有光会長

　この際，仮名遣い委員会の主査から御発言の御希望があるようである。どうぞ。

林主査

　ちょっと一言申し上げさせていただきたいと思う。
　この4年間，私が仮名遣い委員会の主査ということで仕事をさせていただいたが，誠に不才の者であって，行き届かないところが多かった。委員会の皆様，また小委員会の方々，それから委員会委員ではなくて，ただいまお話があった木内委員，あるいは渡辺光代委員，その他の方々の御出席も得て，いろいろと御意見を伺わせていただき，また全員協議会でも皆様方の御意見を伺うというようなことで，どうやらまとめさせていただくことができた。まことに失礼ばかりをいたしてまいったようであるが，ここでどうやらこの答申の最終案をまとめさせていただいた。皆様方の御尽力に対して，私が協力をしていただいたということばかりではなくて，この仮名遣いの問題に対して皆様方の御熱心な御審議をいただいたことを，私は非常に有り難く思っている。
　ここで一言お礼を──私の職分がこれで十分済んだかどうか，分からないけれども，私の役目を終えさせていただくことができたことについて，誠に有り難いと思っている。（拍手）

有光会長

　続いて，前田副会長の方からごあいさつをいただく。

前田副会長

　私は，たびたび申し上げたように，国語の専門家ではないが，言葉と非常に関係深い仕事をしているので，副会長でなければもっといろんなことを申し上げたと思うが，私は終始専ら会長をお助けすることを主にしてまいったので，ほとんどここでは発言をいたさなかった。しかし，委員会にはたびたび出させていただいて，専門のことについて大変勉強させていただいた。その意味でも審議会にお礼を申し上げたいと思う。
　それから，私も今まで政府その他の審議会をいろいろ務めてまいったが，この審議会もこれで10年になり，最後は副会長まで務めさせていただいたわけだが，さまざまな審議会に出た経験でも，こんなに毎回総会の出席率のいい審議会は初めてである。圧倒的にほかよりも委員の方の御出席が良い。それから日常お使いになっている言葉のことであるから，皆様御意見をお持ちになっており，本当に皆様の合議によってこの案ができたと思っている。特にこういうものであるから，今後も世間，国民の皆様からのいろんな批判が出たりすると思うが，私も会長を補佐して，これをこの4年間続けてまいって拝見していて，委員会ばかりか総会においても，この審議会ほど皆様の意見が活発に出るものは他にないと思う。私もこれからこのことの証言をさせていただきたいと思っている。（拍手）

有光会長

　松村副主査からもちょっとおっしゃっていただきたい。大変いろいろ御苦労をおかけした。

松村副主査

　私は特に申し上げることもないが，仮名遣い委員会及び小委員会で，私は大分勝手なことをいろいろ申し上げたり，失礼申し上げた。委員の皆様の御協力をいただいたが，特に林主査は本当に最初から最後までこのことに打ち込んでおられた。その林主査にも，私，大分失礼なことを申し上げた。しかしどうやら大体まとまることができた。
　いろいろの御協力に感謝申し上げる。（拍手）

前田副会長

　それから，会長であるが，皆様御承知のとおり，お休みになったことは一度もない。この前の全員協議会のときだけ，芸術院の大事なお仕事と重なって，少し私が会長の代わりの司会をさせていただいたが，私よりもずっと先輩の，御高齢でありながら，これだけ熱心になさったことについても，皆さんとともに御礼申し上げたいと思う。（拍手）

有光会長

　なお，閉会後に，文部記者クラブの方からの要求で，会長談話を出すようにしてほしいということであるので，そうしたいと思う。その内容については御一任をいただければまことに幸せであるが，よろしいか。
　では，そのようにさせていただきたい。