国語施策・日本語教育

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古賀副会長

 本日はもう一つ議題がある。話し言葉,敬語,外来語などの問題について,従来,国語審議会で建議などをしてきたが,それに対する施策はその後どの程度に行われているのかということを聞きたいという話があった。そのことについて手短に事務局から説明していただきたい。

室屋国語課長

 事務局から御報告申し上げる。話し言葉等に関する従来の建議,報告を一覧表にまとめた資料3を御参照いただきたい。
 「話しことばについて」(昭和27年4月14日,文部大臣あての報告)「これからの敬語」(昭和27年4月14日建議),「話しことばの改善」(昭和31年7月5日建議),「話しことばについて」(「話しことばの改善」に一緒に付せられてある報告),「国語の改善について」(昭和38年10月11日,文部大臣あての報告),「国語の教育の振興について」(昭和47年6月28日建議)などであるが,その概要については印刷してあるとおりのことが述べられている。
 なお本日,国語審議会答申・建議集という冊子を各委員の机に置いてあるが,これは今までのものが,昭和41年度現在のものであったので,その後,追加されたものについて増補して,昭和53年3月現在でまとめたものである。資料3に付したページ数はこの答申建議集のものであるので,御参照いただきたい。なお,資料3のページ数を付してないものについては,この答申建議集に入っていないものであるので,これについては,必要があれば後から御送付申し上げたい。
 27年から報告や建議があるが,一番新しい昭和47年の「国語の教育の振興について」という建議がどういうふうに具体化されているかということを記したものが次のページである。
 簡単に御説明申し上げる。
 学校教育に関する事項については,新学習指導要領が52年7月,告示になり,小学校においては55年4月から,中学校においては56年から施行になるわけであるが,関連して次のような事項が強調されて取り上げられている。
 (1)学校生活全体における言語環境を整え,児童・生徒の言語活動が適正に行われるように努めること(これは総則の中で規定されている。),(2)言語の教育としての立場の一層の明確化,(3)言語事項の重視,表現力,特に作文力の向上,(4)言語教育の基礎事項の充実
 更に教育実習の際には,国語はもちろん他の教科の教育実習生に対しても,特に児童・生徒の言語環境に留意するよう,事前指導を行うように徹底化が図られている。
 社会教育,家庭教育に関する事項であるが,文化庁ではこの建議を受けて,国語に対する関心の高揚及び国語を大切にする精神の育成に資するため,国民各層から広く関心の持たれている言葉に関する問題を取り上げ,一般向けに平明かつ的確に解説した小冊子のシリーズを出している。これは48年度から「敬語」「言葉のしつけ」「外来語」「標準語と方言」と続き,52年度は,「和語 漢語」が出る予定である。それから「言葉に関する問答集」も出している。これらは非常に広く普及していて,学校,社会教育関係機関等に配布されている。また官報販売所で販売されて一般的にも広く普及しているということである。
 次に,いわゆる社会教育では乳幼児学級とか家庭教育学級,婦人学級においては,言葉に関する事項が最近特に取り上げられている。また関連する視聴覚教材等もできており,広くいろんな問題が取り上げられている。
 それから研究体制に関する事項であるが,(1)国民の言語生活を充実発展させるための研究の促進ということで,科研費の分野において,言語生活,言語能力というものが重視されて,特に「言語生活を充実発展させるための教育に関する基礎的研究」ということで,昭和52年度から特定研究の対象になって,3年間これを重点的に扱うということで進められている。
 最後に大学における国語関係学科であるが,例えば47年度,学科数においては,国立私立合わせて79あったが52年度は五つ増えて84となっている。また講座数について詳細に把握していないが,相当数増えている模様である。
 簡単であるが以上である。

古賀副会長

 特にお尋ねをいただくようなこともないと思う。それでは,できるだけ早い機会に会長に連絡して,問題点整理委員会の主査,副主査と協議したい。

室屋国語課長

 今の報告に関連したことであるが,国語審議会答申・建議集が,先ほど説明したようにできている。これをお持ち帰りいただき,いろいろ御活用いただきたい。

古賀副会長

 次回総会は,6月30日(金)の予定である。それでは本日の総会はこれで閉会とする。

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