国語施策・日本語教育

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次第・議事要録 第2委員会の審議状況について

坂本会長

 御質問がおありかと思うが,後ほどまとめて伺うことにして,引き続き,第2委員会からの御報告を水谷主査からお願いする。
 なお,「ワープロ等における漢字の字体の問題」については,ワーキンググループの座長をお務めになった石綿委員からお願いしたいと思う。

水谷(第2委員会)主査

 それでは,第2委員会からの御報告をさせていただく。
 今,会長の方からお話があったが,第2委員会の審議内容は,資料2の「第2委員会における論議の概要(案)」,四角い枠の中に挙がっているIの「情報化への対応に関すること」,Uの「国際社会への対応に関すること」を扱ってきているわけである。この中で,Iの「情報化」の中の3「ワープロ等における漢字の字体の問題」の部分は,ワーキンググループが構成されて討議の対象としたところであるので,そこについては石綿座長の方からお話をお願いする予定である。
 そういうこともあって,私の方からの御報告は,Uの「国際社会への対応に関すること」から始め,その後で,Iの「情報化への対応に関すること」の中の1「基本的な認識」,2「情報機器の発達とこれからの国語施策の在り方」,4「その他」の部分を続けてお話しし,その後,石綿座長にお譲りしたいと思っている。
 今のぺージの一番下に書いてあるが,第2委員会は平成6年4月12日の第1回以後,字体に関するワーキンググループを含めて,これまで計18回開催されてきている。主として「第2委員会における検討事項」に掲げられた9項目について議論を行ったということである。
 15ぺージのU「国際社会への対応に関すること」から始めさせていただく。この部分は幾つかに分かれているが,1の「基本的な認識」から始まる項は,内容的にはほとんど変化がないところである。作業としては,構成をきちんと立て直し,読み手にとって分かりやすい順序に並べ替えていこうということを一つ行った。それから,全体を通して,余分な情報というか,レベルのそろわない,少し細か過ぎるものは捨てるような,そういった形での整理をさせていただいた。
 また,細かい問題だが,今の15ぺージの1の「基本的な認識」の「認識」は,以前は「考え方」ということだったが,言葉が変わっている。
 その下に○が三つある「日本社会における……」「言語は文化の……」「それぞれの言語文化を……」の三つの部分は,基本的な姿勢を示すものだが,これも内容的には変わっていない。ここについては,これでいいのかどうかということについて,更に総会の中で御意見が承れれば幸いである。
 それから,四つ目の○の「日本人が一般的に持っている言語観として」というところから始まる幾つかの項目は,日本人の言語観というか,日本人の日本語観について触れているところである。内容的には前回見ていただいたものと変わっていない。
 そして,その流れが次の16ぺージヘ続いていって,「日本人も最近では外国語即英語……」という○のところへつながっていくわけだが,そこまでの日本人の言語観に関する指摘を経て,1の項の最後の○,「以上の基本認識を踏まえて」という部分に入り,「国際社会への対応に関すること」というテーマを検討するには,こんな観点が必要だということを@,A,Bという形で示したわけである。これは前回は冒頭の方にあったものだが,それを後ろの方へ持ってきて,基本的な姿勢,現在の日本人の言語観はどんなものか,そういうものを踏まえて,この問題を検討していくために必要な領域を示す,という構成に直したものである。
 2の「日本人の言語運用能力の在り方」の部分であるが,前回のものと異なっているのは,内容の重複する部分を整理させていただいたからである。
 それから,多少補ったところがあって,例えば16ぺージの二つ目の○は,「日本あるいは日本人が国際社会において期待される役割を十分果たすためには,多くの日本人が国際社会において必要とされる言語運用能力(相手や目的・場面に応じて,自らの意思を言語によって正確に表現・伝達し,かつ言語を通して相手の意思を的確に理解し得る能力)を高めることが不可欠である」とした。目的意識を一層明確にするという形で,内容的に少し補ったことになっているが,この部分は,ほかは余り変わっていない。
 17ぺージの3行目の○,国際社会において必要とされる言語運用能力を高めるためには,どんな配慮が必要かということが五つ挙がっている。
 その次の○は,近年,日本人一般の外国語能力は向上しつつあるが,一層高める必要があるとか,学校における外国語教育の問題,異文化理解のためにコミュニケーション能力を重視すること,英語以外の多様な言語にも配慮すべきだといったようなことを含んでいる部分である。
 次の○の「現在,国語科教育は……」についても,前回,この総会でもいろいろな意見を出していただいたが,内容的にはほとんど変わっていない。論理的に述べる能力の問題,英語,国語の教育の共通性に着目した分野への視点を用意すべきであろうということや,異文化理解についての具体的な事柄を押さえるやり方,更に教員の養成を考えるべきだということも内容的には変わっていない。

水谷(第2委員会)主査

 最後の○だが,「優れた通訳・翻訳者の養成・確保は」に始まる通訳・翻訳に関する問題がそこに挙がっている。
 この辺りの問題として,実は委員会の中でも触れていなかったのだが,国際化対応の部分で,今立ててある柱の内容が,具体的な方針を示すにしろ,問題点の指摘をするにしろ,現時点で十分に網羅しているかということが少し気になっている。今期のまとめを出していく場合には,国際化に関連して,日本語の問題として考えなければならない論点を十分に打ち出す必要がある。
 そういう考えからすると,例えば,後の方に通訳の問題が出てきているが,ヨーロッパの通訳のシステムとしては,通訳の本来の業務は自分の持っている言葉へードイツ人であればドイツ語へ翻訳することが本来の行き方であって,ドイツ人が英語にも翻訳するということは普通はないわけである。日本の場合は,一人の方が日本語にもするし,英語にもするという役割を担わされている。これが非常に苦しい結果を生み出していると私は思っているのだが,実際に担当している方もこれを述べていらっしゃる。
 その在り方が続いている理由は,もしかすると通訳という仕事への認識が足りないことがあるのかもしれないが,一方では,日本語のできる外国人が通訳へ向かう形で養成されてきていないという問題もあるのではないか。こういうことを考えると,今後の日本語教育関係のことも含めて,まだまだ内容的に落ちがあるのではないかと思う。この論議の概要も整理をする段階へ掛かってきているけれども,落ちがあるのではないかという観点から,お教えいただければ大変有り難い。
 18ぺージの3の「日本語の国際的な広がりへの対応」というところであるが,ここの部分もほとんど変更はない。細かいことでは,18ぺージの下から二つ目の○の「日本語が世界に広がることで,以下のような観点から……」の中に@,A,Bとある。Bの「我が国が,日本語によって既に翻訳し蓄積した多様でかつ高度な古今東西の文化的所産を容易に提供できるようになること」は,内容が分かりにくいという指摘があって,括弧書きで「孔子,プラトン,シェイクスピア……など」として,日本語に翻訳したものを手掛かりにして情報の再発信ができるということを表したつもりだが,これでいいのかどうか,自信がないが,今のところはそんな程度しか手を加えていない。以下,19ぺージの半分近くの部分まで,同じように続いている。
 19ぺージ,(1)の終わりの部分に,今度の世論調査の結果が新しく加えてある。上から三つ目の○の,「今回の世論調査で,外国人の話す日本語について,どのような日本語であるのが望ましいと思うかを聞いたところ,「外国人だから,意思が通じさえすれば,多少変な日本語でもかまわない」が58.6%と高く,「外国人だから,意思が通じさえすれば,どんな日本語でもかまわない」の24.2%,「外国人であっても,日本人と変わらない日本語を話すべきである」の12.7%を大きく上回っている」ということを追加したものである。
 それから,(2)の「日本語の国際的な広がりを支援するための方策」の部分の一番最初の○のところ,「日本語の国際的な広がりを支援する上で重要な視点として,次のようなものがあるのではないか」。@「日本語教育の推進」,(2)「海外における日本語使用の支援の問題」。今はこういう形で柱を立てているが,これは言葉が少し足りないのではないかなという不安を多少持っている。
 19ぺージの一番最後の○の「今後,次の点に重点を置いた日本語教育の施策を推進すべきであろう」の後に,@の「日本語教育関連機関相互の連携」うんぬんから始まって,A「日本語教育に対する国民の理解の促進」,B「地域における日本語教育の推進」,C「日本語教育を推進するための支援ネットワークの構築」,D「高度情報化に対応した日本語教育の推進」,E「外国人のための日本語辞典の作成の支援」,F「その他」というふうになっているが,この部分はかなり縮小している。
 その理由は,日本語教育関係の教授法的な事項というか,日本語を教えるときにはこんなことに注意しなければならないということがあったが,それは捨てた。レベルが少し違うので,ふさわしくないということで整理して,これだけの量にまとめてしまった。そういう形で,そこの部分は進んでいる。
 21ぺージの最初の○の後半のところには,やはり世論調査の結果が付け加えてある。
 21ぺージの下の方,外来語の問題の部分も余り変更はないが,追加されたものとして,22ぺージの最初の○は@,A,Bと続いて,その次に「今回の世論調査でも,今以上に」と世論調査の結果が加えてある。
 それから,23ぺージの「その他」のところだが,前回は裸のままで,5「その他」となっていたが,今回は括弧書きで「姓名のローマ字表記等」ということを追加した。これが妥当かどうかということは,もし御意見があったらお教えいただきたいと思う。内容は変わっていない。
 これが「国際化への対応に関すること」の部分の変更及びおおまかな内容についての御報告である。
 それから,「情報化への対応に関すること」のところであるが,2ぺージヘ戻っていただく。今,情報化に関する部分で最も反省していると言うか,問題だとして意識していなければならないことは,十分な内容が整っていないことである。ここに盛り込まれている中身は先生方の発言を大切にしながら列挙しているので,その意味では整理が不十分であり,内容的にもレベルが違ったりして整った考え方の展開とはなっていない。ここは,夏の間に,秋に向かってしっかり時間を掛けてやり直していかなければいけないと思っている。
 大きく変わったことは,冒頭の部分,2ぺージの1「基本的な認識」である。これは前回の総会の時にはなかったものである。基本的な認識として総論を立てた。内容的には,情報機器が発達してきて言語生活に大きな影響を与えているということだが,どちらかと言えば,消極的な,否定的な見方が意見としては多かったけれども,積極的な面もちゃんと見て,その上で考えていくべきではないかという御意見も出されたので,このように,「様々な利便をもたらすこと」があり,一方で,「新しい問題も生じてきている」というとらえ方を示したものである。
 ただし,それは広過ぎるので,この審議会の課題としては,最後の4行のところに書いてあるように,「情報化という概念で包括される分野は,極めて広範囲にわたり,かつ多様な情報機器をも含み得るが,今回は,国語施策と密接にかかわる範囲に限定して検討することとした。すなわち,「文字処理の電子化」にかかわる分野(ワープロやパソコンを中心とする)に限って,言語生活面との関連から基本的な考え方や施策の方向性を提示する」とした。これが一番目立っている大きな変更で,このように「基本的な認識」の部分を追加したということである。

水谷(第2委員会)主査

 それから,こちらの情報化の部分での新しい追加内容としては,世論調査の結果を幾つか盛り込んでいる。2の「情報機器の発達とこれからの国語施策の在り方」の(1)の最初の○「文化庁が平成7年……」も,世論調査の結果を記載したものである。
 3ぺージは,前にも御覧いただいた内容のままである。情報機器の使用がもたらす影響についてのこととか,機器が人間の書記能力,文章表現能力,思考力にどのような影響を与えるか,についてはまだ分かっていないということ,そういった事柄を含めて,言語生活にどんな影響を与えるかについての研究が少ないから,積極的に提言すべきであろうというようなことを中心とした発言が,そこに列挙されている。この辺りは内容的には前回と余り変わっていない。
 4ぺージの二つ目の○は,やはり世論調査の結果を入れ込んだもので,もちろん新しいものである。
 次は,前回のものにも載せてあった押上,山崎,森山各委員によるアンケート調査の結果である。
 5ぺージに行って,(2)「ワープロ等の使用者の用途に応じた多様なソフトの開発など」。ソフト開発をしなければならないというのも前回載っていたものである。
 5ぺージの3「ワープロ等における漢字の字体の問題」のところからは,石綿座長にお願いすることになっているので,11ぺージまで飛ばす。
 4の「その他」というのは前回はなく,「交ぜ書き」という項目と,「縦書き・横書き」という項目が立っていた。しかし,この中身は「情報機器の発達と国語施策の在り方」の中身とはそぐわない,少し性質が違うのではないかと考え,まとめて「その他」として,(1)「交ぜ書きの問題」,(2)「縦書き・横書きと書体の問題」という形にした。
 内容自体は,細かい言葉の問題は別にして,前回からほとんど変わっていない。むしろ前回からというよりも,前期の国語審議会の意向というか,傾向と変わってきている事柄として,交ぜ書きも一概に否定することはないという,交ぜ書き肯定の意見がここに少し表面化してきている。世論調査の結果が13ぺージに拾ってあるが,このことは一つの変化だと思う。
 大変急いで申し上げたが,以上が第2委員会の中の「ワープロ等における漢字の字体の問題」を除いた部分の御報告である。
 それでは,石綿座長にお願いしてよろしいか。

石綿座長

 「ワープロ等における漢字の字体の問題」について御報告申し上げる。
 本来,私たちのワーキンググループはこういう題で出発したのだが,議論をしている間にすそ野がだんだん広がって,表外字の字体全体の問題について,委員会の中で復習したくらいである。そういうこともあって,本日は今までのお二人の説明とは調子がちょっと違うが,内容をざっと説明させていただく。
 5ぺージの一番下,「常用漢字表審議の過程での表外字の字体についての考え方」では,かつての国語審議会が「常用漢字表」を審議した時に,字体について触れかかったけれども,それを決定することができなかった。表外字の字体について整理を及ぼすかどうかの問題については,「当面,特定の方向を示さず,各分野における慎重な検討にまつこととした」ということで終わらざるを得なかったようである。そのことについて一応復習した。
 それから,6ぺージのイは人名漢字のことであるし,ウは新聞における表外字のことであるが,エ,オ,カにあるように,新聞以外の出版あるいは教科書の分野では,伝統的な康熙(き)字典の字体が正しいものとされて,それをいじらないようにとされてきたようである。
 ところが,7ぺージのところで,いささか調子が変わってきて,前回も申し上げたが,昭和53年に制定されたJISでは,例えば「カモメ」という字は「」だったけれども,昭和58年に「鴎」が採用されて,それがJISの中に入ってしまった。つまり「」の漢字がなくなってしまったわけである。「」とか「」という字も同じである。そういうことで問題になった。これは低画素数,つまり24ドット字形のJISでそういうふうに決まったので,それとかかわっているという説明である。
 そこで,ワープロ・パソコン等における表外字の字体が非常に混乱してきている。ただ,機械によっては,前の字体をそのまま踏襲しているのもある。前というのは昭和53年の規格である。昭和58年の改定による新しいJIS規格では,例えばは「鴎」になっているわけで,そういう字体の入れ替えが非常に大きな問題になった。
 ただ,ヒアリングをやって聞いてみると,メーカーは,需要があれば,昭和58年の改定以前の字体,いわゆる康熙字典体はいつでもワープロに搭載することができるし,技術的には何の困難もないということを言っている。そういうことであったが,とにかく現状では,今までのワープロを使っている人は,「鴎」しか出ないということがある。「補助漢字」というJISの規格では「」などの28字の康熙字典体が入っているが,これを搭載しているワープロは今のところないということである。
 7ぺージのケのところであるが,学術用語の方では,そこに書いてあるように,「」とか,「躯」とか,「頚」とか,そういう十数字の略体を「強制的ではないが」として使ってしまっているということである。これを認めてもらえないかという意見があったが,これは学術用語関係者全体の意見ではなくて,個人の意見だということであった。ヒアリングの中で,そういうことを言っている方があった。
 7ぺージの一番下のコのところに,データベースで,そういうふうに漢字の出し入れがあると非常に困るということが書いてある。

石綿座長

 8ぺージの付けたりのところは飛ばすが,これは前と同じである。
 (2)の「混乱の現状」に移る。私たちは,一応この問題を扱ったつもりなのだが,今言ったように,本質的に言うと,昭和58年の改定で字体の入れ替えを行ったために起きてきた問題がほとんどである。
 アでは,そういうことで問題が起こっているということ。イのところでは,それは24ドット字形,ドットの少ない字形のために決めた略字の方に考慮して,例えば「鴎」のような字体ができたというような経緯である。ウのところは,そういう字が実際にワープロの中に入っているので,そういう問題がどうしても起こってくるということを言っている。
 9ぺージ,「字体の問題についての考え方」である。今言ったように,JISの字体に出入りがいろいろあって,ワープロ側の対応も一様でない。そこで様々な問題が生じたわけで,これを何とか解決しなければいけないが,なかなか問題が大きい。例えば,「カモメ」という字は森おう外の「おう」の例で問題になるように,固有名詞の表記の問題がかなりある。
 今まで国語審議会で,常用漢字は固有名詞は対象としない,あるいは学術用語については及ぼさないと言って決めてきた。通産省でやっているJISの方はそれとは性格の違う漢字表なので,その間の問題が起こるわけである。今扱っている問題はそういうことだと思うが,そこで「補助漢字」―5,000字ぐらいあるのだが―それを入れると,さっき申し上げた28字については解決するわけである。
 ところが,これについては,学術関係などの人たちばかりではないけれども,表外字についても簡略にしてほしいという意見が一方にはあって,もう一方には,絶対に略体は認めてくれるなという意見がある。ここのところの扱いは現状では非常に難しいのではないかと思う。
 そこで,この世論調査を見ても,「鴎」が出てくることはかまわないとする意見が42%,ワープロからも「」という漢字が出てくる方がよいというのが41%で,方向を決めるのはなかなか難しいのではないかという気がする。
 したがって,9ぺージの下から3行目辺りに書いてあるが,「表外字の字体全般の問題に取り組むべきかどうか」,これからどういうふうに扱っていったらいいかということについては,「今後,引き続き検討を続けることとしたい」というまとめになっている。
 その後に,アから(イ―3)まで,委員会で出た意見,あるいは総会で出た意見もあるが,いろんな角度から出た意見をまとめてある。
 まず,10ぺージの上の半分は,字体の検討は慎重にすべきだという意見であるが,出版関係の方の意見,並びに今までの国語審議会の考え方は,固有名詞や専門分野に立ち入らないというのが基本であったというようなことが述べてある。
 10ぺージの真ん中のイ「表外字の字体について検討すべきであるという意見」であるが,(イ―1)の2番目の○のところは,前に総会で出た杉本委員の意見だと思うけれども,「ワープロの普及に伴って「冒涜」の「涜」のような奇妙な文字が流布することは堪え難い。何らかの歯止めが必要だ。」ということが書いてある。これの大部分はさっき申し上げた28字の問題なのである。
 (イ―3)「表外字の字体を検討するに当たっての姿勢等」というのは,これからどういう姿勢で扱うべきかということについて出た意見が,そこにまとめてある。
 私たちの委員会では,結局,一番最後の委員会でも結論を出すことができなくて,この委員会では一応こういうことを考えたということでまとめてある。つまり一体何が問題なのかということが,一番最初にこの委員会に課せられた課題であったのだが,その輸郭は明らかになったと思う。ただ,それをこうすればいいというところにまで至ることができなかった。したがって,今後,引き続き検討を続けるという方向を結論として出して,終わりにしているということである。
 以上で,大体割当ての時間が過ぎたので,報告を終わる。

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