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第70回国語審議会総会(昭和43.7.11)議事要旨

開会
 第9回国語審議会最初の総会にあたり,委員および事務当局側の人事の紹介を行なった。
会長,副会長の選出
 会長および副会長の互選を行ない,前期に引き続いて会長に前田義徳委員,副会長に古賀逸策委員を選出,それぞれあいさつがあった。
文部大臣および文化庁長官あいさつ
 文部大臣および文化庁長官から昭和41年6月13日の文部大臣の諮問について,引き続き審議を勧め,適切な答申をお願いする旨のあいさつがあった。
国語審議会の審議経過
 文化庁次長から,文化庁発足に伴う国語審議会令の主要な改正点についての説明および前期国語審議会の審議経過について配付資料「第8期国語審議会 部会等 審議経過 報告」を中心に説明を行なった。
協議
(1) 会議の傍聴等について
 国語課長から前期の確認事項である配布資料「審議会の傍聴等について」の説明を行なった後,今期も引き続いて,これを了承した。
(2) 運営委員会の設置について
 審議会全体の意見の調整や運営上の問題に関し,会長を援助する機関として運営委員会の設置を決定,運営委員には,会長から次のとおり指名した。
 前田会長,古賀副会長,木内,菅原,西島,細川,森戸 各委員 (なお,漢字・かなの両部会長および総合委員会(仮称)の長も決定ししだい追加する予定。)
(3) 部会等の設置について
 ア 専門的事項を審議するために漢字部会およびかな部会を設置,また,漢字・かなの両部会に共通の問題や両部会の谷間にある諸問題について審議するため総合委員会(仮称)を設置することとした。
 イ 部会所属委員は各20名程度とし,その指名および総合委員会所属委員の指名を会長に一任した。なお,部会に所属しない者も部会に出席して意見を述べることができるものとする。
 ウ 部会所属について希望のある委員は事務当局に申し出ることになった。
(4) 審議の進め方について
 今期は,前期の「第8期国語審議会部会等 審議経過報告」にそって,まず部会で専門的な実質審議を重ねることにし,この部会の審議を通じて総会としての方向を内容的に,より具体化していくという方法をとることを了承した。この結果,今期は,部会は多く開いても,総会はそれほどしばしば開かず,年3〜4回程度にするということになった。
(5) その他
 審議に関連して出たおもな意見等は,次のとおりである。
 ア 送りがなは漢字とかなに関する問題である。漢字,かな,送りがなの3部会を設置してはどうか。 根本的には,正書法について考える部会が必要である。
 イ 漢字・かなの両部会では正書法についても念頭に置いているので,かなり具体案がまとまったところで両部会が問題を持ち寄って正書法の問題を考えるべきであろう。最初から正書法部会を設けるのは,かえって問題を区分けできない結果になり,審議がはかどらなくなるのではないか。
 ウ 国語審議会令によれば所属委員の過半数が出席しなければ議事を開くことができないことになっている。過去の経験からいっても,今後部会の所属委員が増加し,かつ,会合回数も多くなると,この条文に抵触するおそれも出てくるが,この問題をどう考えるか。
 工 部会では所属委員が,細かい問題について研究班を構成して作業する形式で仕事を進め,必要に応じて部会としての全体の意見をまとめるというようにすれば能率的であり,かつ,過半数の出席うんぬんの問題もそう起こらないのではないか。
 オ 総合委員会(仮称)では,前期の小委員会報告にある国語の美しさ,豊かさ,正しさ,厳密さの深い意味,内容をもっと煮つめ,また,基本的問題の輪郭も明確にしてほしい。
 カ 総合委員会(仮称)は,漢字・かなの両部会から,なんらかの結論が出た場合に,問題になるであろう基本施策について考えていく機関として設置してはどうか。
 キ 部会に専門調査員をおくことも考えてほしい。

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