HOME > 国語施策・日本語教育 > 国語施策情報 > 国語審議会(終戦〜改組) > 第17回総会 > 次第
次第 庶務報告/中国の地名・人名の書き方に関する原主査委員長報告
庶務報告(国語課長)
○柏原,佐藤,日高,茅,柴沼,稲田各委員5月末退任
○姉崎委員7月23日死去
主査委員長報告要旨
第15回総会決定事項と主査委員会の成立および任務
@ 総会決定事項 中国の地名・人名の表記については,
(1)根本方針として,カナ書きを認める。
(2)カナ書きの場合,中国現代標準音による。
の両原則に従って,処理する。
A 新しい主査委員会の成立(中国の地名・人名に関する主査委員会)
(1)21名を選挙
(2)21名の委員の性格的分類
(イ)学術的専門家
(ロ)実施的専門家
(ハ)国語一般に関する良識家
B 主査委員会の委嘱された任務
「上述の両原則に従って,現情にそくして実施可能の原案をつくること」と領会してきた。
審議経過
@ 第1回主査委員会3月24日からひきつづき,およそ6回の主査委員会を開催。
A 審議要領
(1) 第1次主査委員会の審議成績を基礎資料とした。
(2) 「カナ書き能力の限界をきめて表記しうる支那語音節表」(倉石委員原案作製)につき。
(イ) 専門語学的要求と
(ロ) 実際的ないし実務的可能性とをつきあわせた第三者的良識による結論をうることに審議の方向を維持した。
(ハ) このような審議のうえに,懇談会開催(5月10日)1回 実務的専門家(5社東亜部代表)との協議会開催(5月12日)1回 5社東亜部長との懇談会開催(6月20日)1回。
以上によってとにかくできあがった成績
専門語学的要求と実際的可能性とをつきあわせた。
第三者的良識による一応の結論,すなわち「中国地名・人名の書き方の表」である。したがって,この表は,主査委員会としては,その委嘱された任務にそって「現情にそくして実施することができる。」と確信するものである。付 希望条件
@ この表の審議作製の任にあってきた主査委員会としては,「現情にそくして実施できること」を確信するのであるが,
A その実施については,前後9回の会議を通じてつねに複雑をきわめた論議,あるいは懸念がつきまとってきたところであって,ことに6月20日の5社東亜部長との懇談会は,特にそのためのものである。
B よって主査委員長は,この案の審議にあずかった前後を通じて感じ得たところと,当用漢字・現代かなづかいの実施情況とにかんがみて,
(イ)この表の実施にあたっては,適当な準備期間をもうけたらどうか。
(ロ)ただし,それは実施の努力をおこたるため,あるいはにげをうつための準備期間ではなくて,できるだけはやい将来において,この実施が円滑に進み,広く社会におこなわれるような,ゆきとどいた具体的努力がつみかさねられるべきものでなければならないのである。
このことは特に行政的機能をもっていて,諸方面にむかって予算をともなう活動であることをねがってやまない。以上,審議経過の報告と希望とを申しのべましたが,総会のもっとも自由なる意志の決定を希望する。