国語施策・日本語教育

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次第・議事要録 第2委員会の審議状況について

坂本会長

 御質問がおありだとは思うけれども,後ほど伺うことにして,引き続き,第2委員会における論議にかかわる部分について,水谷主査にお願いする。

水谷(第2委員会)主査

 第2委員会の方も,まず最初に事務局の方で読んでいただくという手続をとりたいと思う。大変長い時間が掛かるので,申し訳ないが,これが全体を通して見ていただく最後の機会になるかと思うので,どうぞよろしくお願いする。


〔氏原国語調査官 第2委員会関連部分を朗読〕

水谷(第2委員会)主査

 それでは,委員会として一言付け加えさせていただいてよろしいか。
 第2委員会の審議内容は二つに分かれていて,一つは「情報化への対応に関すること」,もう一つは「国際社会への対応に関すること」となっているが,実はどちらも国語審議会としては初めて取り組んだ課題で,予想もしないような事柄が審議の過程で表面に浮かんでくるということが度々あった。審議のための時間も,また裏付けのための調査に費やせる時間ももっとたくさんあればと思わされることがしばしばで,今回の報告ですべての課題が追求できたということではなくて,大きな枠組みがやっとできたということだろうと思っている。更に問題を掘り下げ,解決のための具体策を提言し続けていくための機会が,来期以降に用意されなければならないのではないかというのが現在の実感である。
 追求し切れなかった課題としては,例えば,情報化への対応に関して,ワープロ等の発達と子供たちの国語能力との関連で,そこにどんな問題があるかということを明確にするということは一つの重要な課題だったわけであるが,そのために欠かすことのできない調査による裏付けというのは,十分に時間を掛けて実施することができなかった。
 また,ワープロ等における漢字の字体の問題については,様々な問題があったが,なぜその問題が起こってきているのか,何が問題なのかということについて関係者からのヒアリングを連続して実施し,事実を徹底的に追求,究明するということについて力を注いできた。この理由は,一部の専門の方には理解されていても,私どもも含めて多くの人たちにとっては,理解が不十分なために問題がつかめないということがあるのではないかと考えたからである。事実を徹底的に究明するということは,ある程度はできたと思うが,事実関係の解明を乗り越えて,解決のためにいかなる対策を打ち出せばいいのかという段階にまでは至っていないということは大変残念である。
 また,「国際社会への対応に関すること」についても初めて取り組む課題ばかりで,社会的な問題として表面に表れた形になっている事柄というのはよく問題にされやすいのであるが,それをどのような基本的な認識の仕方でとらえていくかということが大きな宿題として存在していたと思われる。
 日本語の問題を日本語の枠の中だけでとらえるという行き方はしないで,外国語との関係も含めて,また日本語の中でも言語の形や構造の枠の中にとどまらないで,日本語の運用能力,コミュニケーションのための言葉の問題として追求するという行き方をとってきたわけであるが,それだけに,結果としては具体的な政策提言というのが十分に芽を出してきていないと思われる。
 例えば,日本語教育の推進の部分についても,社会としてはもっともっと具体的な提言を求めているだろうと思われる。外来語や姓名のローマ字表記の問題は具体的な問題提起としての位置が与えられると思うが,こういったレベルでの具体的な課題も,もっとたくさんあるのではないかと予想される。来期以降,更に具体化したテーマを取り上げでの提言につながる審議というものが必要だと考えている。
 委員会では大変時間を掛けて審議してきたわけだが,きょうのこの機会に,一つの区切りを付け,まとめを整理していくためのいい御助言をたくさんいただけたら幸いだと思っている。

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