国語施策・日本語教育

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漢字表委員会

〔委 員〕

三根谷徹*(主査)  頼 惟勤*(副主査)
稲垣房男  今坂 晃(昭和55.6.1から)  宇野精一  北村季夫(昭和55.6.1まで)  黒野郷八郎  黒羽亮一*  小林幸雄(昭和55.6.1から)  斎藤義光(昭和55.6.1まで)  志田延義  畑 一夫  林  大  林 巨樹*  林 四郎  森岡健二*  八木徹夫*  山本雄二郎
*印は,前文等起草委員会委員。

〔会議開催〕

第1回(昭和55.3.27)〜第9回(昭和56.2.18)
前文等起草委員会 第1回(昭和55.12.19)

〔概 況〕

 漢字表委員会は,第110回総会(昭和54.6.5)で,漢字表に関する専門的,技術的事項の検討を行うための委員会として,前期に引き続いて設置することが決まり,7月28日付けで会長が所属委員を指名した。第1回の委員会(昭和55.3.27)で,主査に三根谷委員を,副主査に頼委員を選出した。
 前文等起草委員会は,第6回漢字表委員会(昭和55.11.7)で主査の指名により「6名の委員がこれに当たることになり,第1回全員協議会(昭和55.12.12)で了承された後,発足した。


<第1回>(昭和55.3.27)
 第111回総会終了後,委員会を開催し,主査,副主査の互選を行った。前期(第13期)の漢字表委員会と同じく主査に三根谷委員,副主査に頼委員が選出された。


<第2回>(昭和55.5.2)
 常用漢字表案(中間答申)に対して機関・団体等から寄せられた意見を項目別にまとめた資料,字種,音訓の加除や字体(略体の採否等)についての要望を一覧表の形にまとめた資料等に基づいて,自由討議を行った。字種の問題,目安の問題のほか,特に漢字表と学校教育との関連の問題について多くの議論があった。


<第3回>(昭和55.6.6)
 6月1日付けで漢字表委員会所属の学校長関係の委員の交代があり,北村季夫,斎藤義光両委員が辞任,代わって小林幸雄,今坂晃両委員が就任した旨報告,紹介があった。前回に引き続き,常用漢字表案に関して寄せられた意見に基づいて,字種・字数,音訓,字体等についての自由討議を行った。字種・字数については,当用漢字表にあって中間答申(常用漢字表案)に入っていない19字の取扱いについて多く意見が交わされた。音訓,字体については,大体従来の方針でよいという方向であったが,音訓表は撤廃して音訓は自由にすべきである,新字体の採用に伴い部首の改定を考えてはどうかなどの意見も出された。
 以上の経過を第112回総会(昭和55.7.31)に報告した。


<第4回〜第6回>(昭和55.9.12,10.17,11.7)
 漢字表の字種・字数の問題を中心に協議した。当用漢字表にあって中間答申(常用漢字表案)に入っていない19字の取扱いに議論がしぼられ,結局,19字を漢字表の中に取り入れること,すなわち,当用漢字表にある漢字は削除することなくすべて常用漢字表に入れておくという結論になった。また,19字以外の字種については,中間答申のまま,出し入れは行わないこととし,1945字をもって新しい漢字表の字種・字数とすることとした。
 19字をすべて漢字表に入れておくという結論に達したのは,19字の復活についての要望が多く寄せられていること等から考え,過去30余年慣れ親しまれ相応の役割を果たしてきた当用漢字表の中にある漢字を削除することによって,諸方面に変化,混乱を与えることは避けるのが適切だと判断されたためである。
 なお,19字以外の字種については中間答申のままとしてが,これは各方面からの字種の出し入れについての要望の提出状況等から見ても,大勢として従来の審議会での論議を越えるような問題は見当たらず,今回新たに取り上げなければならないものはないと判断されたためである。音訓と字体の問題についても大綱として中間答申のものを動かさないという方向になった。
 この結論に基いて,漢字表の前文に必要な修正を施す問題について話し合い,全員協議会後に前文等起草委員会が発足できるように,第6回委員会であらかじめ6名の委員を前文等起草委員として主査から指名した。
 以上の経緯を第1回全員協議会(昭和55.12.12)に報告した。


<第7回,第8回>(昭和56.1.13,1.27)
 前文等起草委員会(昭和55.12.19)で常用漢字表の前文等について話し合った結果を原案として審議した。すなわち,答申文,前文の「はじめに」「常用漢字表作成の経緯」「常用漢字表の性格」「字種と音訓」「その他関連事項(1学校教育用の漢字)」の各項及び表の見方について協議し,中間答申の前文等に必要な修正を施した。
 また,かねて馬淵委員から提出されていた音訓の掲げ方等についての問題について最終的に協議し,結局,現行の当用漢字音訓表での扱いを踏襲することとした。
 以上の経緯を第2回全員協議会(昭和56.2.18)に報告した。


<第9回>(昭和56.2.18)
 第2回全員協議会の終了後に開催し,同協議会で漢字表委員会に付託された前文「常用漢字表の性格」の注の部分の修正について話し合った。その結果,原案の「常用漢字表の性格である「目安」の趣旨を補足すると,次のようになる。」の箇所を次のように修正することとした。
 「常用漢字表の性格を制限的なものではなく,一般の社会生活における漢字使用の目安となるものとしたが,この「目安」の趣旨を補足すると,次のようになる。」
 なお,音訓配列の順序等についても意見が出ていたが,これについては修正を施さないことを確認した。

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