国語施策・日本語教育

HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 第10期国語審議会 > 第79回総会 > 次第

次第 前回の総会議事要旨の確認

前田会長

 まだ御出席でない委員もあるが,定員に達したので,第79回の国語審議会の総会を開会する。
 すぐに議事にはいる。
 最初に,前回の議事要旨の確認をするが,この要旨は,すでにお手もとに差し上げてあり,その後格別の御意見を承ってないので,朗読を省略して御確認をいただければ幸いと思う。(発言なし。)
 それでは,御発言がないので,前回の議事要旨は確認されたものと決定する。
 続いて「改定送りがなのつけ方」の原案の審議をお願いする。まずかな部会長から御報告を願う。

佐々木かな部会長

 昭和41年に,国語審議会が文部大臣から諮問を受けた当時,審議会としては,「漢字部会」と「かな部会」の二つの部会に分かれ,審議することになった。かな部会は,「送りがなのつけ方の検討」に手をつけた。今日までに3期,つごう6年をかけて,ここに「改定送りがなのつけ方(案)」をまとめ,御報告申し上げることになったわけである。この6年間に,部会を104回,小委員会・整理委員会などを25回,そのほかに合同部会や,あるいは両部会の協議会,または,全委員に対して行なった説明会などを重ねてきた。この間に,何回かの総会で,審議の経過は逐次報告してきたが,ことに昭和45年の5月27に開いた第9期の最終総会で,かな部会としていちおうまとまった案を報告し,総会の了解を得て,「かな部会試案」として世間に発表した。そして,この試案に対して各方面から寄せられた意見を参考にして,さらに審議を続け,ここに最終の案を得たわけである。この6年という長い審議に,かな部会所属の委員各位は,熱心に,しかもひんぱんに開いた会に御出席になり,終始ほんとうになごやかなふんい気のもとで,しんしな論議をかわし,じっくりと審議を重ねてきた。その結果,合意に達したのがかな部会での審議の実情である。また,かな部会所属でない委員の各位からも,きわめて積極的な御協力をいただいたことをわたしはここに申し添えて,部会長としてこの席上で,各委員に対して心から厚く感謝を申し上げるしだいである。これから,審議の経過のあら筋を申し上げる。この審議は,まず現行の「送りがなのつけ方」に対する意見や批判がどのようなものかということから検討を始めた。そして,できるだけ簡明な法則で一貫させようと考えた。そこで,「活用語は活用語尾を送る。」という法則だけで,処理ができるかというようなことから審議を始めたわけである。次は,語の構成の成分の上から「単独の語」と「複合の語」に分け,さらにこれを「活用のある語」と「活用のない語」に分け,そしてさらに品詞で分類をして,総計71種の語群に分け,その語群ごとに多くのことばにあたって,送りがなのつけ方を検討したわけである。このような検討を経て,そこから導き出された数か条の本則と,それに伴う例外,あるいは許容をまとめて,それを骨子にして,かな部会の試案がまとまったわけである。この試案を,先ほど申したように,昭和45年に総会の了解を得て公表した。この試案に対する各方面の意見を参考にして検討を加えることが主として第10期の仕事であった。ことに,例外や許容に重点を置いて審議を続けたわけである。このような経過を経てまとめたのであるが,この「改定送りがなのつけ方」の案は,お手もとにあるように「前文」と「本文」との2部に分かれている。一応ここで全体を事務当局に通読してもらう。
〔「改定送りがなのつけ方(案)の全文を朗読。〕

トップページへ

ページトップへ