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文化庁月報
平成25年4月号(No.535)

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イベント案内

奈良国立博物館
當麻曼荼羅完成1250年記念 特別展「當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-」

会期:平成25年4月6日(土)〜6月2日(日)
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館

 當麻寺(たいまでら)()()(けん)葛城(かつらぎ)())は二つのピークを持つ山・二上山(にじょうざん)東麓に位置する寺院です。本尊はその名も「當麻(たいま)曼荼羅(まんだら)」。阿弥陀如来の極楽浄土をあらわす約4m四方の巨大な掛幅です。この曼荼羅は,天平宝字7年(763),一人の高貴な女性(中将(ちゅうじょう)(ひめ))の極楽往生を願う思いによって織りあらわされた奇跡の曼荼羅として知られ,信仰され続けてきました。本展ではこの曼荼羅を30年ぶりに公開します。
 本展はこの「當麻曼荼羅」とともに極楽浄土信仰の聖地となっていった當麻寺の信仰の歴史をたどり,1300年以上の歴史を持つ當麻寺の奥深い魅力に迫ります。寺宝に関連資料を加えて開催する史上初の「當麻寺」展にご期待ください。以下主な出陳品をご紹介いたします。

国宝 綴(つづれ)織(おり)當麻(たいま)曼荼羅(まんだら) 部分 奈良・當麻寺 ◆展示期間:4/6〜14,4/23〜5/6

国宝 (つづれ)(おり)當麻(たいま)曼荼羅(まんだら) 部分
奈良・當麻寺
◆展示期間:4/6〜14,4/23〜5/6

国宝 (つづれ)(おり)當麻(たいま)曼荼羅(まんだら)

 1000年以上の間,根本の本尊として當麻寺の信仰を支えてきた曼荼羅です。この曼荼羅は鎌倉時代以降,以下の二つの価値から重要な信仰対象となり寺内外で転写が繰り返されました。第一に,天平宝字7年(763),極楽往生を願った貴族の娘(中将姫)の願いに応じ,阿弥陀如来や観音菩薩の化身の力によって蓮糸を用いて織り表されたという,いわば奇跡の曼荼羅としての価値です。第二に浄土経典『(かん)()(りょう)寿(じゅ)(きょう)』を絵解(えと)きする(へん)(そう)()としての価値があります。鎌倉時代から教団化した浄土宗の一門は,當麻曼荼羅の画面構成が,浄土宗が祖師と崇める唐僧善導(ぜんどう)の同経解釈によることを重視しました。この二つの価値によって當麻曼荼羅は世に知られ,転写が行われ続けたといえます。
 その整然とした画面構成や文様パターン,尊像の表情等から図様成立時期は伝説に違わぬ8世紀頃と考えられますが,昭和に入って行われた細密な調査と学術的検討により,本図は蓮糸ではなく絹糸で「綴織」という技法によって絵画的図様が織り表されたものであることが明らかとなりました。他に例を見ない緻密で高度な綴織技術から中国・唐での製作と考える説も強く,當麻寺へ安置された経緯についても諸説が提示されています。
 こうした作品としての貴重さのみならず,伝説とともに長く信仰され続けてきたかけがえの無い存在として,確固たる位置を占める国宝です。

重要文化財 持(じ)国天(こくてん)立像(りゅうぞう)(四天王立像のうち) 奈良・當麻寺

重要文化財 ()国天(こくてん)立像(りゅうぞう)(四天王立像のうち)
奈良・當麻寺

重要文化財 ()国天(こくてん)立像(りゅうぞう)

 當麻寺金堂の(しゅ)()(だん)上に安置されていますが,壇の規模に対して大きすぎるようで,当初は別の堂に安置されていたと推定されています。漆に混ぜ物をしてペースト状にしたもの(乾漆(かんしつ))を盛り上げて造っていて,像内は心木を残して空洞としています。
 腰をわずかにひねるのみで動きの少ない姿勢や,長く垂らした(そで),下半身に(くん)(腰巻き)をまとう点などは,飛鳥時代(7世紀半ば)の法隆寺金堂四天王像に通ずるものですが,その面貌(めんぼう)の表現ははるかに写実的で,明らかに一歩進んだ様式を示しています。その一方,動きの大きい姿態や軽快な甲冑(かっちゅう)に特徴のある奈良時代(8世紀)の武装天部像には遠く,いわゆる白鳳期(7世紀後半〜8世紀初)の制作とみなされます。
 日本における乾漆像の黎明期の様相を示す貴重な像です。

重要文化財 當(たい)麻(ま)曼(まん)荼(だ)羅(ら)(文(ぶん)亀(き)本(ぼん)) 奈良・當麻寺 ◆展示期間:4/16〜21,5/21〜6/2

重要文化財 (たい)()(まん)()()(ぶん)()(ぼん)
奈良・當麻寺
◆展示期間:4/16〜21,5/21〜6/2

重要文化財 (たい)()(まん)()()(ぶん)()(ぼん)

 (つづれ)(おり)當麻(たいま)曼荼羅(まんだら)の図様を写した同じ大きさの絵画です。當麻寺では鎌倉時代にも1度同寸の模写が製作されましたが(建保本),本図はその建保本をもとに製作されたものです。旧軸木に記された銘文によれば,尼僧の発願(ほつがん)により明応2年(1493)に画絹が織られ,同4年に(なん)()()(どころ)(しば)()(ほっ)(きょう)(けい)(しゅん)が描きはじめ,文亀3年(1503)に京都へ運ばれ後柏原天皇が銘文を書き加えた後,永正2年(1505)に完成したといいます。完成後は興福寺で供養ののち當麻寺に納められました。
 長らく根本曼荼羅にかわって當麻寺本堂厨子内に本尊として懸けられていましたが,近年本格修理が行われました。おそらく本展が最初で最後の寺外での公開となります。

(学芸部情報サービス室員 北澤菜月)

奈良国立博物館

〒630-8213 奈良市登大路町50番地

お問い合わせ
050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
交通
近鉄奈良駅下車。東へ徒歩約15分。
JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス(外回り)「氷室神社・国立博物館」下車すぐ。
開館時間
9:30〜17:00
※入館は閉館の30分前まで
※4月26日(金)以降の金曜日は午後7時まで開館
休館日
毎週月曜日
※ただし4月29日(月),5月6日(月)は開館し,5月7日(火)は休館
観覧料
一般 高校・大学生 小・中学生
個人(当日) 1,200円 800円 500円
団体 1,000円 600円 300円
※団体は20名以上です。
※障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※この料金で,同時開催の名品展「珠玉の仏たち」(なら仏像館),名品展「中国古代青銅器」(青銅器館)も観覧できます。
ホームページ
http://www.narahaku.go.jp/別ウィンドウが開きます

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