国語施策・日本語教育

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平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について



文化庁

 文化庁では,国語施策の参考とするため,平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施している。
 平成18年度は,常用漢字表の認知度など,漢字使用にかかわる一般の人々の意識を中心に調査した。また,例年取り上げている,慣用句等の言い方や,その意味についても調査を実施した。
 報告書は,独立行政法人国立印刷局から市販される。

T.調査目的・方法等

調査目的 情報化時代における漢字使用,慣用句等の意味の理解や使用に関する意識等を調査し,国語施策を進める上での参考とする。

調査対象 全国16歳以上の男女

調査時期 平成19年2月14日〜3月11日

調査方法 個別面接調査

回収結果
アタック総数   3,442人

有効回収数(率)   1,943人(56.4%)


U.調査結果の概要

1.言葉遣いについての関心
どの程度関心があるか <問1>(3ページ
―「関心がある」は,全体で見ると7割台後半。女性だけ見ると約8割―
※は報告書のページを表す。

〔全体〕
 日常の言葉遣いや話し方,あるいは文章の書き方など,言葉や言葉の使い方について,どの程度関心があるかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 「非常に関心がある」と「ある程度関心がある」を合わせた「関心がある(計)」は7割台後半,「全く関心がない」と「余り関心がない」を合わせた「関心がない(計)」は2割強となっている。

関心がある(計) 関心がない(計) 分からない
非常に関心がある ある程度関心がある 余り関心がない 全く関心がない
77.4% 22.2% 0.4%
17.9% 59.5% 18.9% 3.3%

〔性別〕
 性別に見ると以下のとおり。
 「関心がある(計)」は,女性の方が高く,約8割となっている。

  非常に関心がある ある程度関心がある 関心がある(計) 余り関心がない 全く関心がない 関心がない(計) 分からない
男性 17.7% 57.2% 74.8% 21.8% 3.1% 24.9% 0.2%
女性 18.1% 61.5% 79.6% 16.4% 3.4% 19.8% 0.6%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると,以下のとおり。
 「非常に関心ある」は,40代が最も高い。「関心がある(計)」は,16〜19歳,60歳以上では6割台後半であるが,20代〜50代では8割台前半であり,差が大きい。

  非常に関心がある ある程度関心がある 関心がある(計) 余り関心がない 全く関心がない 関心がない(計) 分からない
16〜19歳 11.4% 57.0% 68.4% 29.1% 2.5% 31.6%
20代 14.6% 67.1% 81.7% 16.5% 1.2% 17.7% 0.6%
30代 14.5% 68.2% 82.8% 13.9% 3.4% 17.2%
40代 25.2% 59.7% 84.8% 13.4% 1.0% 14.5% 0.7%
50代 18.6% 63.8% 82.4% 15.4% 2.2% 17.6%
60歳以上 17.5% 52.4% 69.9% 24.2% 5.2% 29.4% 0.7%

どのような点に関心があるか <問1付問>(3ページ)
―20代以下の1位「敬語の使い方」。30代以上の1位「日常の言葉遣いや話し方」―

〔全体〕
 日常の言葉遣いや話し方,あるいは文章の書き方など,言葉や言葉の使い方について「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と答えた人(=「関心がある(計)」)に,どのような点に関心があるかを尋ねた(選択肢の中から三つまで回答)。結果は以下のとおり。半数を超える人が「日常の言葉遣いや話し方」「敬語の使い方」を選択した。

日常の言葉遣いや話し方   ・・・・・   73.7%
敬語の使い方 ・・・・・ 65.5%
文字や表記の仕方あるいは文章の書き方 ・・・・・ 23.3%
言葉の意味・由来やその歴史 ・・・・・ 22.9%
新語・流行語 ・・・・・ 17.6%
発音やアクセント ・・・・・ 15.4%
パソコン・携帯電話などの情報機器が国語に与える影響 ・・・・・ 13.0%
外国語・外来語の使い方 ・・・・・ 11.4%
共通語や方言 ・・・・・ 9.5%
国語の教育や国語に対する対策 ・・・・・ 7.8%
国際化が国語に与える影響 ・・・・・ 4.7%
その他 ・・・・・ 0.6%
分からない ・・・・・ 0.6%

〔性別〕
 性別に見ると以下のとおり。
 半数を超える人が選択した「日常の言葉遣いや話し方」「敬語の使い方」について,性別に見ると,ともに,女性の方が選択した割合が高い。

  男性 女性
日常の言葉遣いや話し方 69.2% 77.4%
敬語の使い方 62.8% 67.7%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると,以下のとおり。
 半数を超える人が選択した「日常の言葉遣いや話し方」「敬語の使い方」について,年齢別に見ると,若い世代では「敬語の使い方」の方が高く,年齢の高い人たちでは「日常の言葉遣いや話し方」の方が高い。

「日常の言葉遣いや話し方」「敬語の使い方」についての関心のグラフ〔年齢別〕

〔過去の調査との比較〕
 過去の調査(平成15年度調査)との比較は以下のとおり。
 半数を超える人が選択した「日常の言葉遣いや話し方」「敬語の使い方」について,平成15年度調査結果と比較すると,「日常の言葉遣いや話し方」と「敬語の使い方」の割合が他の選択肢よりも突出し,半数を超えている点は共通している。

平成15年度調査との比較のグラフ
(注) ただし,「パソコン・携帯電話などの情報機器が国語に与える影響」は,平成15年度調査では「パソコン・ワープロ・携帯電話などの情報機器が国語に与える影響」であった。

2.言葉遣いで困っていること
言葉や言葉の使い方で,困っていることや気になっていること <問2>(8ページ)
―「外来語・外国語の意味」「流行語や新しい言葉の意味」は,特に40代以上で高い―

〔全体・性別〕
 言葉や言葉の使い方に関して,困っていることや気になっていることは何かを尋ねた(選択肢の中から幾つでも回答)。結果を,性別での割合とともに示すと以下のとおり。(「その他」「分からない」は省略)。
 全体では,「外来語・外国語の意味が分からないことがある」「流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある」が4割台前半で,高い。
 性別に見ると,「外来語・外国語の意味が分からないことがある」の割合は,男女差がほとんどない。「特に困っていることや気になっていることはない」の割合は男性の方が高いが,そのほかは,女性の方が高くなっている。

  全体 男性 女性
外来語・外国語の意味が分からないことがある 43.1% 43.0% 43.2%
流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある 42.5% 42.5% 42.4%
辞書を引かなければ書けない漢字がたくさんある 34.2% 31.0% 37.0%
年の離れた人たちが使っている言葉の意味が分からない 22.3% 20.4% 24.0%
読めない漢字にたくさん出会う 20.5% 19.0% 21.8%
人に対する話し方が上手ではない 19.3% 16.8% 21.4%
正しい文章の書き方がよく分からない 19.1% 17.3% 20.7%
新聞を読んでも,難しい言葉が多くて意味がよく分からない 18.6% 13.8% 22.8%
敬語がうまく使えない 18.6% 16.1% 20.7%
送り仮名の付け方が分からない 17.2% 14.9% 19.2%
特に困っていることや気になっていることはない 11.4% 14.5% 8.8%

〔年齢別〕
 年齢別に,以下の四つについて,差が見られた。
 「外来語・外国語の意味が分からないことがある」「流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある」は,年齢が高い人の間で割合が高いという傾向が見られる。「外来語・外国語の意味が分からないことがある」は,40代以上でそれが顕著になり,60歳以上で最も高い。「流行語や新しい言葉の意味が分からないことがある」は,50代が最も高い。「年の離れた人たちの使っている言葉の意味が分からない」は,16〜19歳と60歳以上で,ほか年齢よりも高い。「敬語がうまく使えない」は,年齢が低い人の間で割合が高いという傾向が見られる。

言葉遣いで困っていることのグラフ

3.新聞・雑誌・ウェブニュースを読む頻度
新聞・雑誌・ウェブニュースをどの程度読むか <問3,4,5>(12,16,20ページ)
―新聞は「読む」が8割近く。雑誌・ウェブニュースは「読まない」が半数以上―

〔全体〕
 新聞・雑誌・ウェブニュースをどの程度読むかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 新聞については,「よく読む」と「時々読む」を合わせた「読む(計)」が約8割,「全く読まない」と「余り読まない」を合わせた「読まない(計)」は約2割となっている。雑誌については,「よく読む」と「時々読む」を合わせた「読む(計)」が4割台前半,「全く読まない」と「余り読まない」を合わせた「読まない(計)」は5割台半ばとなっている。
 ウェブニュースについては,「よく読む」と「時々読む」を合わせた「読む(計)」は3割台前半,「全く読まない」と「余り読まない」を合わせた「読まない(計)」は6割台後半となっている。
 新聞は「読む(計)」の方が8割近くと高く,一方,雑誌・ウェブニュースは「読まない」の方が,半数以上と高くなっている。

  よく読む 時々読む 読む(計) 余り読まない 全く読まない 読まない(計) 分からない
新聞 54.8% 24.7% 79.4% 13.3% 7.3% 20.6%
雑誌 11.8% 32.1% 43.9% 36.9% 19.2% 56.1%
ウェブニュース 14.9% 17.1% 32.1% 13.2% 53.7% 66.9% 1.0%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 新聞の場合,「読む(計)」は50代で最も高く(8割台後半),「読まない(計)」は,16〜19歳で最も高い(約5割)。
 雑誌の場合,「読む(計)」は20代で最も高く(6割台半ば),「読まない(計)」は,60歳以上で高い(6割台半ば)。
 ウェブニュースの場合,「読む(計)」は30代で最も高く(約6割),「読まない(計)」は,60歳以上で高い(9割近く)。

新聞
  よく読む 時々読む 読む(計) 余り読まない 全く読まない 読まない(計) 分からない
16〜19歳 16.5% 34.2% 50.6% 31.6% 17.7% 49.4%
20代 22.6% 31.1% 53.7% 28.7% 17.7% 46.3%
30代 39.5% 34.5% 74.0% 17.2% 8.8% 26.0%
40代 54.5% 31.4% 85.9% 11.0% 3.1% 14.1%
50代 65.4% 22.2% 87.6% 9.7% 2.7% 12.4%
60歳以上 66.8% 16.9% 83.7% 9.1% 7.1% 16.3%

雑誌
  よく読む 時々読む 読む(計) 余り読まない 全く読まない 読まない(計) 分からない
16〜19歳 19.0% 30.4% 49.4% 36.7% 13.9% 50.6%
20代 20.7% 44.5% 65.2% 22.6% 12.2% 34.8%
30代 13.2% 40.5% 53.7% 34.1% 12.2% 46.3%
40代 14.8% 34.1% 49.0% 40.3% 10.7% 51.0%
50代 8.6% 33.0% 41.6% 39.5% 18.9% 58.4%
60歳以上 8.9% 25.0% 33.9% 38.4% 27.7% 66.1%

ウェブニュース
  よく読む 時々読む 読む(計) 余り読まない 全く読まない 読まない(計) 分からない
16〜19歳 19.0% 30.4% 49.4% 20.3% 30.4% 50.6%
20代 28.0% 28.7% 56.7% 22.0% 21.3% 43.3%
30代 31.8% 29.4% 61.1% 14.2% 24.7% 38.9%
40代 21.0% 22.8% 43.8% 19.0% 36.6% 55.5% 0.7%
50代 13.5% 17.0% 30.5% 14.9% 53.8% 68.6% 0.8%
60歳以上 3.2% 6.2% 9.4% 7.0% 81.6% 88.6% 2.0%

新聞・雑誌・ウェブニュースで使われている漢字を難しいと思うか <問3,4,5付問>(12,16,20ページ)
―いずれも「特に何とも思わない」が7割台。新聞では「難しいと思う」も約2割―

〔全体〕
 新聞・雑誌・ウェブニュースのそれぞれについて,「よく読む」「時々読む」と答えた人(=「読む(計)」)に,そこに使われている漢字は難しいと思うかどうかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 新聞・雑誌・ウェブニュースのいずれも,「特に何とも思わない」が7割台であった。ただし,新聞では「難しいと思う」も約2割となっている。

新聞・雑誌・ウェブニュースで使われている漢字を難しいと思うかのグラフ

4.漢字を習得する上で役に立ったこと
漢字習得の上で,どのようなことが役に立ったか <問6>(24ページ)
―「何度も手で書くこと」「辞書を小まめに引くこと」が上位だが,平成14年度調査よりは減少―

〔全体〕
 漢字を習得する上で,どのようなことが役に立ったかを尋ねた(選択肢の中から三つまで回答)。結果は以下のとおり。(「その他」「何もない」「分からない」は省略。)

何度も手で書くこと   ・・・・・   68.7%
辞書(電子辞書,インターネット上の辞書を含む。)を小まめに引くこと ・・・・・ 50.9%
ワープロ,パソコンの漢字変換 ・・・・・ 18.0%
部首やつくり,漢字の構造について説明を受けること ・・・・・ 15.4%
漢文を読むこと ・・・・・ 14.5%
振り仮名(ルビ)の多く付いた文章を読むこと ・・・・・ 14.2%
振り仮名(ルビ)の付いていない文章を読むこと ・・・・・ 13.9%

〔年齢別〕
 上位四つについて,年齢別に見ると以下のとおり。
 「何度も手で書くこと」は,30代,40代で高く(7割台後半から約8割),60歳以上で最も低い(約6割)。「辞書(電子辞書,インターネット上の辞書を含む。)を小まめに引くこと」は,40代,50代で高く(5割台後半),16〜19歳及び20代で低い(3割台後半)。

漢字を習得する上で役に立ったことのグラフ〔年齢別〕

〔過去の調査との比較〕
 上位四つについて,過去の調査との比較は以下のとおり。
 平成14年度調査と比較すると,「何度も手で書くこと」と「辞書(電子辞書,インターネット上の辞書を含む。)を小まめに引くこと」の割合が突出して高いことは共通しているが,割合は6〜16ポイント減少している。同様に,「部首やつくり,漢字の構造について説明を受けること」の割合は7ポイント減少している。一方,「ワープロ,パソコンの漢字変換」は6ポイント増加している。

過去の調査との比較のグラフ
(注) 「辞書(電子辞書,インターネット上の辞書を含む。)を小まめに引くこと」は,平成14年度調査では「辞書を小まめに引くこと」であった。

5.漢字が書けないときの調べる手段
漢字が書けないときに,どのような手段で調べるか <問7>(27ページ)
―全体では「本の形になっている辞書」が約6割。30代以下では,携帯電話の漢字変換も高い割合―

〔全体・性別〕
 漢字を手書きで書こうとして書けないときに,調べる手段は何かを尋ねた(選択肢の中から幾つでも回答)。結果の中から,上位五つについて,性別での割合とともに示すと以下のとおり。
 全体では,「本の形になっている辞書」が約6割で最も高く,「携帯電話の漢字変換」が3割台半ば,「ワープロ,パソコンの漢字変換」が2割強,「電子辞書」が約2割,「インターネット上の辞書」が約1割と続く。
 性別で見ると,女性で「携帯電話の漢字変換」が約4割と,高くなっている。

  全体 男性 女性
本の形になっている辞書 60.6% 59.4% 61.7%
携帯電話の漢字変換 35.3% 28.9% 40.8%
ワープロ,パソコンの漢字変換 21.3% 29.9% 13.9%
電子辞書 19.4% 20.8% 18.2%
インターネット上の辞書 10.1% 14.5% 6.4%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 「本の形になっている辞書」は,年齢が高くなるとともに割合が高くなり,50代以上では約7割となっている。「電子辞書」は,16〜19歳で特に高い(5割近く)。「インターネット上の辞書」は,30代で最も高い(2割強)。「携帯電話の漢字変換」は20代で特に高い(約8割)。ワープロ,パソコンの漢字変換は,30代,40代で高い(3割台半ば)。

漢字が書けないときの調べる手段のグラフ〔年齢別〕1

漢字が書けないときの調べる手段のグラフ〔年齢別〕2


6.常用漢字表の認知度
常用漢字表があることを知っているか <問8>(30ページ)
―「知っている」が半数を超える―

〔全体〕
 「常用漢字表」を知っているかどうかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 「知っている」が5割強,「知らない」が4割台半ばとなっており,「常用漢字表」を知っている人の方が多い。

常用漢字表の認知度のグラフ

常用漢字を気にするか <問8付問>(30ページ)
―全体では,「気にする(計)」が約4割―

〔全体〕
 「常用漢字表」を知っているかどうかについて「知っている」と答えた人に,日常生活で文字を書く場合に常用漢字を気にするかどうかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 「気にする」と「やや気にする」を合わせた「気にする(計)」は約4割,「気にしない」と「余り気にしない」を合わせた「気にしない(計)」は約6割となっている。

気にする(計) 気にしない(計) 分からない
気にする やや気にする 余り気にしない 気にしない
39.6% 60.3% 0.1%
19.2% 20.4% 37.6% 22.8%

〔性別〕
 性別に見ると以下のとおり。
 「気にする(計)」は女性の方が高く,「気にしない(計)」は男性の方が高い。
  気にする やや気にする 気にする(計) 余り気にしない 気にしない 気にしない(計) 分からない
男性 16.1% 18.3% 34.4% 38.3% 27.2% 65.4% 0.2%
女性 22.5% 22.7% 45.1% 36.8% 18.1% 54.9%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 20代で「気にしない(計)」が最も高い(7割台半ば)。

  気にする やや気にする 気にする(計) 余り気にしない 気にしない 気にしない(計) 分からない
16〜19歳 16.0% 16.0% 32.0% 48.0% 20.0% 68.0%
20代 10.5% 14.0% 24.6% 49.1% 26.3% 75.4%
30代 10.9% 24.5% 35.4% 40.1% 24.5% 64.6%
40代 13.8% 24.3% 38.1% 39.8% 22.1% 61.9%
50代 21.6% 21.1% 42.7% 34.3% 23.0% 57.3%
60歳以上 25.2% 17.7% 42.9% 34.9% 22.0% 56.8% 0.3%

7.常用漢字の読み書きについての考え方
常用漢字表についての考え方としてどちらに近い考え方か <問10>(42ページ)
―「読めて書けるようにすることが望ましい」が,「読めるだけで書けなくてもよい」よりも,やや多い―

〔全体〕
 「常用漢字表」について,次の二つの考え方のどちらに近いかを尋ねた。

A   すべての常用漢字を,読めて書けるようにすることが望ましい
B   一部の常用漢字については,読めるだけで書けなくてもよい

 結果は以下のとおり。
 Aの考えに近いと答えた人(4割台半ば)の方が,Bの考えに近いと答えた人(約4割)よりも,やや多い。「どちらとも言えない」は約1割であった

常用漢字の読み書きについての考え方のグラフ

〔性・年齢別〕
 性・年齢別に見ると以下のとおり(「分からない」は省略)。
 Aの考えに近いと答えた人は,16〜19歳,40代で高い(約5割)。Bの考えに近いと答えた人は,50代で最も高い(4割台半ば)。

  Aの考えに近い Bの考えに近い どちらともいえない
男性 女性 男性 女性 男性 女性
16〜19歳 50.0% 48.8% 47.2% 39.5% 2.8% 11.6%
20代 41.3% 50.0% 42.5% 40.5% 15.0% 9.5%
30代 47.9% 48.1% 41.4% 40.4% 10.7% 10.9%
40代 41.7% 53.7% 50.4% 33.1% 7.0% 12.0%
50代 49.4% 45.6% 44.6% 45.1% 4.8% 9.3%
60歳以上 51.3% 39.3% 37.5% 39.5% 9.0% 14.5%

〔ほかの問いとのクロス集計別〕
 ほかの問いでの結果と合わせてみると,以下の違いが見られた。
 「言葉遣いの関心」別に見ると,「関心がある(計)」と答えた人の方が,「関心がない(計)」と答えた人よりも,Aの考えに近いと答えた人の割合が高い。「新聞を読む程度」別に見ると,「読む(計)」と答えた人の方が,「読まない(計)」と答えた人よりも,Aの考えに近いと答えた人の割合が高い。「ワープロ・パソコンの使用状況」別に見ると,「今,使っている(計)」と答えた人の方が,「今,使っていない(計)」と答えた人よりも,Aの考えに近いと答えた人の割合が高い。

  Aの考えに近い Bの考えに近い どちらともいえない
言葉遣いへの関心 関心がある(計) 50.9% 39.5% 9.0%
関心がない(計) 32.7% 45.5% 15.3%
新聞を読む頻度 読む(計) 48.5% 41.0% 9.5%
読まない(計) 40.0% 40.0% 14.0%
ワープロ・パソコンの使用 今,使っている(計) 51.7% 40.4% 7.6%
今,使っていない(計) 42.1% 41.1% 13.2%

8.漢字の使用頻度に関する意識
ある漢字が,どの程度使われていると思うか <問11>(45ページ)
―常用漢字「遵,勺,逓」は「使われていないと思う」が約6割から6割強。表外漢字「誰,奈,頃,阪,岡」は「使われていると思う」が9割以上―

〔全体〕
 12の漢字(常用漢字6字,常用漢字表に入っていない漢字(表外漢字)6字)について,日常生活でどの程度使われていると思うかを尋ねた。結果を,常用漢字の場合と表外漢字の場合とに分けて示すと,以下のとおりである(「分からない」は省略)。

常用漢字 (1)遵,(2)勺,(5)逓,(6)弐,(9)厘,(12)謄
   「遵」「勺」「逓」は,「よく使われていると思う」「時々使われていると思う」を合わせると3割台半ば,「余り使われていないと思う」「全く使われていないと思う」を合わせると約6割となっている。「弐」「厘」「謄」は,「よく使われていると思う」「時々使われていると思う」が6割台半ばから6割台後半で,「余り使われていないと思う」「全く使われていないと思う」が約3割から3割強となっている。

常用漢字の使用頻度に関する意識

表外漢字 (3)誰,(4)奈,(7)頃,(8)阪,(10)痕,(11)岡
   「誰」「奈」「頃」「阪」「岡」は,「よく使われていると思う」だけで8〜9割である。一方,「余り使われていないと思う」「全く使われていないと思う」を合わせても,1割に満たない。「痕」は,「よく使われていると思う」「時々使われていると思う」を合わせると6割台半ばである。「余り使われていないと思う」「全く使われていないと思う」を合わせると3割強となっている。

表外漢字の使用頻度に関する意識


9.表記の仕方(手書きの場合とパソコン・ワープロ等の場合)
仮名で書くか,漢字で書くか <問12>(59ページ)
―手書きでは「憂うつ」,ワープロ・パソコン等では「憂鬱」が多い。―

〔全体〕
 六つの例文を挙げて,(a)「手書きの場合」,(b)「パソコン・ワープロ等(携帯電話なども含む。)を使って書く場合」のそれぞれについて,平仮名で表記するか漢字で表記するかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 (1)「応」,(3)「関」は,「常用漢字表」に入っている漢字であるが,「常用漢字表」の中では,「応」の訓としての「こたえる」,「関」の訓としての「かかわる」は示されていない。(2)「璧」,(4)「鍋」,(5)「鬱」,(6)「鶴」は,常用漢字表に入っていない漢字(表外漢字)である。
 共通して見られる特徴は,平易な漢字であっても,(a)「手書きの場合」よりも,(b)「パソコン・ワープロ等(携帯電話なども含む。)を使って書く場合」の方が漢字で表記する人の割合が高くなっていることである。

  仮名で書く 漢字で書く どちらも同じ頻度で書く
(1) みなさんの期待にコタえたいと思います
(こた/応)
(a) 手書き
31.1% 56.7% 9.8%
(b) ワープロ・パソコン等
9.7% 85.1% 4.7%
(2) すべてにおいて完ペキな人はいない
(ぺき/璧)
(a) 手書き
24.7% 66.6% 6.2%
(b) ワープロ・パソコン等
5.0% 93.2% 1.4%
(3) この仕事にカカワった人はたくさんいる
(かかわ/関)
(a) 手書き
25.4% 65.3% 6.8%
(b) ワープロ・パソコン等
7.6% 89.9% 2.1%
(4) 今日は寄せナベにしよう
(なべ/鍋)
(a) 手書き
11.5% 82.4% 4.6%
(b) ワープロ・パソコン等
1.9% 96.2% 1.6%
(5) 最近は憂ウツになることが多い
(うつ/鬱)
(a) 手書き
78.9% 14.2% 4.8%
(b) ワープロ・パソコン等
22.9% 71.5% 5.2%
(6) 今年もツルが渡ってきた
(つる/鶴)
(a) 手書き
9.3% 84.7% 4.5%
(b) ワープロ・パソコン等
1.3% 96.4% 2.1%

10.パソコン・ワープロによる文書作成
文書作成のためにパソコン・ワープロなどの情報機器を使っているか <問13>(67ページ)
―現在使っている人と,使っていない人との割合は,50代を境に逆転―

〔全体〕
 ふだん,文書作成のために,ワープロやパソコンをどの程度使っているかを尋ねた。結果は以下のとおり(「分からない」は省略)。

今,使っている(計)
48.9%
よく使っている・・・・・30.4%
時々使っている・・・・・18.5%
今,使っていない(計)
50.6%
以前使ったことがあるが,
今は使っていない
・・・・・8.2%
全く使ったことがない・・・・・42.4%
使ったことがある(計)
57.2%
〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 「今,使っている(計)」「使ったことがある(計)」は,20代を頂点に,年齢が高くなるとともに割合が下がる。中でも,60歳以上では,「今,使っている(計)」「使ったことがある(計)」はともに,2割台と低くなる。
 「今,使っていない(計)」は,20代が約2割と最も低く,30代以降,年齢が高くなるとともに高くなる。中でも60歳以上では「今,使っていない(計)」の割合が高く,7割台後半となっている。

文書作成のために,ワープロやパソコンをどの程度使っているかのグラフ〔年齢別〕

手書きにするか情報機器で打ち出すか <問13付問>(67ページ)
―「恩師への手紙」は約7割が「手書き」。「仕事上の手紙」「仕事以外の文書」は7割近くが「情報機器」―

〔全体〕
 ふだん,文書作成のために,ワープロやパソコンをどの程度使っているかについて「よく使っている」「時々使っている」と答えた人(=「今,使っている(計)」)に,文書を作成する四つの場合を示し,それぞれの場合に手書きにするか,情報機器で打ち出すかを尋ねた。結果は以下のとおり。
 (1)「恩師に手紙を出す場合」では,約7割が「手書きにする」と答えた。(2)「年賀状のあて名の場合」では,「手書きにする」が3割台後半,「情報機器で打ち出す」が6割弱。(3)「仕事上の手紙を出す場合」,(4)「仕事以外の文書を作成する場合」では,7割近くが「情報機器で打ち出す」と答えた。

文書作成のために,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 (1)「恩師に手紙を出す場合」では,「手書きにする」が,いずれの年代でも最も高い割合を占めている。割合が最も低いのは50代(65.6%)であるが,それでも「情報機器で打ち出す」よりも40ポイント以上高くなっている。(2)「年賀状のあて名の場合」では,16〜19歳,20代では「手書きにする」が最も高く,30代以上では「情報機器で打ち出す」が最も高い。(3)「仕事上の手紙を出す場合」,(4)「仕事以外の文書を作成する場合」では,いずれの年代も「情報機器で打ち出す」が最も高い。

恩師に手紙を出す場合,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ〔年齢別〕

年賀状のあて名の場合,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ〔年齢別〕

仕事上の手紙を出す場合,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ〔年齢別〕 仕事以外の文書を作成する場合,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ〔年齢別〕

ワープロ・パソコンによる文書作成についての感想 <問13付問>(68ページ)
―平成7年度調査と比べ,「漢字の書き方を忘れることが多くなった」が増加し半数を超える―

〔全体〕
 ふだん,文書作成のために,ワープロやパソコンをどの程度使っているかについて「よく使っている」「時々使っている」「以前使ったことがあるが,今は使っていない」と答えた人(=「使ったことがある(計)」)に,どのような感想を持っているかを尋ねた(選択肢の中から三つまで回答)。結果は以下のとおり。

漢字の書き方を忘れることが多くなった   ・・・・・   50.8%
文章の中で漢字を多く使うようになった ・・・・・ 42.9%
視力を使うので,疲労しやすい ・・・・・ 39.8%
文章が速く作れるようになった ・・・・・ 38.9%
文章が書きやすくなった ・・・・・ 33.4%
発音やアクセント ・・・・・ 24.5%
文章を作るのに時間が掛かるようになった ・・・・・ 9.8%
文章が上手になった ・・・・・ 7.5%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると,以下の三つの項目について,差が見られた。
 「文章の中で漢字を使うようになった」「漢字の知識が増えた」は,16〜19歳で,他の年齢よりも高くなっている。「漢字の書き方を忘れることが多くなった」は,20代から40代で高く,中でも40代が約6割と最も高い。

文書作成のために,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ

〔過去の調査との比較〕
 全体での結果の上位三つについて,平成7年度調査結果と比較すると,「漢字の書き方を忘れることが多くなった」の割合が12ポイント増加,「文章の中で漢字を多く使うようになった」が4ポイント増加している。一方,「視力を使うので,疲労しやすい」の割合は9ポイント減少している。

文書作成のために,手書きにするか情報機器で打ち出すかのグラフ

11.漢字の多用傾向に対する考え
ワープロやパソコンの普及による漢字の多用傾向についてどう考えるか <問14>(79ページ)
―全体では「必要以上に漢字を多く使うのは望ましくない」がやや多いが,20代以下では「漢字をどんどん使っていくことは望ましい」が5割超―

〔全体,過去の調査との比較〕
 ワープロやパソコンの普及によって簡単に漢字が打ち出せるために,最近の文書では漢字を多く使う傾向が目立つという指摘がある。このことについて,次の二つの考え方のどちらに近いかを尋ねた。

(ア) ワープロなどによって漢字が簡単に打ち出せるのだから,漢字をどんどん使っていくことは望ましい
(イ) ワープロなどで漢字が簡単に打ち出せるからといって,必要以上に漢字を多く使うのは望ましくない

 結果を,過去の調査(平成10年度調査)とともに示すと以下のとおり。
 (ア)の「ワープロなどによって漢字が簡単に打ち出せるのだから,漢字をどんどん使っていくことは望ましい」に近いと答えた人は4割強,(イ)の「ワープロなどで漢字が簡単に打ち出せるからといって,必要以上に漢字を多く使うのは望ましくない」に近いと答えた人が4割台半ばとなった。
 平成10年度調査結果と比較すると,大きな変化は見られない。

漢字の多用傾向に対する考えのグラフ

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 (ア)「ワープロなどによって漢字が簡単に打ち出せるのだから,漢字をどんどん使っていくことは望ましい」に近いと答えた人は,16〜19歳,20代で5割を超えた。

  (ア)の考えに近い (イ)の考えに近い 分からない
16〜19歳 55.7% 39.2% 5.1%
20代 53.7% 42.7% 3.7%
30代 47.0% 45.6% 7.4%
40代 47.6% 48.3% 4.1%
50代 43.8% 47.8% 8.4%
60歳以上 32.7% 43.4% 23.9%

 なお,性・年齢別に見ると,16〜19歳で,「(ア)の考えに近い」は男性38.9%,女性69.8%,「(イ)の考えに近い」が,男性52.8%,女性27.9%となっており,男女間の差が目立つ。

12.言葉の言い方
(1)から(6)の内容を表現するとき,どちらの言い方を使うか <問16>(85ページ)
―本来の言い方「上を下への大騒ぎ」,「熱にうかされる」は少数派―

〔全体〕
 二つの言い方のどちらを使うか,五つの例を挙げて尋ねた。結果は以下のとおり。(本来の言い方とされるものに下線を付けた。)
 本来の言い方を使うと答えた人は,(1)では2割強,(5)では3割台半ばとなっており,本来の言い方をする人の方が少ない。

(1) 「混乱したさま」を
 
(a)上や下への大騒ぎ   ・・・・・   58.8%
(b)上を下への大騒ぎ ・・・・・ 21.3%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・ 2.5%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・ 12.9%
分からない ・・・・・ 4.5%

(2) 「前言に反したことを,すぐに言ったり,行ったりするさま」を
 
(a)舌の根の乾かぬうちに   ・・・・・   53.2%
(b)舌の先の乾かぬうちに ・・・・・ 28.1%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・ 2.2%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・ 12.0%
分からない ・・・・・ 4.5%

(3) 「そんなに思いどおりになるものではないこと」を
 
(a)そうは問屋が許さない   ・・・・・   23.5%
(b)そうは問屋が卸さない ・・・・・ 67.7%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・ 1.9%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・ 4.4%
分からない ・・・・・ 2.6%

(4) 「差し出て振る舞うものは他から制裁されること」を
 
(a)出るくいは打たれる   ・・・・・   73.1%
(b)出るくぎは打たれる ・・・・・ 19.0%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・ 2.5%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・ 3.0%
分からない ・・・・・ 2.4%

(5) 「夢中になって見境がなくなること」を
 
(a)熱にうなされる   ・・・・・   48.3%
(b)熱にうかされる ・・・・・ 35.6%
(a)と(b)の両方とも使う ・・・・・ 1.9%
(a)と(b)のどちらも使わない ・・・・・ 10.5%
分からない ・・・・・ 3.7%

〔性別〕
 性別に見ると以下のとおり。
 (1),(2),(4)は男女間で大きな差は見られない。
 (3)は,男性の方で,本来の言い方である(b)「そうは問屋が卸さない」が高くなっている。
 (5)は,男性の方で,本来の言い方ではない(a)「熱にうなされる」が高くなっている。

  (a) (b) (a)と(b)の両方とも
使う
(a)と(b)のどちらも
使わない
(1) (a)上や下への大騒ぎ
(b)上を下への大騒ぎ
男性 60.9% 21.4% 2.9% 11.4%
女性 57.0% 21.2% 2.2% 14.2%
(2) (a)舌の根の乾かぬうちに
(b)舌の先の乾かぬうちに
男性 54.9% 28.4% 2.2% 10.9%
女性 51.7% 27.8% 2.1% 13.1%
(3) (a)そうは問屋が許さない
(b)そうは問屋が卸さない
男性 21.1% 71.3% 2.3% 3.6%
女性 25.5% 64.6% 1.4% 5.1%
(4) (a)出る杭は打たれる
(b)出る釘くぎは打たれる
男性 74.7% 18.1% 3.2% 2.5%
女性 71.7% 19.7% 1.9% 3.4%
(5) (a)熱にうなされる
(b)熱にうかされる
男性 52.0% 32.7% 1.8% 10.7%
女性 45.2% 38.1% 2.0% 10.3%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 (1)では,16〜19歳で「(a)と(b)のどちらも使わない」が4割強になっている。この割合は年齢が高くなるとともに下がり,50代と60歳以上では1割に満たない。また,本来の言い方ではない(b)「上や下への大騒ぎ」はほぼ年齢が高くなるとともに高くなり30代以上では5割を超え,60歳以上では6割台半ばに達する。
 (2)では,16〜19歳で「(a)と(b)のどちらも使わない」が3割台半ばになっている。この割合は年齢が高くなるとともに下がり,50代と60歳以上では1割に満たない。また,本来の言い方である(a)「舌の根の乾かぬうちに」は年齢が高くなるとともに高くなり,40代では6割台半ばに達する。(50代,60歳以上では,5割台前半から5割台半ば)。本来の言い方ではない(b)「舌の先の乾かぬうちに」は,16〜19歳,50代,60歳以上で3割台となっている。

「混乱したさま」の言い方のグラフ〔年齢別〕

「前言に反したことを,すぐに言ったり,行ったりするさま」の言い方のグラフ〔年齢別〕

 (3)では,16〜19歳で「(a)と(b)のどちらも使わない」が16〜19歳で約2割であるが,30代以上では1割に満たない。30代,40代では,本来の言い方である(b)「そうは問屋が卸さない」は7割台前半と高い。本来の言い方ではない(a)「そうは問屋が許さない」は50代,60歳以上で2割台後半と高い。
 (4)では,20代で,本来の言い方である(a)「出るくいは打たれる」が8割台後半と最も高く,本来の言い方ではない(b)「出るくぎは打たれる」が最も低い。60歳以上で本来の言い方である(a)「出るくいは打たれる」が6割台前半と最も低く,本来の言い方ではない(b)「出るくぎは打たれる」が3割弱と最も高い。

「そんなに思いどおりになるものではないこと」の言い方のグラフ〔年齢別〕

「差し出て振る舞うものは他から制裁されること」の言い方のグラフ〔年齢別〕

 (5)では,40代で,本来の言い方である(b)「熱にうかされる」と本来の言い方ではない(a)「熱にうなされる」がほぼ同じ割合になっているが,それ以外の年代では,本来の言い方ではない(a)「熱にうなされる」の方が高くなっている。60歳以上では,本来の言い方ではない(a)「熱にうなされる」が5割強と最も高く,本来の言い方である(b)「熱にうかされる」との差も最も大きい。

「夢中になって見境がなくなること」の言い方のグラフ〔年齢別〕

13.慣用句等の意味
どちらの意味だと思うか <問17>(92ページ)
―「流れにさおさす」は,すべての年代で本来とは逆の意味が多い―

 五つの言い方を挙げて,どの意味で使っているかを尋ねた。(本来の意味とされるものに下線を付けた。)結果は以下のとおり。

(1)役不足
〔全体〕
 全体で見ると以下のとおり。
 本来の意味である(イ)「本人の力量に対して役目が軽すぎること」と答えた人が約4割,本来の意味ではない(ア)「本人の力量に対して役目が重すぎること」と答えた人が約5割となった。

役不足 例文:彼には役不足の仕事だ。
(ア)本人の力量に対して役目が重すぎること   ・・・・・   50.3%
(イ)本人の力量に対して役目が軽すぎること ・・・・・ 40.3%
(ア)と(イ)の両方 ・・・・・ 2.9%
(ア)と(イ)とは全く別の意味 ・・・・・ 0.3%
分からない ・・・・・ 6.2%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 16〜19歳,20代,40代では,本来の意味である(イ)と,本来の意味ではない(ア)とに大きな差は見られない。しかし,30代,50代,60歳以上で,本来の意味ではない(ア)の方が高い割合となっている。

「役不足」の意味のグラフ〔年齢別〕

〔過去の調査との比較〕
 過去の調査結果と比較すると,以下のとおり。
 平成14年度調査と比較すると,本来の意味である(イ)の割合は13ポイント増加し,本来の意味ではない(ア)は13ポイント減少した。
 その結果,平成14年度調査では(ア)と(イ)との差は35ポイント差であったが,今回の調査では10ポイント差に縮まっている。

「役不足」の意味のグラフ〔過去の調査との比較〕

(2)流れにさおさす
〔全体〕
 全体で見ると以下のとおり。
 本来の意味である(イ)「傾向に乗って,勢いを増す行為をすること」と答えた人が1割台後半,本来の意味ではない(ア)「傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること」と答えた人が6割強となった。

流れにさおさす 例文:その発言は流れに棹さすものだ。
(ア)傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること   ・・・・・   62.2%
(イ)傾向に乗って,勢いを増す行為をすること ・・・・・ 17.5%
(ア)と(イ)の両方 ・・・・・ 1.5%
(ア)と(イ)とは全く別の意味 ・・・・・ 0.3%
分からない ・・・・・ 18.5%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 いずれの年代でも,本来の意味ではない(ア)の割合が高く,最も高い50代で6割台後半,最も低い60歳以上でも5割台後半となっている

「流れに棹さす」の意味のグラフ〔年齢別〕

〔過去の調査との比較〕
 過去の調査結果と比較すると,以下のとおり。
 平成14年度調査と比較すると,本来の意味である(イ)の割合は5ポイント増加し,本来の意味ではない(ア)の割合は1ポイント減少した。

「流れに棹さす」の意味のグラフ〔過去の調査との比較〕

(3)気が置けない
〔全体〕
 全体で見ると以下のとおり。
 本来の意味である(ア)「相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと」と答えた人が4割強,本来の意味ではない(イ)「相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと」と答えた人が5割近くとなった。

気が置けない 例文:その人は気が置けない人ですね。
(ア)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと   ・・・・・   42.4%
(イ)相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと ・・・・・ 48.2%
(ア)と(イ)の両方 ・・・・・ 1.4%
(ア)と(イ)とは全く別の意味 ・・・・・ 1.4%
分からない ・・・・・ 6.7%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 16〜19歳から50代までは,本来の意味ではない(イ)の割合の方が,本来の意味である(ア)の割合よりも高い。なかでも,16〜19歳では,(ア)と(イ)の差が大きく,30ポイントの開きがある。
 60歳以上では,本来の意味である(ア)の方が高くなるが,本来の意味ではない(イ)との差は,2ポイントにすぎない。

「気が置けない」の意味のグラフ〔年齢別〕

〔過去の調査との比較〕
 過去の調査結果と比較すると,以下のとおり。
 平成14年度調査と比較すると,本来の意味である(ア)の割合は2ポイント減少し,本来の意味ではない(イ)は8ポイント増加した。

「気が置けない」の意味のグラフ〔過去の調査との比較〕

(4)ぞっとしない
〔全体〕
 全体で見ると以下のとおり。
 本来の意味である(ア)「面白くない」と答えた人が約3割,本来の意味ではない(イ)「恐ろしくない」と答えた人が5割台半ばとなった。

ぞっとしない 例文:今の映画は,余りぞっとしないものだった。
(ア)面白くない   ・・・・・   31.3%
(イ)恐ろしくない ・・・・・ 54.1%
(ア)と(イ)の両方 ・・・・・ 2.4%
(ア)と(イ)とは全く別の意味 ・・・・・ 2.4%
分からない ・・・・・ 9.8%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 すべての年代において,本来の意味ではない(イ)の割合の方が,本来の意味である(ア)の割合よりも高い。なかでも,16〜19歳では,(ア)と(イ)の差が大きく,67ポイントの開きがある。
 (ア)と(イ)の開きは,年齢が高くなるとともに小さくなり,60歳以上では,5ポイント差となる。
 また,60歳以上では,「分からない」の割合も高くなり約1割台半ばに上る。

「ぞっとしない」の意味のグラフ〔年齢別〕

(5)やおら
〔全体〕
 全体で見ると以下のとおり。
本来の意味である(イ)「ゆっくりと」と答えた人が約4割,本来の意味ではない(ア)「急に,いきなり」と答えた人が4割強となった。

やおら 例文:彼はやおら立ち上がった。
(ア)急に,いきなり   ・・・・・   43.7%
(イ)ゆっくりと ・・・・・ 40.5%
(ア)と(イ)の両方 ・・・・・ 1.1%
(ア)と(イ)とは全く別の意味 ・・・・・ 0.3%
分からない ・・・・・ 14.4%

〔年齢別〕
 年齢別に見ると以下のとおり。
 16〜19歳から50代までは,本来の意味ではない(ア)の割合の方が,本来の意味である(イ)の割合よりも高い。16〜19歳では,(ア)と(イ)の差が大きく,24ポイントの開きがある。50代では(ア)と(イ)の差は小さくなり,1ポイント差となっている。
 60歳以上では,本来の意味である(ア)の方が高くなり,本来の意味ではない(イ)との差は,13ポイント差となっている。

「やおら」の意味のグラフ〔年齢別〕


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