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第75回国語審議会総会(昭和45. 7.31)議事要旨

 委員紹介
 第10期国語審議会最初の総会にあたって,新任委員(5名)の紹介を行なった。(第9期から継続の委員の紹介は省略。)
 会長・副会長の選出
 会長および副会長の互選を行ない,前期に引き続いて会長に前田委員,副会長に古賀委員を選出,それぞれあいさつがあった。
 会議の傍聴等について
 会議の傍聴等については,配布資料「審議会の傍聴等について」(第7期審議会決定,第8期,第9期審議会確認。)のとおり,今期もこれを了承した。
 文部大臣あいさつ
 文部大臣から,今期は,前期の審議の成果の上にたって,さらに音訓および送りがなについての継続審議を希望するとともに,その他の諮問事項についても,逐次,審議をお願いする旨のあいさつがあった。
 前期の審議経過報告
 文化庁次長から,前期の審議経過について説明,同時に漢字,かなの両部会の試案については,既に各分野に資料を配布し,意見を求めている旨の報告を行なった。
 運営委員会の設置
 運営委員会を設置することとし,運営委員を次のとおり決定した。前田会長,古賀副会長,木内,木庭,西島,野間,細川,森戸,吉国各委員,漢字部会長(岩淵委員),かな部会長(佐々木委員)  (計11名)
 なお,運営委員会には部会と同様に,国語審議会委員は,だれでも出席して発言することができるように配慮してほしいという意見があった。これに対し,運営委員会は,総会での意見や部会の意見を伺って会の効率的な運営方法について相談したい,もちろん,もし,特に意見があれば,総会の席上なり,あるいは,文書なり適宜の方法でご意見をいただきたいという会長の発言があった。
 漢字部会およびかな部会の設置
 今期は前期の審議の継続ということで,前期同様に漢字部会およびかな部会を存続させることとし,部会長および部会所属委員を,次のとおり決定した。
〔漢字部会〕(部会長 岩淵委員)
 阿部,愛川,荒尾,池上,大島,大野,小野,菅野,北島,小谷,志田,実方,柴田,田中(菊),田中(澄),長岡,中田,日高,李家各委員(計20名)
〔かな部会〕(部会長 佐々木委員)
 植松,遠藤,金田一,熊沢,倉沢,佐藤,高橋,時実,永井,西原,久松,平田,福田,松村,三樹,村上,大和,吉田,和田,渡辺各委員(計21名)
 なお,部会の設置に関して,次のような意見があった。
(1) 漢字部会,かな部会のほかに,両部会の連絡調整を図る機関として,調整委員会とか語表記部会とかいったものを設けて実質的審議が期待できる組織をつくってほしい。
(2) 漢字部会,かな部会を機械的に分けるのではなく,なにか両部会の連絡を密にする弾力性をもった運営を考えてほしい。しかし,ここ1年間は,前期の審議の継続ということからも,いちおう漢字とかなの両部会で並行審議を推し進める。ただし,両部会の所属委員の半数を互いに入れ替え,試案を徹底的に検討する。そしてそれでも成果が上がらなければ,その際に,別の方策を考えるということでどうか。
(3) 漢字とかなの二つの部会に分け,音訓と送りがなという二つの問題を並行的に審議するのではなく,一つの部会で音訓,送りがなのどちらの問題が先でもよいが,一つずつ処理していくというように,一つの問題に国語審議会の総力を結集するという方法をとりたい。
(4) 前期の漢字,かなの両部会が,それぞれの試案について,一般の意見を求めている以上,今期も当分の間は両部会を継続して存置するのがよい。ただし,送りがなの問題は,本来は漢字に付帯して生じるものであるから,適当なおりに,一つに合同すべきだと思う。
(5) 両部会の連絡調整を図るため,両部会の小委員会の合同の場があればよいと思う。また,委員会を設置する場合には,その構成は国語学者だけではなく,新聞社関係のかたがたなど,国語学にはしろうとのかたがたも人選してほしい。
 以上の意見のうち,両部会の実質的な連絡調整の問題については,本日の意見を参考にして,運営委員会でその基礎案を考えることとした。
 一般問題小委員会の設置
 前期と同様に一般問題小委員会を存続させることとし,委員長および所属委員を次のとおり決定した。
 委員長 西島委員
 阿部,岩淵,大野,熊沢,倉沢,佐々木,日高,村上,大和,李家各委員(計11名)
 なお,一般問題小委員会の設置に関して,次のような要望・意見があった。
(1) 前期の「一般問題小委員会審議経過報告」でふれている事がらを,今後,どう取り扱うかということは,諮問の「4 その他上記に関連する事項について」とも関連することであるので,なお,検討を続けたい。
(2) 国語施策に関する法制上の問題,また,国語の表記についての正しさとか美しさ,厳密さとは何かという問題について審議してほしい。
(3) 漢字,かなの両部会の谷間をうずめる問題について検討してほしい。
(4) 当用漢字表や現代かなづかい等を内閣告示という形で国民に示している現在のやり方に問題がありはしないか,他に適当な公示方法は考えられないものかどうか,また基本的には,国語施策のあり方を根本的に再検討するという意味からも正書法の問題について論じてほしい。
 説明会の開催について
 前期の漢字部会およびかな部会の試案として公表された「当用漢字改定音訓表(案)」および「改定送りがなのつけ方(案)」について,文化庁の主催で東日本地区(東京),および,西日本地区(名古屋)で説明会を開催することを了承した。
10  その他
 次のような意見があった。
(1) 前期の両部会の試案について国語審議会委員としての意見を文書で提出するようにしたい。
(2) 今期の国語審議会自体の大方針はどうなのか,単に前期から継続の音訓および送りがなの問題だけで2年間を終了するのか,他の字種,字体,現代かなづかい等の検討はどうするのか。
(これについては,会長から,今期は音訓および送りがなの問題だけに限定するつもりはない,なるべく早く,これらの問題を終了し,さらに,諮問の全体について,すべてを解決する方法で前進したいという発言があった。)
(3) 事務処理は正確,迅速にお願いしたい。

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