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第2 表外漢字字体表試案

T 字体表の前文

3 字体・書体・字形にかかわる問題

(2)「字体の違い」と「デザインの違い」との関係

 表外漢字字体表においても,常用漢字表に示されている考え方を基本的に踏襲することとした。例えば,表外漢字の「@」/「A」などの字形上の違いは,常用漢字表「(付)字体についての解説」の「第1明朝体活字のデザインについて」で,「現在,一般に使用されている各種の明朝体活字(写真植字を含む。)には,同じ字でありながら,微細なところで形の相違の見られるものがある。しかし,それらの相違は,いずれも活字設計上の表現の差,すなわち,デザインの違いに属する事柄であって,字体の違いではないと考えられるものである。」と位置付けられたデザインの違いに該当すると考える。ここで,例として用いた@,Aは,上記「明朝体活字のデザインについて」の中で,@は「接触の位置に関する例」,Aは「「筆押さえ」等の有無に関する例」に当たるものである。
 ただし,現行の各種明朝体字形を検討した結果,表外漢字における「字体の違い及びデザインの違い」を考えていくには,常用漢字表に掲げられている項目だけではなく,常用漢字と表外漢字とを区別して,表外漢字だけに適用する「デザイン差該当項目」 を新たに立てることが,現実的な対応として望ましいだろうと判断した。具体的には,常用漢字表の「明朝体活字のデザインについて」に分類して示されたデザイン差の該当項目に,「「」などの2画目・3画目にかかわるもの」,「「」などの・戸にかかわるもの」, 「「」などのつくりの3画目の縦・横にかかわるもの」及び「「」などの4画目・5画目にかかわるもの」などを立てた。
 これらの例は,常用漢字表の「明朝体活字のデザインについて」で触れていなかったものである。表外漢字の場合には,例に挙げた字形がそれぞれかなりの頻度で使用されている実態に配慮し,かつ,文字認知上からデザインの違いと位置付けても差し支えないだろうと判断したものである。
 なお,今回の追加例は,飽くまで表外漢字だけを対象としたもので,常用漢字に及ぼすものではない。 (「参考」の「表外漢字における字体の違いとデザインの違い」を参照。)

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