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議事要旨

第106回国語審議会総会(昭和53. 4. 7)議事要旨

 岩淵漢字表委員会主査が入院中であるため,三根谷副主査が代行して漢字表委員会の審議状況について下記のように報告した。
 字種について──各界から寄せられた意見の中に出てくる追加希望の字は334字,削除希望の字は164字である。一字一字について検討を進めたが,まだ結論を得ていない。大勢としては,試案の考え方を余り変えなくてよいのではないかという方向が出ている。法令・公用文に関連する字の採否については,別に考慮を必要とする面があるので,事務当局が関係方面と協議を進めている。
 字体について──各界から寄せられた字体に関する意見について逐次審議を進めている。現行の字体は試案で取り上げた「灯」(←燈)以外は動かさなくてよいのではないかという方向である。また,字体の示し方等について具体的に検討するため,第11回漢字表委員会(昭和53.2.7)で,字体小委員会を設けることとし,その委員として,北村,林(大),林(巨),山本,頼の各委員と主査,副主査の7名が当たることになった。そして各印刷会社及び主な新聞社等で使用している明朝体活字の一覧表に基づいて,字形・デザインの上でどのような違いが認められるか,どこに問題点があるか等について検討を進めている。
 当用漢字別表の扱いについて──国語審議会で現行の当用漢字別表に代わる具体案を出すべきだという意見もあるが,この際,当用漢字別表は廃止して,教育に関することは教育課程審議会(初等中等教育局)に任せ,国語審議会としては考え方を述べるにとどめる,という意見が漢字表委員会では多い。
 以上の報告に対し,字体はいわゆる正字(旧字体)を第一に掲げ,括弧して略字を示すようにしてほしいという意見その他が出された。
 次いで,人名用漢字の扱いについて事務当局が説明した。すなわち,54年3月新漢字表が答申され,仮に半年後に内閣告示,内閣訓令が出されると想定した場合,それと同時に戸籍法施行規則が改正されなければならない。それから逆算すると,法務省の民事行政審議会(任期1年)は,53年の秋には審議開始の必要があり,その開始のきっかけとして,人名漢字に関する国語審議会の意見をまとめて,なるべく早く法務省に連絡してほしいと法務省民事局第二課では言っている旨,説明した。この問題について意見交換の末,問題点整理委員会から全委員に対するアンケート調査をして,国語審議会としての意見をまとめることになった。
 最後に,話し言葉等に関する従来の建議・報告等が,国語施策にどのように生かされてきたかについて,事務当局が報告した。

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