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文化庁月報
平成23年10月号(No.517)

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イベント案内

奈良国立博物館
第63回 正倉院展別ウィンドウが開きます

会期:平成23年10月29日(土)〜11月14日(月)
会場:東新館・西新館

 正倉院展は9,000件にも及ぶと言われる正倉院宝物の中から60点ほどの宝物を選び,公開する展覧会です。正倉院宝物の全容がわかるよう,さまざまな宝物が選ばれていますが,今回は次に述べるようなテーマがあります。

 一つは東大寺金堂鎮壇具(ちんだんぐ)との関連をうかがわせる宝物です。約百年前に大仏の蓮弁(れんべん)下から発見された金堂鎮壇具中の大刀に,「陰剣」「陽剣」の銘があることが昨年わかりました。これは正倉院宝庫から奈良時代に持ちだされ,その後行方のわからなかった「陰宝剣」「陽宝剣」にあたるのではないかと話題を集めました。展示では,この二つの大刀が出蔵した時の記録である出蔵帳(しゅつぞうちょう)のほか,聖武天皇遺愛の大刀である金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんそうのからたち)【写真1】が出品されます。

【写真1】金銀鈿荘唐大刀

【写真1】金銀鈿荘唐大刀

【写真2】黄熟香

【写真2】黄熟香

 二つ目は香に関わる宝物です。香は仏教において仏や僧侶を供養するのに用いられる必需品です。今回出陳される黄熟香(おうじゅくこう)【写真2】は沈香の大材で,成分分析の結果,ラオス中部からベトナムにかけての山岳地帯で産出したことがわかっています。この品は「蘭奢待(らんじゃたい)」の名で著名ですが,足利義政や織田信長など中世から近世にかけ,天下人が切り取って拝領することが行われました。

【写真3】紅牙撥鏤尺

【写真3】紅牙撥鏤尺

 三つ目は染織技術に関する宝物が多いことです。奈良時代の染めの技術には,夾纈(きょうけち)(板締め染め),臈纈(ろうけち)(ろうけつ染め),纐纈(こうけち)(絞り染め)の三種類があります。今回は臈纈染めと纐纈染めを用いた宝物が多く,近年紅花を用いたことが明らかになった品も展示されます。

 このほか,奈良時代の東大寺の寺域を描いた東大寺山堺四至図(とうだいじさんがいししず),聖武天皇の袈裟である七条織成樹皮色袈裟(しちじょうしょくせいじゅひしょくのけさ),鹿を追う虎を描く珍しい図様の尺・紅牙撥鏤尺(こうげばちるのしゃく)【写真3】,相模国(現在の神奈川県)で作製されたことがわかる伎楽面(ぎがくめん)酔胡王(すいこおう),正倉院の鏡で一番重い十二支八卦背円鏡(じゅうにしはっけはいのえんきょう)など,見のがせない宝物が出品されます。

(学芸部長補佐 内藤栄)

奈良国立博物館

〒630-8213  奈良県奈良市登大路町50番地

お問い合わせ
050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
交通
近鉄奈良駅下車 登大路町を東へ徒歩約15分
開館時間
9:00〜18:00 (入場は閉館の30分前まで)
※金曜日・土曜日・日曜日・11月3日は19:00まで
休館日
会期中無休
観覧料
一般 1,000円(900円),高校・大学生 700円(600円),小・中学生 400円(300円)
※( )内は,責任者が引率する団体20名以上です。
ホームページ
http://www.narahaku.go.jp/index.html別ウィンドウが開きます

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