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T 前文

付 表外漢字字体表に掲げた漢字(字体表漢字)の選定方法について

資料1  「第21期国語審議会審議経過報告「第2 表外漢字字体表試案」」(平成10年)における検討対象漢字(注1)
資料2  『漢字出現頻度数調査(2)』(平成12年)の「凸版調査」における出現順位3227位(累積出現率99.7%)までの表外漢字集合(注2)
資料3  『漢字出現頻度数調査(2)』(平成12年)の「読売調査」における出現順位2606位(累積出現率99.9%)までの表外漢字集合(注3)

上記3資料において,
a 資料1,資料2に共通して出現する漢字
b 資料1,資料2のどちらかだけに出現する漢字
c 資料1,資料3に共通して出現する漢字
d 資料1,資料3のうち資料3だけに出現する漢字

を調べ,b及びdに属する漢字については,1字1字その漢字の造語力,使用範囲の広さ,字体上の問題の有無,使用頻度(『漢字出現頻度数調査』(平成9年)も併せ参照)等を検討して字体表漢字を選定した。これに,a及びcを加えて字体表漢字の範囲とした。資料2の漢字集合995字のうち,資料1と共通する漢字は,828字(資料2において資料1と重なっている率=83%)であり,同様に,資料3の漢字集合436字のうち,資料1と共通する漢字は,374字(資料3において資料1と重なっている率=86%)であった。
 さらに,資料1に入っている「現行JIS規格の「6.6.4過去の規格との互換性を維持するための包摂規準」に掲げる29字」及び「平成2年10月20日の法務省民事局長通達「氏又は名の記載に用いる文字の取扱いに関する通達等の整理について」の「別表2」に掲げる140字」については,表外漢字字体表においても出現頻度数とは別の観点から,字体表漢字に加えることとした。これは,表外漢字の字体を検討していく上で,欠かせない漢字であると判断したためである。以上を字体表漢字とした。
 しかし,資料2及び資料3で対象とした調査資料によって生じ得る出現頻度数の「ゆれ」を考慮して,その漢字の造語力,使用範囲の広さ,字体上の問題の有無などを勘案し,若干の漢字を対象外とするとともに「凸版調査」(平成12年)の出現順位3502位(出現回数98回)までの表外漢字で,特に字体表漢字とすべきものを補った。
 なお,「懼」と「倶」,「臘」と「掾vのように既に別字意識(使い分け)の生じていると思われる異体字は別字扱いとする。これは「危倶(きぐ)」の場合には「懼」を使うことがなく,「恐懼(きょうく」の場合には「惧」を使うことがないこと,また「旧臘」の場合には「掾vを使わず,「上掾vの場合には「臘」を使うことがほとんどないという現実の文字認識を優先したためである。

注1:表外漢字字体表試案における検討対象漢字の選定方法

〈集合1〉…次の@〜Bの和集合(@+A+B)

@凸版印刷調査における 頻度順位3201位までの表外漢字集合
A大日本印刷調査における頻度順位2002位までの表外漢字集合
B共同印刷調査における 頻度順位2015位までの表外漢字集合
 ※ @〜Bの調査は『漢字出現頻度数調査』(平成9年)による。

〈集合2〉

「平成2年10月20日の法務省民事局長通達「氏又は名の記載に用いる文字の取扱いに関する通達等の整理について」の「別表2」に掲げる140字」及び「JIS規格「6.6.4過去の規格との互換性を維持するための包摂規準」に掲げる29字」のうち,集合1に含まれない漢字の集合

 上記の「集合1(頻度数による部分)」「集合2(頻度数によらない部分)」を対象範囲とし,「集合1」の中から,主として中国の地名・人名に使われるような漢字で頻度の低いものを外すなど若干の調整を行って対象漢字を確定した。検討の過程では,JIS規格や朝日字体表などの資料も参照した。

注2:  『漢字出現頻度数調査(2)』(平成12年)の「凸版調査」における調査対象書籍データは,凸版印刷が平成9年中(一部の例外を除く。)に作成した組版データを利用したものである。

注3:  :『漢字出現頻度数調査(2)』(平成12年)の「読売調査」の概要は,以下のとおりである。
      調査期間:平成11年7月1日〜8月31日
      対象紙面:東京本社・中部本社管内における上記期間の最終版の朝刊及び夕刊紙面。ただし,テレビ・ラジオ面と広告面は除く。

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