国語施策・日本語教育

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次第 国語審議会の審議経過(文化庁次長報告)

前田会長

 このあと,今後の審議の進め方等について御意見を承りたいが,そのまえに,今期の新しい委員のかたがたのためにも,前期の審議会の審議経過について,次長から報告をお願いしたい。

安達文化庁次長

 第8期国語審議会の審議経過について御説明申し上げるまえに,文化庁発足に伴う国語審議会令のおもな改正点について申し上げたい。国語審議会令第1条に「国語審議会は,文部大臣又は文化庁長官の諮問に応じて……。」とあるが,これは国語審議会自体は,文部省設置法によって,文化庁に置かれる機関であるが,国語審議会で審議する内容が,同時に教育,学術等の全体にかかわるような重要な問題については,文部大臣から諮問を申し上げ,そして具体的,あるいは細部の事項等については文化庁長官から諮問を申し上げるという意味において,こういう規定になっているわけである。したがって前期の文部大臣の諮問事項は,今期も同様に取り計らっていただきたい。このほか,第3条の「委員及び臨時委員は,学識経験のある者のうちから,文化庁長官の申出により,文部大臣が任命する。」,「専門調査員は当該専門の事項に関し学識経験のある者のうちから,審議会の意見を聞いて文化庁長官が任命する。」第8条の「審議会の庶務は文化庁文化部において処理する。」という規定が従来と違っている点である。
 次に,前期の審議会の審議経過について簡単に説明したい。さきほどの文部大臣および文化庁長官のあいさつにもあったように,第58回総会で当時の中村文部大臣から「国語施策の改善の具体策について」諮問を申し上げたが,これは「これまでの国語施策には実施の経験等にかんがみ,種々検討を要する問題があると考えられるので,この際再検討を加え,その改善を図る必要がある。」という理由からである。そしてその検討すべき問題点としては「(1)当用漢字表について,(2)送りがなのつけ方について,(3)現代かなづかいについて,(4)その他上記に関連する事項について」の4事項が掲げられている。なお,当時,諮問理由の説明のなかで文部大臣は「今後の御審議にあたりましては当然のことながら,国語の表記は漢字かなまじり文によることを前提とし,また,現代国語の表記を平明にするという趣旨とともに。従来の諸施策との関連を御考慮の上,広い立場から国語の諸施策の改善の方途をじゅうぶん御検討願いたい。」ということを述べている。前期では,この諮問に応じて漢字・かなの両部会および後半になって特に国語の基本問題を審議するため小委員会を設け審議を進められたわけであるが,その結果は第69回総会で「第8期国語審議会部会等審議経過報告」として発表されたものである。この内容は報告を御一読くだされば御理解いただけると思うが,要点だけをごく簡単に説明する,(「第8期国語審議会部会等審議経過報告」について説明。)

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