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当用漢字音訓表

 答   申

昭和22年9月29日


文部大臣 森戸 辰男 殿

国語審議会会長 安倍 能成 


 第10回総会および第12回総会の決議にもとづき,調査中でありました義務教育用漢字と当用漢字の音訓の整理については,別冊「当用漢字別表」「当用漢字音訓表」のごとき成案を得ましたので,慎重審議の結果,これを議決いたしました。右答申いたします。

〔別冊〕

当用漢字音訓表

まえがき

1  この表は,当用漢字表の各字について,字音と字訓との整理を行い,今後使用する音訓を示したものである。
1  この表の字音は,漢音・呉音・唐音および慣用音の区別にかかわりなく,現代の社会にひろく使われているものの中から採用した。
1  この表の字訓は,やはり現代の社会にひろく行われているものの中から採用したが,異字同訓はつとめて整理した。
1  音訓の掲げ方は,まず字音をかたかなで,つぎに字訓をひらがなで示した。
  なお,限られたことばにのみ用いられるものには,傍線をつけておいた。

〔使用上の注意事項〕

イ   自動詞にも他動詞にも使われるものについては,おおむねその一方の形のみを掲げてあるが,両様に使ってさしつかえない。

 滅ほろびる→ほろぼす 落おちる→おとす 集あつまる→あつめる
 加くわえる→くわわる 折おる→おれる 染そめる→そまる
ロ   形容詞・形容動詞・動詞の中の二つ以上に使われるものについては,おおむねその中の一つの形のみを掲げてあるが,両様あるいは三様に使ってさしつかえない。

 怪あやしい→あやしむ 楽たのしい→たのしむ 憎にくむ→にくらしい
 確たしか→たしかめる 晴はれる→はれやか 暖あたたかい→あたたか・あたためる 清きよい→きよらか・きよめる
ハ   動詞にも名詞にも使われるものについては,おおむね動詞の形のみを掲げてあるが,名詞に使ってさしつかえない。

 光ひかる→ひかり 祭まつる→まつり 組くむ→くみ 補おぎない→おぎなう 誓ちかう→ちかい 肥こえる→こえ
 ただし,「務つとめ」「氷こおり」「謡うたい」のように,名詞の形のみを掲げてあるものは,動詞には使わない。
ニ   つぎのような熟字は,使ってさしつかえない。
 木き→木立こだち 目め→目深まぶか 金かね→金物かなもの 雨あめ→雨戸あまど・春雨はるさめ 何なに→何時なんどき 十ジュウ→十銭ジッセン 合ゴウ→合併ガッペイ 皇オウ→天皇テンノウ 寸スン→三寸サンズン 発ハツ→出発シュッパツ 夫フ→夫婦フウフ

一部〜人部 心部〜手部 糸部〜耳部
人部〜冫部 手部〜日部 耳部〜艸部
凡部〜十部 日部〜木部 艸部〜見部
十部〜口部 木部〜氏部 見部〜豆部
口部〜士部 氏部〜水部 豕部〜車部
夂部〜宀部 水部〜犬部 車部〜酉部
宀部〜巛部 犬部〜皿部 酉部〜阜部
工部〜彳部 目部〜禾部 阜部〜香部
彳部〜心部 禾部〜糸部 馬部〜歯部

表中の漢字の字体は,常用漢字表に掲げる字体を使用した。

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