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文化庁月報
平成25年4月号(No.535)

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イベント案内

京都国立博物館
特別展覧会 狩野山楽・山雪

会期:平成25年3月30日(土)〜5月12日(日)
会場:京都国立博物館 特別展示館

京都の狩野派は濃い。

 桃山から江戸への過渡期。それは豊臣につくか徳川につくかで後の人生が変わる激動の時代でした。武将だけでなく,狩野派の絵師たちもまた,その渦中で運命を大きく左右されました。幕府御用絵師となり軽淡な画風を江戸の地で展開した狩野本家「江戸狩野」と,京の地にとどまり永徳の弟子筋によって濃厚な画風を確立する「京狩野」の誕生です。本展では,この京狩野の草創期にスポットをあてます。

重要文化財 龍虎図屏風(左隻) 狩野山楽筆 京都・妙心寺蔵

重要文化財 龍虎図屏風(左隻) 狩野山楽筆 京都・妙心寺蔵

 初代山楽は,豊臣秀吉に才能を見出されて狩野永徳に入門。師から造形の外面だけでなく,気宇壮大さ,明朗な気分など内面レベルまで受け継ぐ唯一の画家でした。永徳没後,狩野一門の番頭的な役割を担い活躍しましたが,豊臣氏滅亡により残党狩りの標的に。さいわい公家の九条幸家や将軍徳川秀忠の尽力によって命をつなぎ,濃厚華麗な画風を後継の山雪に伝えました。

 山楽から山雪への世代交代,時代は徳川の世に移ります。探幽率いる狩野本家は,幕府奥絵師として栄華をきわめ軽淡瀟洒な画風を展開しました。それに対して山雪は,江戸狩野とは距離を置き,京の地で自らの絵画世界をひたすら追究する学究肌の絵師で,山楽の濃厚な画風をより濃いものにしていきます。山雪の驚くべき個性的な絵画は刺激にみち,その特異な画風は,今日においても,新鮮な視覚体験を提供してくれます。まさに十八世紀の伊藤若冲・曾我蕭白らの先駆けで,いま最も再評価されるべき画家にほかなりません。

盤谷図 狩野山雪筆
盤谷図 狩野山雪筆

 波瀾の時代に生き,窮地に立たされながらも,絵師としての気概を持って運命に立ち向かった実力派,山楽と山雪。本展は,その生涯と画業をたどる大回顧展で,厳選の山楽作品二十一件,山雪の全貌をみる六十二件,あわせて八十三件によって構成されます。ここには山楽と山雪の代表作が一堂に集結,時代を映す華やかな大画面作品がずらりとならびます。作品を一堂に会するのは,山楽は四十二年ぶり,山雪は二十七年ぶり,両者の大回顧展は初めて。重要文化財十三件,新発見九件,初公開六件など,山楽・山雪研究の最前線をしめす高質の展覧会で,きわめて高度な絵画技術に支えられた,彼らの造形の確かさと力強さを体感できる絶好の機会です。

老梅図襖 狩野山雪筆 アメリカ・メトロポリタン美術館蔵 The Metropolitan Museum of Art, The Harry G. C. Packard Collection of Asian Art, Gift of Harry G. C. Packard and Purchase, Fletcher, Rogers, Harris Brisbane Dick, and Louis V Bell Funds; Joseph Pulitzer Bequest, and The Annenburg Fund Inc. Gift, 1975. (1975.268.48a-d). Image (c)The Metropolitan Museum of Art.

老梅図襖 狩野山雪筆 アメリカ・メトロポリタン美術館蔵
The Metropolitan Museum of Art, The Harry G. C. Packard Collection of Asian Art, Gift of Harry G. C. Packard and Purchase, Fletcher, Rogers, Harris Brisbane Dick, and Louis V Bell Funds; Joseph Pulitzer Bequest, and The Annenburg Fund Inc. Gift, 1975. (1975.268.48a-d). Image (c)The Metropolitan Museum of Art.

 海外からも出品。アメリカ三都市とアイルランドから里帰りした山雪の大作が四件。なかでもミネアポリス美術館「群仙図襖」(初里帰り)とメトロポリタン美術館「老梅図襖」は最大の魅力のひとつ。かつて表裏をなしていた山雪の襖絵が海を渡って以降はじめて,故郷の京都で五十年ぶりに再会,会場では同じケース内で元状に復し,お楽しみいただきます。アイルランドのチェスター・ビーティー・ライブラリィの「長恨歌図巻」二巻も修復以来十五年ぶりの里帰りで,長大な画面が宝石のように美しく輝いています。
 当館のみの限定展,三十九日間の夢の企画。これほどの規模で山楽・山雪の優品を一望できる稀有な機会はのがせません。

(学芸部連携協力室長 山下善也)

京都国立博物館

〒605-0931 京都市東山区茶屋町527

お問い合わせ
075-525-2473(テレホンサービス)
交通
JR・近鉄/京都駅下車,駅前市バスD2のりばから206・208号,D1のりばから100号系統にて博物館・三十三間堂前下車,徒歩すぐ
京阪電車/七条駅下車,東へ徒歩7分
開館時間
9:30〜18:00(金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(ただし,4月29日,5月6日は開館,4月30日は休館)
※平常展示館建替え工事中のため,展覧会開催期間以外は全館休館
観覧料
一般1,400円(1,100円),大学・高校生900円(600円),中学・小学生500円(200円)
※( )内は,団体20名以上
ホームページ
http://www.kyohaku.go.jp/別ウィンドウが開きます

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