,あわせてじゅうぶん検討するが,具体的には適用の面で考慮することとした。

<第4回〜第8回>
 「送りがなのつけ方の語例審議のための参考資料(単独の語)」について,1語1語の審議を続け,単独の語の送りがなについて,次のように考えた。(1)活用語は,活用語尾を送る。(2)自他の対応関係や派生関係にある語は,もとの語の活用語尾にあたる部分から送る。(3)接尾語的成分を伴っている語は,その部分から送る。(4)本来の名詞は,原則として送りがなをつけない。(5)副詞・接続詞・連体詞等は,現行どおりとする。(6)動詞の連用形が名詞的に用いられるものは,送りがなをつける。
 以上の経過を第72回総会(昭和44.3.10)に報告した。

<第9回〜第12回>
 「送りがなのつけ方の語例審議のための参考資料(複合した語)」について,単独の語と同じく,1語1語の審議を続け,複合した語の送りがなについて,次のように考えた。(1)複合した語は単独の語に準じて送りがなをつけることを第1原則とする。(2)慣用的な送り方を第2原則とする。なお,これまでの語例の検討を整理して,資料「送りがなのつけ方に関する第1読会のまとめ」を作成した。

<第13回〜第16回>
 「送りがなのつけ方に関する第1読会のまとめ」を検討し,送りがなのつけ方をできるだけ単純包括的な原理で一貫したものにすることに努めた。なお,送りがなのつけ方の問題点として,次の3点を確認した。(1)自他の対応関係や派生関係にある語。(2)動詞の連用形で名詞として用いられる語。(3)複合名詞。
 ついで,これまでの審議を総合し,送りがなのつけ方の法則を具体的にまとめるために整理委員会を設けた。

<第17回〜第22回>
 整理委員会が作成した「かな部会検討資料」を中心として,自・他の対応関係にある動詞,他の語と派生関係にある用言について審議をした。その結果,この範囲の話を細かく分類して法則を立ててはどうかという意見が強かったが,(1)単純包括的な法則が立てにくいこと,(2)分類が一般的でないものはとるべきでないこと,(3)音訓表に依存すれば,解決するかもしれないが,音訓表をみなければ送りがながつけられないことになり,法則でなくなる,などの理由で採択しなかった。これと並行して,送りがなのつけ方の基本的な考え方について,第8期で了解した事項のほか,次のような点を確認した。(1)現代国語を書き表わすためのものである。(2)一般社会を対象とする。(3)標準を示すものである。(4)一応,当用漢字音訓表の範囲内で検討する。(5)原則として,できるだけ単純包括的な法則,しかも,原理的に一貫した法則にまとめることを第一とする。あわせて,社会的慣用を重視し,また,送りすぎにならないようにじゅうぶんに考慮する。以上の経過を第73回総会(昭和44.12.5)に報告した。

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