国語施策・日本語教育

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第2 現代の国語をめぐる諸問題

4 国語の教育・研究に関すること

(1)国語教育の重要性

 国語は,教育の全体を貫く基本を成すものであり,国語教育の重要性について教育関係者をはじめ国民全体が認識を深める必要がある。学校教育のほか,社会や家庭の教育的な役割も重視すべきである。
 また,学校教育においては,国語の全般にわたる教育が,国語科はもとより教育活動全体の中で十分に行われるよう努める必要がある。

(2)思考力・表現力の涵(かん)養と音声言語の重視

 自分の考えをまとめ,適切に表現し,人の意見を相手の立場に立って理解することは,社会生活を送る上で極めて大切である。そういう基礎的な能力を身に付けるために,社会生活のあらゆる機会を通じて,自分としてのものの見方や考え方ができるような能力や態度を培うとともに,話すことや聞くことの教育を一層充実させるべきである。特に,語感や言葉のリズムを体得させるため,音読や朗読,話し言葉等の指導方法を一層工夫する必要がある。

(3)国語研究の振興

 国語研究はそれ自体重要な価値を有するとともに,国語施策の立案や国語教育の基礎としても重要であり,一層の振興を図る必要がある。特に,国立国語研究所は我が国の国語研究の中核を成す機関であり,一層の整備・充実を図るべきである。

(4)国語の大辞典の編集

 言葉は時代とともに移り変わるものだが,それぞれの時代ごとの十分な用例を収録した国語の大辞典を編集することは,国語の歴史を明らかにし,国語の伝統を継承し,明確な国語を保持するために極めて有意義である。また,言葉の来歴や用法を知ることによって言葉を大切にする心を養い,国民の国語に対する意識を高めることにもつながるものである。現在,国立国語研究所で編集の準備作業が行われているが,このような事業を更に積極的に進めるべきである。

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