会長あいさつ要旨

　本会は，9月21日の第12回総会において大多数賛成をもって「現代かなづかい」を可決いたしましたが，本日はかねて懸案の漢字の問題について「当用漢字表」ができあがりましたので，御審議を煩わすことになりました。新しい日本の再建に当って，国語国字問題の解決が主要なものであることは，いまさら申しあげるまでもないのでありますが，取りわけて漢字の問題は，かなづかいと並んで最重要な問題であります。
　御承知のようにわが国においては，漢字が複雑かつ無統制に使用されているため，社会生活上少なからぬ不便があり，文化の進展にも大きな妨げとなっているのであって，漢字の制限は1日も早く断行しなければならないと信じます。
　連合国司令部においても，つとにこの問題に深い関心を示しており，この春来朝した米国教育使節団も，とくに言語に関する1部門を設けて，報告書の中に言語改革について触れております。しかしながら，このような問題は，われわれ自身で解決すべきものであると確信します。この点からも，決定のあかつきには極力実行に努力いたさなければならないのであります。
　委員各位には，時局がら御多用中御出席下され，まことにありがとう存じます。なにとぞ問題の重要性にかんがみ，じゅうぶん御審議下さるよう切にお願いいたします。

幹事長庶務報告

　佐藤委員退任，柴沼委員新任