国語施策・日本語教育

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第2 現代の国語をめぐる諸問題

5 表記に関すること

(1) 目安・よりどころの趣旨と個人の表記

 「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名の付け方」等は,現代の国語を書き表す場合の目安又はよりどころとして定められたものであって,各種の専門分野や個々人の表記にまで及ぼそうとするものではなく,過去に行われた表記を否定するものでもないという緩やかな性格のものである。このような性格の「常用漢字表」等が,報道機関等での基準として厳格に取り扱われ,個人としての執筆者の表記や文章表現を窮屈なものにする傾きもないではないので,目安・よりどころの趣旨が生かされるような柔軟な取扱いをすることが望まれる。

(2)交ぜ書き

 「補てん」「ばん回」「伴りょ」のように,漢語の一部を仮名書きにするいわゆる交ぜ書きは,読み取りにくかったり,語の意味を把握しにくくさせたりする場合もあるので,言い換えなどの工夫をすることや,必要に応じて振り仮名を用いて漢字で書くなどの配慮をすることについて検討する必要があるのではないか。

(3)その他

 縦書き・横書きなど文章形式に関する問題,句読法に関する問題,ローマ字のつづり方,ローマ字による姓名の書き方,辞書の見出しなどの語の配列順,漢字の配列順等について検討する必要があるのではないか。
 なお,現行の「常用漢字表」「現代仮名遣い」等は,戦後の国語施策の見直しの結果として作成,実施されてきたものであるが,これらの内容等についても,将来,現実と合わない点や見直すべき点が生じた場合には,慎重に検討する必要があるのではないか。

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