国語施策・日本語教育

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次第 問題点整理委員会の審議経過について(報告)

福島会長

 それでは,続いて問題点整理委員会の審議経過を御報告いただきたい。

遠藤主査

 問題点整理委員会は,4月の第1回総会後,3回開催された。第1回は7月1日に開き,「問題点整理委員会の運営について」を確認した上で,主査,副主査の互選を行った。その後で,問題点整理委員会の今後の方針というか今後の進め方について,いろいろ検討を行った。さまざまな意見が出て,結局フリートーキングのような形になったが,第1回総会で出た意見及び第1回総会の議により文書で各委員から提出された意見を事務局に整理してもらい,それを中心にして第2回問題点整理委員会を7月29日に開催することとした。
 第2回では,人名漢字及び教育漢字に関する意見,「新漢字表試案」関係以外の国語の諸問題及び今後の運営・組織等に関する意見について,総会へ提出するのに何をどう整理したらいいか,どのような形にしたらいいか,いろいろ検討を加えたが結論を得るに至らなかった。ただ,その時に,9月30日に開催される総会より前に,問題点整理委員会が総会において問題になるべき事項を整理した文書を各委員に送付しておいた方が総会での審議に便利ではないかということになった。
 第3回は9月16日に開催された。前回の委員会での討議を中心にして整理したものをもとに討議を重ねた。第1回総会及び各委員の文書による意見を広く集めて整理し,「総会等で出された問題点」という文書が出来上がった。審議を進めていくのに,参考となれば幸いである。これらのうちから総会としてどういう問題を先に取り上げていくか,また,どういう形で取り上げていくか,ということを御協議願えれば,幸いである。
 それでは,「総会等で出された問題点」を簡単に説明したい。
 最初に訂正箇所を申し上げる。「前書き」に「これは,第1回総会で出された意見及び総会の議に基づいて各委員から文書によって提出された意見云々(うんぬん)」とある後に,括弧でくくって,「直接新漢字表の検討に関する意見は,漢字表委員会に回付した。」となっているが,これは事務局の間違いであって,まだ回付しておらず,次回の漢字表委員会までに回付したいということである。
 この文書には,四つの各項目ごとに第1回総会で出された意見及び各委員から文書で提出された意見等を掲げてあるが,中には整理したものもあるし,整理しなくて,ただ列記しただけのものもある。
 そのようにした理由を少し述べたい。
 4項目のうち,教育漢字については,先ほどの岩淵主査の御報告のように,漢字表委員会で討議されてから総会に提出されるという形になるのではないかと思われたので,整理しなかった。
 4の(3)「今後の運営・組織等について」は,国語審議会の運営・組織等に関することであるので,運営委員会へ回付して検討の上,また総会へもどってくる,という形になるであろうと思われたので,整理をしなかった。
 4の(1)「仮名遣いについて」は,文部大臣の諮問事項の中に入っているので,漢字表ができればいずれこれに触れなければならないが,そう簡単にはできない問題であり,次期審議会で検討されるであろう(今期で触れるという意見もあったが。),というように考えてこれについても整理していない。
 1の人名漢字については多少整理をしてある。概要を述べると,意見が大きく二つに分かれている。一つは,現在の人名漢字の制限を維持するという意見(その中には,現状のままでよいとする意見と,使われない字もあるので,字種は更に検討した方がよいという意見がある。),二つは,それと反対に制限を撤廃した方がよいという意見である。
 3の話し言葉,敬語,外来語等については,大体の傾向として,現在,話し言葉,敬語,外来語などの使い方が乱れているので,その乱れを何とかして正した方がいい,正す方策はないかという意見が一つあり,もう一つは,積極的に話し言葉,敬語,外来語などを美しく正確なものにするための基準・方向を打ち出して言葉を美しい方へ引っ張っていくようにした方がいいという意見である。例えば,敬語の標準・目安の検討,話し言葉教育の指針の検討,外来語を美しい和語,漢語などで書き換えるための検討,話し言葉,書き言葉両方に関連する正確で美しい表現の目安の設定,といった意見である。また,音声言語が段々と勢力を持ってきているが,そういう世の中の変化を踏まえながら話し言葉というものを検討していくという意見もあったし,「これからの敬語」の再検討が必要であるという意見もあった。
 なお,4の(2)「上記以外の国語政策について」は整理できないほど意見がまちまちであるので,これらは列記するにとどめた。
 また,参考として「「人名用漢字別表」が定められた経緯」及び「「人名用漢字追加表」が定められた経緯」という資料,話し言葉などに関する国語審議会の建議,報告のうち,一番まとまっている昭和31年のものを付してある。

福島会長

 漢字表委員会及び問題点整理委員会の審議経過報告に関連して質問などがあったら,どうぞ。
 質問などがないようなら,協議に入りたい。

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