国語施策・日本語教育

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次第・議事要録 開会/庶務報告/前回の議事要録の確認

清水会長

 ただ今から第7回の総会を始めさせていただく。
 先生方にはお忙しいところをありがとうございました。
 前回と同様に第1から第3までの各委員会には大変精力的に御審議をいただき,大分まとまりを見せてきているが,今日御報告をいただきなから,更に御質問又は御意見などをいただきたいと思う。また,既に御予定いただいていると思うが,9月,そして12月でまとめを御報告できるようにしたいと思うので,どうぞよろしくお願い申し上げる。
 まずはじめに,事務局の方から庶務報告をしていただく。

鎌田国語課長

 それでは,庶務報告を申し上げる。
最初に,議事要録の送付について御報告する。前回の第6回総会の議事要録については,5月31日付けで各委員に送付している。また,各委員会のそれぞれの議事要旨についても,同日付けでお送りしている。
 続いて,前回総会以降の各委員会の開催状況について申し上げる。第1委員会は,第9回会合を4月17日に,第10回会合を5月15日に開催している。第2委員会は,第9回会合を4月4日に,第10回会合を5月22日に開催している。第3委員会は,第9回会合を4月21日に,第10回会合を5月18日に開催している。各委員会の審議状況については,後ほど各委員会の主査から御報告いただける予定となっている。
 次に,資料の御確認をお願いする。
資料1は,「第1委員会における論議の概要一5」である。資料2は「第2委員会における論議の概要一5」,資料3は「第3委員会における論議の概要一5」である。資料4は,「平成11年度「国語に関する世論調査」」という冊子である。資料5も冊子で,「「国語に関する世論調査」問題別分析報告書」である。最後に,資料6が「白書,広報紙における外来語の実態」,これは本編と資料編という2分冊になっている。なお,資料5と資料6については,国立国語研究所においてまとめていただいた資料である。
 以上,資料がそろっているか御確認いただきたいと思う。
 庶務報告は以上である。

清水会長

 それでは,議事に従って進めさせていただくが,まず,議事要録の御確認をいただきたいと思う。ただ今の御説明のように,議事要録は既にお送りしてあるので,御覧いただいたかと思う。もし御自身の御発言等で修正の箇所があれば,おっしゃっていただきたい。また,細かいことであれば後ほどでも結構であるので,事務局の方に御連絡をいただくということにさせていただければ有り難いと思うが,何か御発言はあるか。
 よろしいか。それではお認めいただいたということで,何かあれば事務局の方へ御連絡をいただくことにしたいと思う。よろしくお願いする。

清水会長

 それでは,今日は資料もたくさんあるので,早速進めさせていただく。
 今,課長から御説明があった,国語課でまとめたいろいろな世論調査,国語研究所でまとめた資料等々,資料4から6までであるが,これについての説明をまずお願いしたいと思う。よろしくお願いする。

鎌田国語課長

 それでは,資料4から6までについて御説明申し上げる。
 まず,資料4「平成11年度「国語に関する世論調査」」であるが,冊子をお開けいただくと,概要をまとめた資料と新聞記事の切り抜きが入っている。このうちの概要をまとめた方の資料で御説明申し上げる。タイトルが,「平成11年度「国語に関する世論調査」の結果について」と赤で書いてある資料である。
 この調査は,全国の16歳以上の男女3,000人を対象に今年の1月に実施したものである。
 調査結果の概要であるが,外来語,いわゆる片仮名語を使うことについてどう思うかという問いについては,「どちらかと言うと好ましいと感じる」が13.3%,「どちらかと言うと好ましくないと感じる」35.5%,「別に何も感じない」48.8%。半数近くが「別に何も感じない」と答えているが,好ましいか,好ましくないかということであれば,「好ましくない」と感じる人が3倍くらいになっている。
 この下のところに表があるが,このうちの茶色で書いてある部分が「好ましくない」と答えた人である。これを御覧いただくと,高齢の方になるほど「好ましくない」という回答が増えていることが分かる。

 続いて,官公庁の広報やパンフレットなどにおける外来語の使用であるが,1枚お開けいただくと,円グラフで書いてある。全体の42.7%の人が,「外来語・外国語を使うことはやむを得ないが,なるべく注釈を付けて使う」べきだというふうに答えている。続いて多いのは36.8%の,「外来語・外国語は,日常生活で使われているものに限って使う」ということで,外来語については,約80%近くの人が「注釈を付けて使う」あるいは「日常生活で使われているものに限って使う」ことを望んでいるという結果になっている。
 次に,英語と日本語の国際化についてであるが,英語が世界のコミュニケーションの言語になってくる傾向についてどう考えるかという問いである。一番多いのが43.4%であるが,「世界の人々のコミュニケーションのために,英語が共通の言語として使われるのは良いことだと思う」と答えている。続いて, 「英語が使われることは良いとは思わないが,仕方がない」が18.8%,「英語と並んで日本語などほかの言語ももっと使われるようにすべきだと思う」が17.8%というような結果になっている。約6割強の人が,英語が国際的なコミュニケーション言語として用いられることを,積極的にあるいは消極的に認めているというような結果が出ている。
 それから,日本語を学ぶ外国人が増えることについては,「もっと増えていくとよい」と思う人が81.8%と圧倒的な率になっている。
 続いて, 3枚目の言葉遣いである。(1)が「気になる言い方」, (2)が「敬語の正誤」ということで具体的な例を出して, これについて気になるか,あるいは敬語として正しいと思うかどうかということを聞いている。こちらの方については説明を省略する。
 一番下のところ,(3)「ぼかす言い方」というのがある。マスコミ等の報道においては,専らこちらの方が注目されて取り上げられている。一番最後のぺージのところに, (1)から(3)まで,「お荷物のほう,お預かりします」「鈴木さんと話とかしてました」「わたし的にはそう思います」という言い方をすることがあるかないかというふうに聞いている。御覧いただくと,「ある」というのは,「お荷物のほう」は30.3%で, (2)と(3) は「ない」という方が圧倒的に高いわけであるが,下の方の年齢別で見ると,やはり10代,場合によっては20代も,そういう一種ぼかすような言い方をするというような傾向がうかがわれる。
 最後は,国語の乱れや国語に関して困っていることについて聞いた問いである。今の国語は乱れていると思うかどうかという問いであるが,「非常に乱れていると思う」「ある程度乱れていると思う」を合わせると, 85.8%の人が「乱れていると思う」と回答している。どのような点について乱れているかと聞いたところ,「言葉遣い」が66.3%で一番多くなっているが,続いて「若者言葉」の62.5%,「敬語の使い方」54.0%というふうになっている。

鎌田国語課長

 また,国語に関して困っていることはないかという問いに対しては,複数回答であるが,一番多いのは「外来語・外国語の意味が分からないことがある」45.8%,「流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある」42.4%等々となっている。
 以上,簡単であるが,資料4の世論調査の関係である。
 続いて,資料5「「国語に関する世論調査」問題別分析報告書」である。こちらの方は国語研究所でまとめていただいたものであるが,「国語に関する世論調査」は文化庁が平成7年度から実施しているものである。平成7年,8年,9年,10年の4年分について,今回新しくまとめた11年度のものは入っていないが,7年から10年度までの世論調査の全体を見た傾向を国語研究所において分析していただいた資料である。
 大まかな概要としては,2ぺージをお開きいただきたいと思う。2ぺージに「第1章 報告書の概要」ということで,下のところに「調査結果の概括」がある。
 まず,第1節「敬意表現を中心とした言葉遣いに関する問い」であるが,その中で「@自分自身の言葉遣いについては,約3分の2の人が「気を使っている」と答えていて」というのがある。Aとして「言葉が乱れているという意識は,約7割の人が持っている。特に,「話し方」「敬語」「あいさつの言葉」について乱れを感じている人が多い。Bとして「言葉遣いの改善のためには,「正確さ」「論理性」などよりも,「相手や場面の配慮」「心のこもった言葉」などが必要だと意識する人が多い。」というような全体を通しての分析結果になっている。これらが言葉遣いに関するものでる。
 続いて,5ぺージを御覧いただきたいと思う。5ぺージの最初,第2節「漢字に関する問い」というところであるが,漢字に関しては,「@漢字や平仮名,片仮名など,ふだん使っている文字についての国民の関心度は高い。」,A「常用漢字に入っていない漢字の印刷文字として,例えば「(辞書と同じ字体)」と「鴎(簡略字体)」のように異なった二つの字体が使われている場合があることについて,「不統一は望ましくない」という人の方が多い。」,「B異体字に関する印象について,康熙字典体と略字体のどちらを多く見掛けるかは,字種によって異なる。」などという分析結果になっている。
 その下の第3節「国際化時代の日本語に関する問い」であるが,「@「日本語の中の外来語」については,年代に関係なく使用の多さを感じている人が多いが,その受け止め方はさまざまである。今後,使用が増えることについては,賛否と年齢が反比例的な関係にある。また,外来語の意味の理解には,その言葉に対する親密さ,接触度,必要性などが要因としてうかがえる。」ということで,外来語についてのまとめになっている。AとBは飛ばして,Cのところであるが,「「姓名のローマ字表記」については,平成7年度調査では「名姓」,平成10年度調査では「姓名」の回答が多い。ただし,平成7年度調査と平成10年度調査で質問文に違いがあり,単純に比較はできない。」というような結果になっている。
 以上が資料5の関係である。
 最後に,資料6の関係である。これについては,昨日,今日と新聞などにも報道されているが,国立国語研究所において, CD-ROM化されている6種類の白書と全国28の市町村の広報紙,ほかに一部の新聞,テレビ,雑誌などにおける,いわゆる片仮名語の実態を調べていただいた資料である。
 この中で,例えば自治体の広報紙では,一番使われている片仮名語については「センター」だというような結果が出ている。また, 白書では,一番使われているものとして「サービス」という語があるということも出ている。この「サービス」という語は, 自治体の広報紙でも2番目に使われている率が高いという結果になっている。それから,自治体の広報紙では,施設の名称や高齢者福祉関係の用語にいわゆる片仮名表記語が多いという結果も出ている。
 また,白書で片仮名が使われている場合として,外国や国際間の出来事,例えば「サミット」とか,そういうものに,専門用語として使われている。あるいは政策名や施設名等の愛称などにも使われているというようなことがまとめられている。
 具体的な分析については「本編」を御覧いただければと思う。また,実際にどのような語がどういう頻度で出ているかということについては,「資料編」の方に出ているので,後ほど御覧いただければと思う。
 以上,簡単であるが,資料4から6までの説明をさせていただいた。

清水会長

 これは後ほど御覧いただいて,参考にしていただければと思う。どうぞよろしくお願い申し上げる。

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