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漢字表委員会
〔概 況〕
<第16回>(昭和53.8.25)
字体小委員会(第11回,第12回)の審議経過の報告があった。字種の問題については,官庁関係から強い要望のある字を漢字表に入れるか,それとも法令・公用文で別わくを設けて使用すればよいとして表に入れないでおくか,という考え方をめぐって議論をした。また,同音の漢字による書き換えの問題について検討した。
<第17回>(昭和53.9.1)
字体の問題と,学校教育に関連する問題(主として当用漢字別表の扱い)に関して,これまで協議した事項をとりまとめ,総会に対する報告案の検討をした。
第108回総会(昭和53.9.8)にはこれによって審議経過を報告した。
<第18回〜第20回>(昭和53.9.22,10.6,10.17)
字種の問題について,事務局から,法令・公用文書等との関連で関係方面と協議した結果の報告があり,字種の採否について第2読会としての検討を行った。
字種の採否についての基本的な考え方としては,従来の話し合いの経緯を踏まえ,おおむね次のような方針によることとした。
1 | 字種の採否に関する各方面の意見のうち,新漢字表が適用される「一般の社会生活」の中の主要な分野である法令・公用文書,新聞に関する意見,また一般国民を対象として実施された世論調査(52.8実施)の意見を重く見ること。 |
2 | 新漢字表試案において削除された字のうち,法令・公用文書,新聞において従来広く定着して使用されており今後も使用せざるを得ないものとして要望の強いものについては,これを削除することなく表にもどすこと。 |
3 | 新しい字種の追加は,相当な理由があるものに限り考慮することとし,全体の字数との関連を考えて極力しぼること。 |
4 | 試案に掲げた字を削除することは,相当の理由がない限りやめること。 |
検討の結果は次のとおりである。 | |
○ | 新漢字表試案で削除された当用漢字(33字)のうち,復活・採用候補とするもの。 |
芋 謁 殴 劾 堪 繭 嗣 遵 嫡 逓 痘 陪 畔 濫 (14字) | |
○ | 新漢字表試案で取り上げられなかった補正漢字で採用候補とするもの。 |
矯 壌 偵 桟 (4字) | |
○ | 当用漢字,補正漢字以外の字で新たに採用候補とするもの。 |
拐 喝 曹 棚 搭 屯 抹 枠 (8字) | |
○ | 新漢字表試案にある字(1,900字)は変更しない。 |
以上字種についての検討のほか,音訓についても,各界から寄せられた意見に基づいて検討を行った。また,この間,字体小委員会(第13回)を1回開いた。 | |
第1回全員協議会(昭和53.10.27)には漢字表委員会における字種の検討の経緯とその結果について報告した。 |
<第21回>(昭和53.11.10)
音訓,字体について検討した。次いで,前文等起草委員会(第1回,第2回)で作成した「前文,表の見方」(案)について検討した。
<第22回>(昭和53.11.17)
字体小委員会(第14回)に文字印刷関係者を招いて懇談した旨報告があった。次いで,「前文,表の見方」(案),「字体についての解説資料」(案)について検討した。
第2回全員協議会(昭和53.11.24)には以上の検討結果をまとめて「前文,表の見方(案)」,「解説資料(案)」として提出した。
<第23回>(昭和53.12.8)
第2回全員協議会で出された意見に基づいて前文等起草委員会(第3回)で修正した「前文等修正案」について検討した。
<第24回>(昭和53.12.15)
引き続き「前文等修正案」について検討した。次いで,漢字表の名称について,従来各方面から出された意見,審議会で出された意見等に基づいて検討した。その結果,名称について各委員に対するアンケートを実施することとした。
<第25回>(昭和54.1.19)
漢字表の名称についてはアンケートの結果に基づき,漢字表委員会としては「常用漢字表」という名称を全員協議会に提案することとした。次いで,前文等修正案及び解説資料について更に検討を加えた。解説資料は前文の終わりに載せることとした。また,字体小委員会(第15回)の検討結果について報告があった。
第3回全員協議会(昭和54.1.26)には以上の検討結果をまとめて,@漢字表の名称,A前文,表の見方,B採用候補字の字体,音訓,語例等,Cその他,として報告した。
<第26回,第27回>(昭和54.2.9,2.27)
前文等,及び字種,音訓に関して第3回全員協議会で出た意見,更にその後委員から文書で寄せられた意見について検討した。
第4回全員協議会(昭和54.3.2)には以上の検討結果をまとめて,@前文,表の見方,A採用候補字等 として報告した。