国語施策・日本語教育

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次第 文部大臣あいさつ/これまでの審議経過等について

有光会長

 それではここで,文部大臣からごあいさつをちょうだいする。

森文部大臣あいさつ

 本日,第16期国語審議会の第1回総会を開催するに当たり,一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様方には,このたび,国語審議会委員への御就任をお願いいたしましたところ,御多忙にもかかわらず快くお引受けいただき,誠にありがとうございました。
 今期の審議会には,これまでの審議に並々ならぬ御尽力を頂いた委員の多くの方々に引き続いて委員をお願いいたしましたほか,5名の新しい委員をお迎えしました。今期の審議につきましても,何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 申すまでもなく,本審議会は,長い歴史と伝統をもつ由緒ある審議会であり,我が国の文化の基盤であるとともに,国民生活に深いかかわりのある国語の問題について,御審議いただくものであります。
 さて,前期の第15回国語審議会では,昭和41年に諮問いたしました「国語施策の改善の具体策について」の事項中,なお残されておりました「現代かなづかい」の問題について,全般にわたる御検討,御意見の交換を頂いたわけでございます。
 今期の審議会においては,前期の審議の成果を十分踏まえながら,広く国民全般に支持されるような適切な方向を見いだしていただくようお願い申し上げます。
 皆様方には,今後審議を進められる上において,様々な御苦労をお願いすることと存じますが,より良い国語施策の確立のために,何とぞ御尽力くださいますようお願い申し上げまして,ごあいさつといたします。
 昭和59年4月23日

文部大臣 森 喜朗

有光会長

 それでは次に,事務局からこれまでの審議経過等について,御説明をお願いする。

後藤国語課長

 第1回の総会ということで,恒例により,これまで国語審議会で御検討いただいた経過等について御説明申し上げる。既に御承知いただいていることであるので,ごく簡単に申し上げる。
 戦後,昭和21年以降,国語審議会の御答申や建議に基づいて「当用漢字表」「現代かなづかい」「当用漢字音訓表」「当用漢字字体表」「送りがなのつけ方」等,国語の書き表し方に関する一連の国語施策が,内閣告示・内閣訓令によって実施に移された。その後,これらの国語施策をめぐり,いろいろと論議や批判もあり,また,実施の経験等にかんがみ,種々検討を加えてその改善を図る必要が生じてまいったので,昭和41年6月に文部大臣から「国語施策の改善の具体策について」の諮問を申し上げ,以来今日まで,この諮問に基づく御審議をお願いしてまいったところである。この諮問において具体的に検討が必要な問題点として掲げた事項のうち,当用漢字の音訓と送り仮名の付け方については,第8期の審議会から第10期まで,3期6年にわたり御審議いただき,昭和47年6月に御答申を頂いた。引き続き,当用漢字の字種と字体の問題について,第11期から第14期まで,4期8年にわたり御審議いただき,昭和56年3月に「常用漢字表」として御答申を頂いた。
 これらの御答申では,これまでの国語施策の制限的な色彩を改め,法令・公用文書・新聞・雑誌・放送等,一般の社会生活において現代の国語を書き表す場合の目安又はよりどころとすることを基本的な考え方としてお示しいただいている。また,御答申に先立って,中間試案を世の中に公表し,広く各界各方面の御意見を参考にするなど,慎重な御審議の上,答申をおまとめいただいた。政府では,この国語審議会の御答申を尊重いたし,それぞれ新しい内閣告示・内閣訓令として実施に移している。
 前期第15期の審議会では,諮問のうち残されていた「現代かなづかい」の改善の問題を取り上げて御審議いただき,総会5回のほか,仮名遣い委員会を中心に「現代かなづかい」をめぐる基本的な諸問題及び「現代かなづかい」における具体的な表記上の諸問題について御検討いただいた。去る2月28日開かれた第15期の最終総会では仮名遣い委員会から審議経過について御報告を頂き,今期第16期へ引き継いでいただいたところである。以上,大変簡単であるが,従来の審議経過について御説明申し上げた。
 次に,お手元のファイルの中にとじ込んである資料について御説明申し上げる。一番上に「国語審議会令」がある。二番目が「昭和41年6月の文部大臣の諮問事項」である。三番目が「仮名遣い委員会の運営について(第2回総会申合せ)」,これは,一昨年,仮名遣い委員会発足の際の申合せである。その次が,ただいま申し上げた,本年2月の総会における「仮名遣い委員会の審議経過について(主査報告資料)」である。
 それから次に,袋に冊子が二冊入れてある。一冊は「国語関係訓令・告示集」で,これには現在行われている内閣訓令・内閣告示を収めてある。もう1冊は「国語審議会答申・建議集」である。これには,戦後の国語審議会の答申・建議・報告等を収録してある。以上で御説明を終わる。

有光会長

 ただいまの説明について御質問はないか。なければ,本日の議事に入りたい。

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