国語施策・日本語教育

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次第 「国語の教育の振興について」の建議の決定

前田会長

 次に一般問題小委員会から「国語の教育の振興について」の建議のことがある。この建議案を議題に供する。この建議案をつくるにあたっての小委員会の模様は,すでに全員協議会で御了承をいただいているわけであるが,ここで最終的に一般問題小委員会の委員長から報告を願ったうえ,決定したいと思う。西島委員長にお願いする。

西島小委員会委員長

 一般問題小委員会の報告をする。
 一般問題小委員会は,漢字・かな両部会にまたがる問題とか,両部会の谷間にある問題を審議するという趣旨で設けられたものである。第8期には5回,第9期には18回,第10期には13回,別に説明会1回,合計37回の会議を重ねた。第8期では,「国語施策の訓令・告示のあり方」などをまとめて,総会に報告したが,第9期では,「国語施策と国語の教育との関連について」の話し合いをし,この結果を総会に報告している。そういう審議をとおして,国語の教育の重要性を強調する必要があることを痛感したので,第10期になって,「国語の教育の振興について」の建議案を作成することとなった。できあがった草案を,昨年の秋に全委員に送付して,アンケートを求め,それを参考にして,さらに練り上げた原案を,今度は,全委員に対する説明会の席上で説明し,さらに,わたしが病気のために欠席したが,全員協議会でもその説明を重ねたのである。ここでできた,この最終案をこの総会で報告する段取りとなった次第である。次にこの建議案の内容を朗読する。
 (国語課長「国語の教育の振興について」を朗読。)

西島小委員会委員長

 内容の説明にはいる。すでに,説明会,その他で詳しく説明をしたので,細かい説明は省略する。ただ,こういうような建議案を提出するにあたっては,もっと具体的な事項を述べよ,という意見がたくさんあったのである。
 たとえば,学校教育に対する注文としては,
 (1)国語科の授業時間をふやすべきだという意見。(2)ほかの教科でも国語の指導を行なうべきだという意見。(3)すべての教科の教員免許状の付与条件として,国語の単位を必修にすること,または,教員養成課程の必修科目として,あるいは,基礎科目として国語を取り入れるべきだという意見。(4)大学における論文指導などで,国語としての表現についても指導すべきだという意見。
 こういうような御意見があった。しかしながら,こういうような具体的な事がらは,文部省や学校自体が専門的立場から綿密な検討を加えて結論を出し,実施すべきものと考えたので,この建議案では基本的な考えだけを述べ,国語の教育のゆるがせにできないことを強調したのであるので,この総会で建議を決定してくだされば幸いである。

前田会長

 ただいま,西島委員長から委細御報告があったが,この建議案を委員長報告どおり決定してよいか賛否を求める。
 格別の御意見もないので,この「国語の教育の振興について(建議)」を決定することにする。

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