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文化庁月報
平成23年12月号(No.519)

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連載 「鑑 文化芸術へのいざない」

琉球舞踊のすがた

国立劇場おきなわ運営財団常務理事 宜保榮治郎

目次

  1. 1 はじめに
  2. 2 冊封の歴史
  3. 3 琉球舞踊の歴史と分類
  4. 4 琉球舞踊の分類
  5. 5 琉球舞踊の特徴とテーマ

はじめに

 琉球舞踊は琉球王国時代,国王の戴冠式の際に中国皇帝から国王に任命する辞令書を携えて来琉する冊封使(さっぽうし)(中国皇帝の名代)を歓待する為に創作された古典舞踊(御冠船踊(うかんせんおど)り)と,明治以降昭和まで新たに創作された雑踊りを含めたものです。内容の豊かさと格式の高さにより,平成22年9月に国の重要無形文化財に指定された日本を代表する芸能です。

冊封の歴史

 琉球が歴史に登場するのは,明の大祖が1372年琉球の中山王察度(ちゅうざんおうさっと)に冊封を要請したことに始まります。元を滅ぼした明は韓国,琉球,ベトナム,インドネシアなど東アジア諸国にも同様なことを要請したようです。琉球では察度の子の武寧(ぶねい)から始まり,最後の尚泰(しょうたい)まで約500年間に22回の冊封が行われました。

琉球舞踊の歴史と分類

 冊封使は中国(福建省)から北風にのって来琉し,南風にのって帰国しますのでおよそ半年間も滞在しました。その間,琉球では冊封使をねぎらうために7つの宴を行いましたが,その中でも特に中秋の宴,重陽の宴,拝辞の宴の3宴は首里城内に舞台を設置して芸能を行いました。この宴に出演するのは王府に仕える士族の子弟と決まっており,彼らはそのことを大変誇りにしました。琉球舞踊が宮廷舞踊とも呼ばれるのはそのことに由来します。現在舞踊家によって継承されている琉球舞踊はこの流れを汲む古典舞踊約23演目と明治,大正,昭和に創作された雑踊り約16演目があり,これを分類すると次のようになります。

琉球舞踊の分類

古典舞踊 1,老人踊(かぎやで風節) 2,若衆踊(特牛(くてぃ)節,四季口説) 3,二才踊(上り口説,下り口説,(めー)の浜,湊くり節,江差(えさ)節,()作田(ちくでん)節,高平良(たかでーら)万才,八重瀬(えーじ)万才) 4,女踊(諸屯(しゅどぅん)伊野波(ぬ は)節,綛掛(かせかけ)作田(ちくでん)節,柳,天川,本貫花(むとぬちばな)瓦屋(からやー)節,本嘉手久(むとかでく)節,踊りこはでさ節,女特牛(くてい)節,しよんだう)
雑踊り 花風(はなふう),むんじゅる平笠(ひらがさ)節,浜千鳥(ちじゅやー)加那(かな)よー,加那(かな)よー天川,貫花(ぬちばな)取納奉行(しゅぬぶじょう)汀間(ていま)とぅ,松竹梅,秋の踊り,黒島(くるしま)口説き,金細工(かんぜーくー)川平(かびら)節,越来(ぐいく)よー,馬山川(ばざんがー)(もど)駕籠(かご)

老人・老女

老人・老女


伊野波節

伊野波節

琉球舞踊の特徴とテーマ

 さて古典舞踊,雑踊りの分類は以上のようになりますが,芸能研究者の折口信夫は祭りや芸能を演ずる目的は「かまけ技(感染呪術)」にあると説いています。まさに琉球舞踊はその説のとおりで,沖縄ではそのことを「あやかる」と称します。
 観衆は老人・老女を見ることによって長命にあやかり,若衆踊りを見ることによって常に若々しくなると信じます。上り口説と下り口説は琉球と薩摩の往来を踊ったもので,その踊りには航海安全の祈りが込められており,七・五調の歌詞には薩摩芸能の影響がうかがえます。女踊りは八・八・八・六調の琉歌にのせて踊りますがその踊りのテーマは,男女の情愛です。特に踊り手は深い情念を極力表面に現わさずに胸の奥へ奥へと包み込むようにします。女踊りこそは琉球の風土の中から生まれた最高の芸術だと言えましょう。中でも打ち組踊りの「しよんだう」は珍しく琉球舞踊の中で唯一仮面を被る踊りで,コミカルな動きと仮面には韓国芸能の影響がうかがえます。
 雑踊りは廃藩置県によって琉球王国が士族の支配から解放されて市民社会になったことで,遊女や田舎娘,漁夫などが踊りの主人公となって舞台に登場します。当時の社会状況が如実に反映された踊りとなっています。

むんじゅる

むんじゅる

平成23年度自主公演日程(12月〜3月)

平成23年度自主公演日程(12月〜3月)

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